
永住許可申請は、他の在留資格の更新や変更と異なり、日本での「永住」を認める非常に重い決定です。そのため、審査も厳格に行われます。

河野
(かわの)
特に私の事務所がある福岡出入国在留管理局内(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)の永住権申請の許可率は、全国で最も低い数値です、具体的には以下です。
- 2024年(59.34%)
- 2023年(52.10%)
- 2022年(58.19%)
- 2021年(58.11%)
上記の通り、永住権の申請が不許可になるのは珍しいことではなく、だからこそ永住許可に関するガイドラインを確認し、慎重に申請書類を作成する必要があります。九州・沖縄で永住権申請をお考えの方は、お気軽にご相談ください!
- 1. はじめに:永住許可の審査はガイドラインの理解から始まる
- 2. 永住許可に関するガイドライン(令和7年10月30日改訂)
- 2.1. 【全文】法律上の要件
- 3. 各要件の詳細解説【重視されるポイントを中心に】
- 3.1. (1)素行が善良であること(素行善良要件)
- 3.1.1. ガイドライン原文:
- 3.1.2. 詳細解説:
- 3.2. (2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)
- 3.2.1. ガイドライン原文:
- 3.2.2. 詳細解説:
- 3.2.3. よくあるケース
- 3.3. (3)日本国の利益に合すると認められること(国益要件)
- 3.3.1. ア:原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
- 3.3.2. イ:罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
- 3.3.2.1. 納税(国税・地方税)
- 3.3.2.2. 年金・健康保険
- 3.3.2.3. 各種届出
- 3.3.3. ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
- 3.3.4. エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
- 4. よくあるご質問と答え(FAQ)
- 5. 記事のまとめ:永住許可申請は「ガイドライン理解」と「事前準備」が最重要
- 5.1. 改めて、審査の要点は以下の通りです:
- 5.2. 審査で重視される実務上の注意点:
永住許可申請の基本はガイドラインの確認から
はじめに:永住許可の審査はガイドラインの理解から始まる
永住許可申請は、他の在留資格の更新や変更と異なり、日本での「永住」を認める非常に重い決定です。そのため、審査も厳格に行われ、明確な判断基準が「永住許可に関するガイドライン」として法務省から示されています。
この記事では、出入国在留管理庁永住許可に関するガイドライン(令和7年10月30日改訂)の中でも「1 法律上の要件」の全文を紹介し、それぞれの条項について実務的観点から詳しく解説します。
永住許可に関するガイドライン(令和7年10月30日改訂)
【全文】法律上の要件
(1)素行が善良であること
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること
(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
イ 罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
※ 公的義務の履行について、申請時点において納税(納付)済みであったとしても、当初の納税(納付)期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されます。
ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
※ ただし、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には、(1)及び(2)に適合することを要しない。また、難民の認定を受けている者、補完的保護対象者の認定を受けている者又は第三国定住難民の場合には、(2)に適合することを要しない。
各要件の詳細解説【重視されるポイントを中心に】
(1)素行が善良であること(素行善良要件)
ガイドライン原文:
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること
詳細解説:
この要件は、単なる「犯罪歴の有無」ではなく、日常生活での規律ある行動が求められるということです。具体的に審査で確認される主な項目は以下のとおりです。
| チェックポイント | 説明 |
|---|---|
| 前科・前歴 | 特に罰金刑以上はマイナス評価。交通違反も繰り返すと不利になる。 |
| 少年時の保護処分歴 | 少年院送致・保護観察なども記録があれば対象になる。 |
| 違法な副業 | 在留資格外活動の無許可アルバイトなども該当。 |
| 風紀を乱す行動 | 近隣とのトラブルや騒音、迷惑行為も報告されれば影響あり。 |

河野
(かわの)
永住申請時のポイント
交通違反が累積している場合や、深夜営業の飲食業に従事している場合に、補足資料の提出や事情説明書を求められることがあります。無事故・無違反の証明書(運転記録証明書など)を提出するのも有効です。
交通違反が永住申請に与える影響については、以下のページでも解説しています。
(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)
ガイドライン原文:
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
詳細解説:
この要件は、「生活保護を受けていないこと」に加え、今後も安定的に生活できると見込まれるかを問うものです。具体的には、以下の点が評価されます。
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 現在の収入 | 年収300万円前後が基準。ただし、世帯人数により基準は上がります。 |
| 職歴の安定性 | 継続した勤務先・就労内容が望ましい。頻繁な転職は良い評価にはなりません。 |
| 資産の有無 | 預貯金、不動産、投資資産なども加味される。 |
| 扶養関係 | 配偶者の収入も合算可能。扶養者が就労ビザでの安定収入を持つことが条件。 |
よくあるケース
- パートタイム勤務のみ:配偶者が就労ビザでのフルタイム就労なら、世帯として評価可。
- 出産や病気による離職:離職理由を明確にし、直近の収入証明+貯金残高の提示で補強する。
永住申請の収入の重要性については以下のページで解説しています。

河野
(かわの)
「不動産を持っていると永住申請に有利ですか?」という質問をよくいただきます。以下のページで解説しています。
(3)日本国の利益に合すると認められること(国益要件)
この要件は、最も包括的かつ重要な審査ポイントであり、以下のように複数の小項目に分かれています。
ア:原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
| 内容 | 解説 |
|---|---|
| 対象資格 | 「技能実習」「特定技能1号」を除く就労・居住系資格 |
| 継続性 | 出国が90日を超えると「継続」とは見なされない場合があります |
実務注意:
ビザの更新や変更の際に漏れがあった場合に、数日でも「継続」から外れるリスクがあります。また、出国期間や再入国記録の提出を求められることもあります。出国日数と出国期間が永住申請に与える影響については、以下のページで解説しています。
イ:罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
納税(国税・地方税)
- 「課税(非課税)証明書」「納税証明書」が必要
- 一時的な未納もマイナス評価となることあり
年金・健康保険
- 原則として過去2年分の納付証明を提出
- 国民年金は未加入の期間があると大きく不利に評価されます
各種届出
- 住居地・所属機関の変更届が遅延・未届の場合はマイナス評価
| 公的義務 | 確認期間(原則) |
|---|---|
| 地方税 | 過去5年 |
| 国税 | 過去5年 |
| 年金 | 過去2年 |
| 健康保険 | 過去2年 |
| 届出義務 | 現在までの全履歴 |
注意事項:
※ 公的義務の履行について、申請時点において納税(納付)済みであったとしても、当初の納税(納付)期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されます。
税金・年金・保険料の未納や滞納についていは、以下のページで解説しています。
ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
原則として、現時点で3年または5年の最長在留期間を有していることが求められます。1年や3か月の場合は、原則として申請できません。
エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
- 感染症などの診断履歴や医療措置歴が問われることがあります。
- アルコール依存や薬物使用の記録がある場合、医師の診断書が求められる場合もあります。

河野
(かわの)
なお、2027年からは、永住の「申請」と「取り消し」の基準が厳しくなることが予定されています。詳しくは、以下のページで解説しています。
よくあるご質問と答え(FAQ)
-
健康保険料の支払証明は、どうやってしますか
-
健康保険は、自営業者や留学生が多い「国民健康保険(国保)」と、会社員が多い「健康保険(社会保険:社保)」で、証明方法が違います。詳しくは、以下のページで解説しています。
-
過去に納税が遅れたことがありますが、申請は可能ですか?
-
可能ではありますが、審査には不利になります。
永住許可ガイドラインでは「申請時点で納付済みであっても、納期限内に履行されていない場合は原則として消極的に評価されます」とされています。延滞の理由を説明し、現在は適切に履行していることを証明する資料(例えば納付書控え、督促状への対応記録など)を添付することが望ましいです。
-
在留期間が「1年」です。永住許可申請はできますか?
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原則としてできません。
永住許可を申請するには、現在有している在留資格で最長の在留期間(通常3年または5年)を有している必要があります。1年や3か月といった短い在留期間では、原則不許可となります。まずは更新手続で最長期間を取得してから申請を行うのが現実的です。
-
福岡県内に住んでいます。どこで申請すればよいですか?
-
福岡出入国在留管理局で申請可能です。福岡出入国在留管理局が、福岡県内の永住申請を管轄しています。必要書類、予約方法などの詳細については、事前に管轄局のウェブサイトを確認するか、弊所までご相談ください。福岡での永住申請に関しては、以下のページでご説明しています。
-
専業主婦(夫)ですが、配偶者が日本人で安定収入があります。永住申請はできますか?
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可能です。
ガイドラインでは、「日本人、永住者または特別永住者の配偶者・子である場合は、素行善良・独立生計要件を免除」と定められています。よって、ご本人に収入がない場合でも、家族の状況次第で申請が認められる可能性があります。「配偶者ビザ」からの永住許可申請について詳しくは以下のページを参照ください。
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技能実習生として3年間在留した後、就労ビザに変更しました。永住申請にカウントされますか?
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原則としてカウントされません。
「技能実習」や「特定技能1号」は、国益要件(ア)で定める就労資格としての在留に含まれません。その後の就労ビザ(例:特定技能2号、技術・人文知識・国際業務など)で5年以上在留(日本に在住してから10年)してからでないと原則的には申請できません。「就労ビザ」からの永住許可申請については、以下のページを参照ください。
-
交通違反(スピード違反)を過去に数回しています。永住許可に影響しますか?
-
回数や内容によりますが、繰り返している場合は不利になります。
1回の軽微な違反であれば大きな問題にはならないケースもありますが、短期間に複数回違反していると、「素行善良」とは評価されにくくなります。運転記録証明書などで違反の内容と回数を把握し、必要に応じて反省文を添付することが有効です。
-
在留カードの住所変更届を忘れていました。影響はありますか?
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影響します。
在留カードの住所変更届出義務(入管法第19条の7)は「公的義務の一部」であり、故意や長期の不履行があると国益要件で消極的に評価されます。速やかに届出を行い、経緯説明書を提出してください。「届出義務違反」が永住許可申請に及ぼす影響については、以下のページを参照ください。
-
会社を退職して就職活動中ですが、永住申請は可能ですか?
-
原則として就業中であることが望ましいです。
独立生計要件が満たされないため、原則として不利です。配偶者が安定した収入を有する場合は、世帯単位での評価となります。退職理由と就職活動中である旨を証明できる資料(離職票、応募履歴など)を準備してください。「転職」が永住許可申請に及ぼす影響については、以下のページを参照ください。
-
子どもも一緒に永住申請したいのですが、どうすればよいですか?
-
子どもも同時申請可能です。
親と同時に申請する場合、子どもは基本的に親の在留歴に基づいて審査されます。出生からの在留歴や、在学証明、健康保険証の写しなどを添えて申請するとスムーズです。「家族滞在ビザ」から永住許可申請する場合については、以下のページを参照ください。
記事のまとめ:永住許可申請は「ガイドライン理解」と「事前準備」が最重要
永住許可申請は、単なる在留資格の更新ではなく、日本での将来を左右する重要な手続きです。
この記事では、2024年11月18日に改訂された最新の「永住許可に関するガイドライン」のうち、法律上の3つの要件を原文付きで詳しく解説しました。
改めて、審査の要点は以下の通りです:
| 要件 | 主なポイント |
|---|---|
| 素行善良要件 | 犯罪歴・交通違反・社会的評価も含めた総合判断 |
| 独立生計要件 | 安定収入・資産・職歴の有無、生活保護の利用履歴など |
| 国益要件 | 基本は在留歴10年(うち5年就労等)、納税・年金・保険料の履行、在留資格の期間、届出義務の遵守など |
また、特例として、日本人配偶者や子、高度人材、定住者等については、一定の要件が緩和されるケースもあります。
審査で重視される実務上の注意点:
- 納税・社会保険の「期限内履行」が必須
- 在留資格が1年の場合は申請できない、納付遅延歴がある場合は要注意
- 住所変更や所属変更の届出漏れでも影響あり
- 「技能実習」や「特定技能1号」の在留歴は就労年数に含まれない

河野
(かわの)
永住許可申請は、「知っていれば避けられる不許可理由」が多く存在します。正確な情報と準備で、あなたの申請を成功に導きましょう。
特に福岡出入国在留管理局内(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)の永住権許可率は全国で最も低い数値です。慎重に書類を作成する必要があります。福岡出入国在留管理局で永住権申請をお考えの方は、ぜひビザ申請サポート福岡 外国人支援センター(国際行政書士 河野尋志)にご相談ください!
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河野(かわの)
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投稿者プロフィール

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外国人の社員さん達と一緒に企業の取締役として国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール(多言語ツール)の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。行政書士業務を始めてからは様々な在留資格(ビザ)の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えてサポート致します。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格:行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人:1976年生まれ、宮崎県出身、1男2女の父、柔道3段(今は3級くらいの実力)





































