永住権申請の健康保険料の未払いや滞納についてビザ専門の行政書士が解説

はじめに:この記事で分かること

ビザ申請で、「健康保険(社会保険)」や「国民健康保険」など公的医療保険の料金を支払っているかが、ますます重要になってきています。未払いや滞納があると、結論、永住申請が不許可になる可能性が高くなります。

  • 健康保険(公的医療保険)とは?
  • 公的医療保険の納付(保険料を支払っていること)を証明する必要がある年数
  • 公的医療保険の加入・納付状況を証明する方法
  • 公的医療保険料を滞納した場合のリスク
  • 将来的に、永住許可申請だけではなく、ビザの更新や変更に納付証明が求められる可能性あり
  • よくある質問(FAQ)
  • 行政書士に相談するメリット
行政書士
河野
(かわの)

私の事務所がある福岡でも、健康保険の未払いや滞納、支払を証明する方法についてのお問い合わせは多いです。特に永住権の申請では、必ず健康保険料の支払い証明が求められるため、十分な注意が必要です。

特に福岡出入国在留管理局内(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)の永住権申請の許可率は、全国で最も低い数値です、具体的には以下です。

  • 2024年(59.34%)
  • 2023年(52.10%)
  • 2022年(58.19%)
  • 2021年(58.11%)

上記の通り、永住権の申請が不許可になるのは珍しいことではなく、だからこそ公的医療保険をしっかり支払っていること重要です。九州・沖縄で永住権申請をお考えの方は、お気軽にご相談ください!

目次

健康保険の支払証明は永住権申請で必須! 未払いや滞納があると不許可になる可能性あり

健康保険(公的医療保険)とは?

日本の公的医療保険の概要

日本では、「国民皆保険制度」と呼ばれる仕組みがあり、すべての住民(日本人・外国人を問わず)が何らかの公的医療保険に加入する義務があります。公的医療保険に加入することで、病院での診察や治療を受けた際、自己負担額(通常は3割)で医療サービスを受けることができます。

日本に中長期で在留(90日を超えて滞在)する外国人も、在留カードをもらった時点で、公的医療保険の加入義務があります。

主な公的医療保険の種類と対象者

主な公的医療保険対象となる人管轄・管理
国民健康保険(国保)自営業(個人事業主)、パート、アルバイト、無職、退職者などそれぞれの市区町村
健康保険(社会保険:社保)正社員など会社に雇用されている人勤務先・全国健康保険協会など
行政書士
河野
(かわの)

外国人の方で、就労ビザを持つ会社員の場合は「健康保険(社会保険)」に加入していることが一般的です。家族滞在ビザなどで就労ビザを持つ外国人の「扶養」を受けている場合も、同じく健康保険(社会保険)に加入している場合がほとんどです。

永住権申請では健康保険(公的医療保険)の支払証明が必要

なぜ支払証明が求められるのか?

入国管理局は、日本に住む外国人の方々が「日本社会の一員としての義務」を果たしているかどうかを重視しており、その評価項目のひとつが「公的医療保険料の適切な納付状況」です。

特に在留期間が無期限になる「永住権の申請」や「高度専門職ビザ2号への変更申請」では、公的医療保険の納付証明(健康保険料を支払っていることの証明)が必要になります。

情報出典:出入国在留管理庁

支払証明が必要な年数

永住権の申請や高度専門職2号への変更申請では、公的医療保険の納付証明(健康保険料を支払っていることの証明)が必要です。以下で、「証明が必要になる年数」について分かりやすく表にまとめました。

在留資格・申請内容証明が必要な期間ポイント
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)から永住申請直近2年間健康保険はもちろん、年金の納付記録(2年間)も審査対象
配偶者ビザから永住権申請直近2年間被扶養者(扶養されている者)として公的医療保険に加入している場合も2年間の証明が必要
家族滞在ビザから永住申請直近2年間被扶養者(扶養されている者)として公的医療保険に加入している場合がほとんど
定住者ビザから永住申請直近2年間無職の場合は、国民健康保険での加入・納付履歴が評価対象
高度専門職(70点以上)から永住申請直近2年間高度専門職1号であっても、まったく優遇されません
高度専門職(80点以上)から永住申請直近1年間高度専門職80点以上であれば、1年間を証明すればOK
高度専門職1号から高度専門職2号への変更申請直近1年間高度専門職2号は、永住者と同じく在留期間が「無期限」なので、審査は厳しくなります

永住権の申請で健康保険(公的医療保険)の支払証明が重視される理由

納付状況は、永住権の申請で求められる「素行善良要件」や「国益要件」に直結します。

  • 素行善良要件:納税・保険料納付は義務です。義務を果たしているかは、日本での生活態度を確認するための重要な指標です。
  • 国益要件:長期的に日本社会に貢献できると見なされるかどうかの評価基準。
  • 独立生計要件:そもそも健康保険(公的医療保険)の支払ができない状態であれば、独立して生活できる収入がある状態とは判断されません。
行政書士
河野
(かわの)

つまり、「日本社会の一員」として信頼されるためには、健康保険(公的医療保険)に加入するという「義務」を果たしてくださいね、ということです。

特に永住権の取得を目指す外国人の方は、最低でも1〜2年分の健康保険(公的医療保険)は、遅れずに、しっかり支払いましょう。

永住権の要件について更に詳しくは、以下のページで解説しています。

健康保険(公的医療保険)の支払を証明する方法

支払を証明する方法の説明が分かりにくい!

出入国在留管理庁の永住者についてのページを確認すると、「公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料」として、以下のように書かれています。

(2) 直近(過去2年間)の公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料

※ 保険者番号及び被保険者等記号・番号が記載されている書類(写しを含む。)を提出する場合には、これらの番号の部分を黒塗りにするなど、保険者番号及び被保険者等記号・番号を復元できない状態にした上で御提出ください。

ア 健康保険被保険者証(写し)

 ※ 現在、健康保険に加入している方は提出してください。

 ※ 直近2年間の全ての期間において引き続き健康保険に加入している方は、イ~エの資料は不要です。

イ 国民健康保険被保険者証(写し)

 ※ 現在、国民健康保険に加入している方は提出してください。

ウ 国民健康保険料(税)納付証明書

 ※ 直近2年間において、国民健康保険に加入していた期間がある方は、当該期間分について提出してください。

エ 国民健康保険料(税)領収証書(写し)

※ 直近2年間において、国民健康保険に加入していた期間がある方は、当該期間分の領収証書(写し)を全て提出してください。
提出が困難な方は、その理由を記載した理由書を提出してください。

※令和6年12月2日から健康保険証の廃止を定めるマイナンバー法等の一部改正法が施行されることに伴い、健康保険証はマイナンバーカードと一体化されたもの(「マイナ保険証」)になります。同日以降は現行の健康保険証の発行ができなくなるため、お手元にある健康保険証の有効期限が切れた場合や有効期限前に転職・転居などで保険者の異動が生じた場合は、以下の書類を提出してください。

(1)マイナ保険証を所持している方

マイナポータルの健康保険証情報に記載の「資格取得年月日」が確認できる画面の写し(3か月以内のもの)

(2)マイナ保険証を所持していない方

「資格確認証」(写し)※上記の書類を提出することが困難な場合については、その理由を記載した理由書を提出してください。

情報出典:出入国在留管理庁

行政書士
河野
(かわの)

行政手続きのプロである行政書士が読んでも、非常に分かりにくい内容なので、分かりやすく、以下の表(クリックすると拡大できます)にまとめてみました。

支払証明に使える書類一覧

公的医療保険の種類必要な証明書の名称発行機関
国民健康保険(国保)❶国民健康保険料納付証明書市区町村の役所(保険年金課など)
国民健康保険(国保) ❷国民健康保険料の領収証書のコピー本人が保管、または市役所窓口
マイナ保険証を持っている場合マイナポータルの健康保険証情報にある「資格取得年月日」が確認できる画面のコピー(3か月以内のもの)マイナポータルは、スマホのアプリを使うのが便利でおすすめ
マイナ保険証を持っていない場合資格確認証のコピー
※無くさないように、しっかり保管しておきましょう
市区町村の役所(保険年金課など)

支払証明に使える書類を提出する際の注意点

項目内容
1. 直近の期間をカバーしているか通常の永住権申請なら直近2年間分(高度専門職なら1年)をカバーしていることが必要
2. 書類の名称が正式か「納付証明書」や「納入確認書」など、明確に「納付状況」が分かる書類を選ぶ
3. 不足分の説明があるか過去に未納・未加入があった場合、「理由書」など補足文書を添付するべき場合もあります

よくあるミスとその対策

よくあるミス防止策・対処法
自営業の外国人の方が、国民健康保険証だけを提出「納付証明書」や「領収証書のコピー」も必要です。提出できないと、永住権申請が不許可になる可能性が高いです。
複数の自治体(市区町村)にまたがる移動があった場合引越しして、複数の自治体(市区町村)を移動している場合は、全ての自治体での納付証明書類を集めて、時系列で整理して、入国管理局に提出しましょう
扶養者と、被扶養者の関係にも注意例えば、扶養者(会社員)と、被扶養者(会社員の家族)であれば、扶養者が就労する会社から被扶養者の健康保険証をもらっているはずです。そうでない場合は、注意が必要です。

補足資料が必要なケース

次のような場合、「健康保険(公的医療保険)の支払を証明する資料」だけでなく、補足説明が求められます。

  • 一時的に未加入だった期間がある
  • 減免措置を受けていた(保険料を免除・分納していた)
  • 海外出張・帰国等により保険制度から一時的に離脱していた
行政書士
河野
(かわの)

場合によって、「理由書」「誓約書」「関連証明資料(診断書・離職票など)」を追加しないと、永住権の審査が長引く、最悪の場合は不許可になる可能性があります。

永住権申請で行政書士のサポートが有効な理由

  • 必要な証明書の種類と取得方法を正確に案内
  • 複数の市区町村にわたる履歴を一元化・整理
  • 事情説明書や補足資料の作成代行
  • 審査官に伝わりやすい書類構成と翻訳対応
行政書士
河野
(かわの)

ご不明点があればお気軽にお問い合わせください。初回ご相談は無料!オンラインでの面談にも対応しております。

公的医療保険料の未払いや滞納のリスク

未払い(未納)や滞納は永住申請の必要書類で自己申告が必要

永住申請の必要書類の一つ「永住許可申請セルフチェックシート」に健康保険(公的医療保険)の支払いについて、申請者(永住申請する外国人)が自ら、未払い(未納)や滞納について記入して申告する部分があります。以下の画像を参照ください。

情報出典:出入国在留管理庁公式ホームページ

行政書士
河野
(かわの)

上記の「永住許可申請セルフチェックシート」の画像の通り、※未納や当初の納付期限を超えて納付したことがある場合は、「いいえ(No)」を選んでください。と記載があります。

そして、「永住許可申請セルフチェックシート」の上段には、※一つでも「いいえ(No)」に該当した場合、永住許可申請は「不許可」となる可能性が高くなります。と書いてあります。

出入国在留管理庁の審査要領に記載されている内容

出入国在留管理庁が、行政書士など専門家向けに公表している審査要領に、公的医療保険料の未払いや滞納について、以下のように記載されています。

医療保険料(健康保険、国民健康保険及び後期高齢者医療保険)について
① 申請時に社会保険に加入している者であっても、確認対象期間のうち国民健康保険に加入していた期間がある者については、当該期間分に係る納付状況について確認することに留意する。
申請時点において納付済みであったとしても、当初の納付期限内に納付されていなかった場合には、原則として消極的に評価する。ただし、納付期限後に納付していることについて、やむを得ない事情が認められる場合にあっては、消極的に評価しない。
保険料が一部しか納付されていない場合や納付状況を確認する期間に継続して適正に納付されていない場合は、公的義務を履行していることには当たらない。
④ 所属企業が健康保険料を支払っていない場合等本人の責めに帰することのできない事由により未納となっている場合は、そのことを理由に当該要件に適合しないものとして扱わない。
⑤ 被扶養者である場合にあっては、扶養者が公的義務を履行しているなど法令を遵守していることが必要である。

出典:入国・在留審査要領(令和7年3月開示版)抜粋

過去に滞納していた場合も「消極的評価」

永住権申請の審査では、公的医療保険料を過去に滞納していた場合も「消極的評価」をされます。簡単に書くと、以前支払っていなくて、その後支払ったとしても、永住権の申請が不許可になる可能性がある、ということです。

行政書士
河野
(かわの)

過去に健康保険料や税金を滞納したことで永住権申請が不許可になった実例もあります。詳しくは、以下のページで解説しています。

完納(一部、支払いを)していない場合

永住権申請の審査では、完納(一部、支払いを)していない場合は、公的義務を履行していることには当たらない、と記載があります。一部だけでも支払ができていない場合は、義務を果たしていない、と判断される、ということです。つまり、永住権の申請が不許可になる可能性が高い、ということです。

行政書士
河野
(かわの)

公的医療保険[健康保険(社保)、国民健康保険(国保)]の保険料を、遅れずに、毎月、定期的にしっかり支払っていれば何も心配することはありません。

今後すべての在留資格(ビザ)で健康保険(公的医療保険)の支払が必要になる可能性あり

「国民健康保険」の外国人の納付率は63%しかない

政府の調査によると、外国人の国保納付率は2024年末時点で63%。これは、全体(日本人を含めた)の納付率93%と比べて約30ポイントも低い状況です。

つまり、日本在住の外国人は、10人中4人近くが保険料を払っていないという深刻な課題があり、日本政府はこの問題を重く考え、改善しようとしています。

在留資格(ビザ)審査に滞納情報が反映される?

現在、国民健康保険を管理する「市区町村」と、国民年金を管理する「厚生労働省」、在留資格(ビザ)を管理する「出入国在留管理庁(入管)」の情報はしっかり連携されていませんので、滞納情報はビザ審査には使用されていません。しかし、2026年度にシステムを改修し、2027年6月からは滞納状況が在留資格の更新・変更審査に反映される方針です。

政府は、以下のスケジュールで制度改革を進める予定という情報があります。

年度改革内容
2026年度(2026年4月から)国保システム改修、情報連携の準備
2027年度(2027年6月から)滞納している情報を、在留資格(ビザ)審査に反映する予定

情報出典:日本経済新聞2025年6月9日記事

行政書士
河野
(かわの)

2027年6月からは滞納状況が在留資格の更新・変更審査に反映される可能性についてさらに詳しくは、以下のページで解説しています。

出入国在留管理庁の「ガイドライン」にも健康保険(公的医療保険)について記載あり

 なお、社会保険への加入の促進を図るため、平成22(2010)年4月1日から申請時に窓口において健康保険証の提示を求めています。
(注)令和6年12月2日、健康保険証の発行が廃止されることから、同日以降、健康保険証を所持していない者については、スマートフォン等によるマイナポータルの「資格情報」画面の提示、「資格情報のお知らせ」又は「資格確認書」の提示を求めます。
 なお、健康保険証等を提示できないことで在留資格の変更又は在留期間の更新を不許可とすることはありません。

〜中略〜

7 納税義務等を履行していること
 納税の義務がある場合には、当該納税義務を履行していることが求められ、履行していない場合には消極的な要素として評価されます。例えば、納税義務の不履行により刑を受けている場合は、納税義務を履行していないと判断されます。
 なお、刑を受けていなくても、高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も、悪質なものについては同様に取り扱います。
 また、国民健康保険料など、法令によって納付することとされているものについて、高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も、悪質なものについては同様に取り扱います。

出典:出入国在留管理庁 在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン(改正令和6年10月)

行政書士
河野
(かわの)

2024年10月から、入国管理局の窓口で「健康保険証」や「マイナポータルの画面の提示」などが求められるようになりました。

なお、まだ「健康保険証等を提示できないことで在留資格の変更又は在留期間の更新を不許可とすることはありません。」という状態ですが、2027年度からは、そのルールが変更される可能性があります。

実務上の影響と対策

今後、日本に在住する全ての外国人にとって「公的医療保険の加入・納付状況の証明」がビザ更新・変更のための必須要件となり、今後は以下のような対応が求められる可能性が高いです。

  • 日本入国直後から公的医療保険に加入することが必須
  • 転職や退職後も保険切替(社保→国保など)を適正に行う
  • 公的医療保険料の納付を毎月適正に行い、定期的にマイナポータルなどで確認する
  • 滞納(支払いできない状態)になった場合は、分納や猶予の手続きを行う
行政書士
河野
(かわの)

外国人が日本で長期的に安心して生活を続けるためには、「医療保険料の納付」はまさに基本中の基本です。将来、永住権を申請する場合のことも考えて、今すぐ自分の納付状況を確認し、必要であれば専門家に相談することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

昔に滞納があったが、今は全て納付済みです。問題ないでしょうか?

永住権の申請では、原則として直近2年(控訴専門職80点以上は1年)の納付が必要です。過去に滞納があった場合でも、すでに完納していて、現在は安定して納付を継続していることを証明できれば、永住審査で不許可になるリスクは低くなりますが、リスクは残ります。不安がある場合は事情を説明する「理由書」を提出することをおすすめします。

永住権申請の理由書についてさらに詳しくは、以下のページで解説しています。

国民健康保険証のコピーを提出するだけでは不十分ですか?

不十分です。保険証の写しでは「加入している事実」は確認できますが、「過去2年間、保険料を納付している事実」は確認できません。納付証明書や領収証の提出が必須です。

扶養者(妻や子ども)として加入しています。納付証明は必要ですか?

必要です(配偶者ビザ・家族滞在など)。たとえ本人が納付義務者(扶養者)でなくても、扶養者の加入証明(被扶養者証明)と、扶養者(例えば配偶者)の納付証明書が必要です。

社会保険に加入していますが、会社が納付していなかった場合も責任を問われますか?

原則として従業員には直接の納付義務はありませんが、状況により良くない評価を受ける可能性があります。
健康保険(社会保険)は会社が給与から天引き(特別徴収)し、納付する仕組みです。しかし、会社側の未納や不正がある場合、被保険者(外国人本人)にも調査が及ぶことがあります。お困りの場合はご相談ください。

転職や引っ越しなどで保険の切り替えを忘れていました。その期間の未加入は問題ですか?

永住権の審査で、公的医療保険料の支払証明の提出ができない場合は、問題となる可能性が高いです。公的医療保険[健康保険(社保)、国民健康保険(国保)]に加入していない期間や保険料を支払っていない期間があると、「義務違反」と評価される場合があります。期間が短ければ、切り替え忘れの合理的理由(転職・引越等)を説明し、誓約書や理由書を添付することで挽回できる可能性があります。

留学生ですが、保険料を滞納してしまいました。アルバイトの収入が少なくて払えませんでした。

経済的事情があっても、義務違反であることは変わりありません。もし、「収入が少ない」「学費負担が大きい」などやむを得ない事情がある場合、支払免除や支払猶予できる可能性があるので、「支払ができなくなった時点」で、住んでいる自治体(市区町村)に相談しましょう。例えば、私が住んでいる福岡市であれば、国民健康保険料の減免の制度があります。

健康保険に加入しているが、1年間しか証明書が出せません。2年間必要な場合はどうしたら?

永住権の審査で、公的医療保険料の支払証明の提出は必須です。転職で複数の職場がある場合、引越しで複数の自治体にまたがっている場合など事情は色々とありますが、全て支払を証明する必要があります。それぞれの公的医療保険[健康保険(社保)、国民健康保険(国保)]の証明書類をすべて取得し、時系列に並べて整理することが重要です。

お困りであれば、お気軽にご相談ください。

保険料を減免・猶予されていた期間があります。それも永住審査でマイナス評価になりますか?

減免・猶予自体はマイナスにはなりませんが、直近2年間の公的医療保険料を支払えない状態であれば、永住申請の要件である「独立生計要件」に問題がある(独立して生活できるだけの収入がない)と判断される可能性が高いです。

自分で証明書を取得するのが難しいです。代理取得はできますか?

原則として本人の委任状があれば可能です。行政書士に依頼すれば、委任状に基づいて証明書を代理取得し、審査用の資料を揃えることは可能です。

行政書士に永住権の申請を依頼するメリット

書類の不備・誤解を防げる

これまで説明した通り、公的医療保険[健康保険(社保)、国民健康保険(国保)]の証明書類は、証明が難しい場合があります。

公的医療保険の支払証明でよくあるミス対応方法(行政書士)
保険証の写しのみで納付証明がない必要な納付証明書の種類を指定・取得代行
複数自治体・勤務先での加入履歴がバラバラ年ごとの加入履歴を一つの書類に整理し提出
納付漏れ・未加入期間の理由説明が不十分事情説明書・誓約書の作成・証拠添付を支援

補足資料の作成を代行できる

保険未納や未加入期間がある場合、審査通過のためには単なる証明書だけでなく、理由書・説明書・誓約書などの補足資料が不可欠です。行政書士はこれらの文書を以下のような観点から構成・作成します。

  • 審査官に伝わる論理的かつ簡潔な文章
  • 保険制度や生活状況を踏まえた説得力ある理由
  • 他の証拠資料との整合性

特に外国人本人が日本語で説明書を作成するのが難しい場合、プロによる文書化は極めて有効です。

面倒な証明書の収集もサポート

  • 市区町村での国民健康保険納付証明の取得
  • 勤務先・年金機構からの社会保険納入確認書の取り寄せ
  • 必要に応じた委任状の作成と使用

これらの手続を委任契約に基づいて代行・同行支援することで、依頼者の負担を大幅に軽減します。特に複数の保険制度にまたがる履歴がある場合、整理と取得先の把握に専門知識が必要です。

まとめ:専門家の力で「書類の信頼性」を最大化する

行政書士に依頼することで、次のような成果が期待できます:

  • 審査官に伝わる形で「納付状況」を的確に証明
  • 書類の抜け漏れ・誤解を未然に防ぐ
  • 納付に問題がある場合でも、補足資料で審査官に適切に説明できる
  • 今後の制度変更にも柔軟に対応可能

まとめ:保険加入の「証明」が永住権の審査結果に大きく影響します!

公的医療保険料の支払は義務です。義務を果たさない場合は厳しい対応になる

公的医療保険への加入と保険料の納付は、日本に住む外国人にとって義務です。日本社会の一員として義務は果たす必要があります。

  • 2027年を目途に、すべての在留資格(ビザ)の更新申請、変更申請で公的医療保険料の支払証明が求められる可能性あり。
  • すでに入国管理局では、ビザ更新・変更手続の際に健康保険証の提出を求めている。

実務的に今から行うべき対策

  1. 過去の公的医療保険料の支払状況を確認・整理
    • 健康保険(社会保険)の加入者:給与明細や保険料納入証明を会社に確認
    • 国民健康保険の加入者:市区町村から年度ごとの納付証明を保管
  2. 未納や未加入期間がある場合は、過去2年間であれば支払が可能
    • 病気、失業、減免など、正当な理由がある場合はそれを補足資料で説明
  3. 今後の手続に備え、証明書を保管し、更新準備を整える
    • 永住、高度専門職、就労ビザ更新等、将来の審査対象を見越した準備が重要

最後に

永住権や高度専門職2号だけでなく、将来的に就労ビザの更新・変更など、全ての在留資格(ビザ)の審査で公的医療保険料の支払証明が必要になる可能性が高くなっています。

早めに証明書類を整えましょう。もし不安があれば、行政書士などの専門家にご相談ください。

国際行政書士
河野(かわの)

今回の解説は以上です。弊所ではビザ申請を丁寧に!早く!手続き致します。ご不明点があればお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料! 福岡を中心に、九州、全国対応が可能で、オンライン(ZOOM、LINE、WeChat、Teamsなど)での面談も対応しております。

永住権許可申請の専門家国際行政書士河野尋志

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在留資格
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在留資格
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在留資格
永住権と貯金の関係
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在留資格
日本の永住権の許可条件についてビザ専門の行政書士が解説
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経営・管理
福岡永住権申請
福岡での永住権申請ガイド|在留資格(ビザ)ごとの必要書類・手続きの流れを解説
在留資格
永住申請で求められる身元保証人についてビザ専門の行政書士が解説
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在留資格
税金年金健康保険の未納についてビザ専門の行政書士が解説
永住権申請|年金・税金・健康保険はいつまで未納を支払える?|福岡の行政書士が解説
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永住権(永住ビザ)許可率と成功のポイント|福岡の行政書士が解説
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就労ビザから永住権申請するためには|福岡の行政書士が解説
国際行政書士
河野(かわの)

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投稿者プロフィール

国際行政書士 河野尋志
国際行政書士 河野尋志
外国人の社員さん達と一緒に企業の取締役として国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール(多言語ツール)の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。行政書士業務を始めてからは様々な在留資格(ビザ)の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えてサポート致します。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格:行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人:1976年生まれ、宮崎県出身、1男2女の父、柔道3段(今は3級くらいの実力)