
この記事では、在留資格「経営・管理」を持つ外国人経営者が、永住権(永住許可)を取得することで得られるメリットや、許可に向けて必要な条件、注意点について解説します。さらに、永住権取得が個人だけでなく、会社の経営安定にもつながるという視点から、実務的な対策も含めてご紹介します。
この記事を読むことで以下のような疑問が解決できます。
| 疑問 | 解説内容 |
|---|---|
| 永住許可の条件は? | 在留期間、安定収入、納税状況など |
| なぜ「3年の在留期間」が必要? | 審査実務上の重要ポイントを解説 |
| 永住権が経営に与える影響は? | 社会的信用向上、融資の受けやすさ、など |
| 会社として守るべきルールは? | 社会保険、法人税、労務管理など |

河野
(かわの)
特に私の事務所がある福岡出入国在留管理局内(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)の永住権申請の許可率は、全国で最も低い数値です、具体的には以下です。
- 2024年(59.34%)
- 2023年(52.10%)
- 2022年(58.19%)
- 2021年(58.11%)
上記の通り、永住権の申請が不許可になるのは珍しいことではなく、だからこそ慎重に申請書類を作成する必要があります。九州・沖縄で永住権申請をお考えの方は、お気軽にご相談ください!
- 1. 経営者にとって永住権はなぜ重要なのか?
- 1.1. 1. 在留活動の自由度が高まり、事業に集中できる
- 1.2. 2. 金融機関からの融資審査に有利
- 1.3. 3. 社会的信用が上がり、ビジネス上の信頼にもつながる
- 1.4. 4. 家族の生活安定や子どもの教育にもプラス
- 1.5. 5. ビザ更新における「不確実性」からの解放
- 1.6. 永住権は経営者自身の「信用保証書」
- 2. 「経営・管理」ビザから永住権を取得するための条件とは
- 2.1. 2025年10月16日からの基準
- 2.2. 在留期間に関する要件
- 2.2.1. ■ 原則10年の在留+5年の就労資格または居住資格
- 2.2.2. ■ 在留期間「3年」以上を取得していること
- 2.3. 素行善良性に関する要件
- 2.4. 独立生計要件(安定的な生活力)
- 2.4.1. ■ 収入の安定性=役員報酬で判断される
- 2.5. 税金・年金・健康保険料の納付状況
- 2.5.1. ■ 「個人としての義務」と「法人としての義務」双方が見られる
- 2.6. 企業の健全性(特に経営・管理ビザならではのポイント)
- 2.7. その他:出入国歴・扶養家族・住居など
- 2.8. 結論:「形式要件+実質的信用」の両方が必要
- 3. 永住権取得に向けた「安定経営」の確認点
- 3.1. 1. 直近2~3期の黒字決算があるか
- 3.2. 2. 債務超過でないか(資産より負債が多い状態)
- 3.3. 3. 適正な役員報酬の支払い実績
- 3.4. 4. しっかり納税しているか(法人税・消費税)
- 3.5. 5. 社会保険・厚生年金の加入と納付
- 3.6. 6. 会社運営の実体性(形式経営者の否定)
- 3.7. 補足:3年ビザ取得と永住審査は「同じ目線」
- 3.8. 「会社の信用=経営者の信用」として審査される
- 4. 生活の安定性=「役員報酬」も審査対象
- 4.1. 1. 独立生計要件とは何か?
- 4.2. 2. 報酬額だけでなく「支払いの実態」が見られる
- 4.3. 3. 役員報酬の設定が低すぎるとどうなるか?
- 4.4. 4. 高すぎる役員報酬にも注意が必要
- 4.5. 5. 自社以外からの収入がある場合の注意点
- 4.6. 役員報酬は「生活安定」の象徴であり、永住審査の核心
- 5. 永住権取得のために
- 5.1. ステップ1:まずは3年在留期間の取得を目指す
- 5.2. ステップ2:法人としての法令遵守を徹底する
- 5.3. ステップ3:永住に向けた申請書類の準備
- 6. よくあるご質問と答え(FAQ)
- 7. 家族や会社を守るためにも永住権を取得
永住権を獲得すれば会社経営も更に安定!
経営者にとって永住権はなぜ重要なのか?
在留資格「経営・管理」で日本に滞在している外国人にとって、「永住権を取得すること」は単にビザの更新手続きが不要になるというだけではありません。経営の安定性・社会的信用・資金調達能力の向上など、企業経営における大きなメリットが存在します。
以下に、その意義を見ていきましょう。
1. 在留活動の自由度が高まり、事業に集中できる
「経営・管理」の在留資格は通常は1年、3年、5年のいずれかの在留期間が設定され、定期的に更新手続きが必要です。更新のたびに、会社の業績、報酬、納税状況、事業実態などの書類を再提出する必要があり、経営者にとっては大きな負担です。
永住権を取得すれば:
- 在留期限がなくなる(更新不要)
- 資格外活動許可なしで副業が可能
- 業態変更や兼業の自由度が高まる
このように、「在留資格に縛られない経営判断」が可能になることは、長期的な事業戦略を描くうえで大きなメリットです。
2. 金融機関からの融資審査に有利
中小企業経営において、金融機関からの信用は事業継続のカギです。特に地方銀行、信用金庫、公的金融機関(日本政策金融公庫など)では、代表者の在留資格を融資判断の重要な要素として見ています。
| 在留資格 | 金融機関側の印象 |
|---|---|
| 経営・管理(1年) | 更新の不安 ⇒ 経営継続性に懸念 |
| 経営・管理(3年~5年) | 一定の安定性あり |
| 永住者 | 日本での定着性・信用力が高く評価される |
また、自治体の補助金・助成金、政府系融資の利用においても、永住者であることは「継続的に日本に居住・経営する意思」の裏付けとして扱われる可能性が高いと思われます。
3. 社会的信用が上がり、ビジネス上の信頼にもつながる
永住者になることで、以下のような場面で「信頼される経営者」として認識されやすくなります。
- 新たな銀行口座開設や法人設立の手続き
- 不動産賃貸契約(事務所、店舗など)
- 取引先との信頼関係構築
- 従業員の採用・定着支援
つまり、永住権は「この人は日本に根を下ろしてビジネスをしている」という印象を持たれます。
4. 家族の生活安定や子どもの教育にもプラス
永住者になることで、家族も「永住者の配偶者等」または「永住者」として安定した在留資格を得やすくなります。特に以下のような面でメリットがあります。
- 配偶者の就労制限がなくなる
- 子どもの学校・進学における不安が減る
など
経営者としても「家族の生活基盤が安定していること」は、集中して事業に取り組むための重要な条件ではないでしょうか。
5. ビザ更新における「不確実性」からの解放
「経営・管理」のビザ更新時には、以下のようなリスクがあります。
- 決算が赤字になった
- 税金・社会保険を納め忘れた
- 書類が一部揃わなかった
これらの理由で、在留資格が更新不許可または在留期間短縮される事例もあります。永住者になれば、これらの審査から解放され、一時的な経営状況の悪化が直接在留に影響しなくなるという安定性が得られます。
永住権は経営者自身の「信用保証書」
外国人の方が日本で会社を経営するということは、日々さまざまな制度的・社会的な壁を越えてきた経験をお持ちだと思います。そのなかで「永住権」は、日本社会に根を下ろした経営者としての信用保証書といえる存在です。

河野
(かわの)
個人の自由度や家族の安心だけでなく、会社としての信用、資金調達、従業員の安心、事業の成長余地など、経営のあらゆる面に好影響を与えます。ご不明点があればお気軽にお問い合わせください。初回ご相談無料!オンラインでの面談にも対応しています
「経営・管理」ビザから永住権を取得するための条件とは
在留資格「経営・管理」で日本に滞在している外国人が永住権(永住許可)を取得するためには、法定要件+審査実務上の実質要件をすべて満たす必要があります。
更に、2025年10月16日に法令の改正があり、経営管理ビザからの永住申請が許可される基準は非常に厳しくなりました。以下で、法令改正で経営管理ビザから永住申請する場合の「新しい基準」の内容を含めて、実務で特に重視されるポイントを整理しながらご説明します。
2025年10月16日からの基準
経営管理ビザから永住申請する場合、2025年10月16日から以下の「新しい基準」を満たさないと、許可されないことになりました。情報出典:出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」
| 経営・管理ビザからの 永住申請が許可されるための基準 | 以前 | 「新しい基準」 (2025年10月16日から) |
|---|---|---|
| 資本金・出資総額 | 500万円 | ●3000万円 |
| 学歴・経験・実績 | 「管理」のビザを取得する場合は、3年以上の経験(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を含む。) | ●経営・管理経験3年以上 または ●経営管理もしくは経営する事業分野に関する「修士(Master degree)相当以上の学位」を取得していること |
| 常勤職員 | 500万円を出資しない場合は、2人雇用 | ●3000万円出資に加えて1人雇用 「常勤職員」の対象は以下 ・日本人 ・永住者(特別永住者を含む) ・配偶者ビザの外国人 ・定住者ビザの外国人 ※就労ビザの外国人は対象外 |
| 日本語能力 | 特になし | ●申請者、または常勤職員のいずれか1人に日本語能力を求める。具体的には以下のいずれか ・日本語能力試験N2以上 ・BJT400点以上 ・日本に20年以上在留していること ・大学など卒業していること ・日本の義務教育を修了し高校を卒業していること |
| 事業計画書 | 実務上、必要 | ●専門家が確認した新規事業計画書が必要。(上場企業の場合などは除く。)専門家とは具体的には以下のいずれか ・中小企業診断士 ・公認会計士 ・税理士 なお、弁護士や行政書士以外がビザ申請書の作成を行うことは、行政書士法違反に当たるおそれがあります。 |
| 専用の事務所スペース | 必要 | ●必要 ※自宅を事業所と兼ねることは、原則として認められなくなりました。 |

河野
(かわの)
上記の通り、経営管理ビザから永住申請するための「新しい基準」では、資本金が3000万円必要になるなど、基準が厳しくなりました。
なお、上記の「新しい基準」は、「上場企業の社長」や「業績が非常に良い企業の社長」は対象外ですが、おそらく日本で「経営管理ビザ」を持っている外国人の方々のほとんどに当てはまる条件だと思います。
また、経営管理ビザを「更新」する場合の基準も、2028年10月17日から「新しい基準」になります、ご注意ください。詳しくは、以下のページで解説しています。
在留期間に関する要件
■ 原則10年の在留+5年の就労資格または居住資格
出入国管理及び難民認定法に基づく審査要領では、永住許可の基本要件として次のように定められています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 在留歴 | 原則として日本に引き続き10年以上在留 |
| 就労・居住資格 | 上記10年のうち5年以上は就労または居住資格であること(「経営・管理」は就労資格に該当) |
「留学」や「短期滞在」などは5年以上は就労または居住資格の計算に含まれませんが、「経営・管理」で5年以上在留している方であれば、この要件は原則クリアしています。
■ 在留期間「3年」以上を取得していること
審査実務において、在留期間が「1年」のままでは永住許可は認められません。
| 在留期間 | 永住審査上の評価 |
|---|---|
| 1年 | 原則不許可(特別事情が必要) |
| 3年または5年 | 永住申請が可能(審査対象となる) |
在留期間3年の取得が「永住申請のスタートライン」といえます。そのため、まずは「3年のビザ更新」を確実に勝ち取ることが必要です。
素行善良性に関する要件
以下のような事情がある場合、審査では大きなマイナス評価になります。
| 対象 | 注意点 |
|---|---|
| 前科 | 刑事罰歴(特に禁錮・懲役・罰金刑) |
| 交通違反 | 酒気帯び運転、無免許、頻繁な違反など |
| 公的負担 | 生活保護受給歴や自治体からの支援受給など |
軽微な違反であっても、繰り返しあると「素行不良」と判断される傾向があります。無違反証明書や反省文の提出を通じて、誠実性を示す対応が求められることもあります。
独立生計要件(安定的な生活力)
■ 収入の安定性=役員報酬で判断される
「経営・管理」の場合、給与ではなく役員報酬が生活の根拠になります。よって、報酬の金額や支払い状況が重要な審査対象です。
| 判定基準 | 実務上の目安 |
|---|---|
| 単身者 | 最低年収300万円以上 |
| 配偶者あり | 最低年収370〜400万円以上 |
| 子どもあり | 人数に応じて加算が必要 |
報酬が月額15万円以下などの場合、独立生計性に疑義をもたれる可能性が高くなります。また、会社の経営が不安定で報酬が一時的に停止している場合はリスクとなります。
永住権で求められる要件について詳しくは、以下のページで解説しています。
税金・年金・健康保険料の納付状況
■ 「個人としての義務」と「法人としての義務」双方が見られる
| 審査対象 | 確認書類・内容 |
|---|---|
| 所得税・住民税 | 納税証明書(過去5年分) |
| 年金・健康保険 | 加入・納付状況の証明(直近2年分) |
| 法人税・消費税 | 法人としての納税証明書(過去5年分) |
| 社会保険・厚生年金 | 会社としての適正な加入と納付(直近2年分) |
滞納や未加入があると、永住申請の重大な障害になります。
例えば、
- 役員が国民年金に加入していない
- 法人が社会保険に未加入
- 消費税を期限後に支払っている
などが確認されると、「公的義務不履行」と判断され、不許可のリスクが非常に高くなります。税金・年金・健康保険料の未納について詳しくは、以下のページで解説しています。
企業の健全性(特に経営・管理ビザならではのポイント)
永住許可は、「今後も日本で安定した生活を営むことができるか」が審査の核心です。そのため、「経営している会社の財務状況」も審査対象です。
| 審査ポイント | 実務上の評価基準 |
|---|---|
| 直近の決算状況 | 2~3期連続黒字が望ましい |
| 債務超過 | 原則NG、資本増強や改善計画が必要 |
| 事業継続性 | 突発的な売上依存(例:1社依存)はリスク |
| 適正な会計処理 | 架空経費や過度な節税はマイナス評価 |
とくに「名目的な経営者」「形式的な事業実態」と見なされる場合は、在留資格の趣旨に合致しないとして不許可になる可能性もあります。
その他:出入国歴・扶養家族・住居など
| 審査項目 | 注意点 |
|---|---|
| 出入国歴 | 頻繁な海外出張・滞在があると「定着性」に疑問が生じる |
| 扶養家族 | 配偶者・子どもの在留資格と収入のバランスが見られる |
| 住居 | シェアハウスや短期賃貸はリスク。契約書や公共料金の証明で補強 |
結論:「形式要件+実質的信用」の両方が必要
「経営・管理」ビザから永住権を目指す場合、単に年数や書類が揃っているだけでは不十分です。経営者としての社会的責任・生活力・義務履行の姿勢を一貫して示していることが、最終的な審査結果に大きく影響します。

河野
(かわの)
ビザ申請サポート福岡 外国人支援センター(国際行政書士 河野尋志)は、「3年在留期間の取得」から「永住申請の書類作成」まで、段階に応じた伴走支援を行っております。お気軽にご相談ください。
永住権取得に向けた「安定経営」の確認点
在留資格「経営・管理」から永住権を目指すにあたり、単に会社が存在していればよいわけではありません。入管は経営の実質性・継続性・健全性を重視しており、企業の“健全な運営状況”が審査の核心になります。
ここでは、「安定経営」と認められるために、審査官が確認するであろうポイントをご説明します。
1. 直近2~3期の黒字決算があるか
審査では事業の継続性と収益性が確認されます。直近1期だけ黒字であっても、継続性が不明な場合は不利になります。
| 審査項目 | 解説 |
|---|---|
| 損益計算書(PL) | 営業利益・経常利益が連続で黒字かを確認 |
| 売上の推移 | 右肩上がりであることが望ましいが、安定していればOK |
| 利益率 | 売上が大きくても利益が極端に少ない場合、実態が疑われる |
赤字決算が連続している場合は、「永住は難しい」と考えるべきです。
2. 債務超過でないか(資産より負債が多い状態)
債務超過とは、貸借対照表(BS)において「純資産」がマイナスである状態を指します。これは会社の経営危機を意味するため、審査上は重大なマイナス評価になります。
| チェック項目 | 注意点 |
|---|---|
| 純資産の部 | 資本金+利益剰余金などがプラスかどうか |
| 過剰な役員貸付金 | 実質的に経営が個人に依存しているとみなされる可能性あり |
| 売掛金の偏重 | 回収不能な売掛金が多いと粉飾決算の疑いを持たれる |
債務超過がある場合は、「増資」や「改善計画書の提出」などで補強する必要があります。
3. 適正な役員報酬の支払い実績
永住申請者(経営・管理ビザを持つ外国人の方)自身の生活力の根拠として、役員報酬が安定的に支払われているかは極めて重要です。
| 判定基準 | 実務上の目安 |
|---|---|
| 最低年収300万円以上 | 単身者の場合の最低ライン |
| 年収370万円〜400万円以上 | 扶養家族がいる場合の目安 |
| 毎月一定額 | 支払いに波があると「不安定」と判断される |
また、報酬の設定が過度に低いと「形式的な経営者」とみなされるリスクもあります。逆に高すぎても、会社の財務状況と乖離していれば不自然と見なされます。
4. しっかり納税しているか(法人税・消費税)
法人としての納税義務を怠っていると、「社会的責任を果たしていない経営者」と判断され、永住許可は非常に困難になります。
| 税目 | 必要書類 |
|---|---|
| 法人税 | 法人税の納税証明書(様式その1・その2) |
| 消費税 | 同上。特に課税売上がある場合は要注意 |
| 納税状況 | 滞納履歴・延滞税の有無も確認対象 |
1期でも「未納・滞納」がある場合は、補足説明書や領収証を添えて正当性を説明する必要があります。
5. 社会保険・厚生年金の加入と納付
従業員を雇用している法人は社会保険に加入義務があります。未加入の場合、違法状態と見なされ、永住申請は不許可です。
| チェック対象 | 解説 |
|---|---|
| 会社の加入有無 | 社会保険適用事業所としての届出があるか |
| 加入履歴 | 新設法人でも、一定期間後には加入していることが望ましい |
| 納付状況 | 滞納がないこと(延滞金も含む) |
「法人の社会保険加入は義務である」という認識が重要です。
6. 会社運営の実体性(形式経営者の否定)
審査官は、「この社長は本当に経営に携わっているのか?」という視点を持っています。以下のような補足資料があると、実体性の証明に有効です。
| 補足資料 | 内容 |
|---|---|
| 会社パンフレット・HP | 事業内容の説明が明確なもの |
| 契約書・請求書 | 取引先との継続的関係が確認できる資料 |
| 社内会議の記録・議事録 | 経営判断に関与している証拠 |
形式だけの名義代表、あるいは経営実態が他人に委ねられている場合は、永住に値しないと判断されます。
補足:3年ビザ取得と永住審査は「同じ目線」
「3年の在留期間を得るための審査」と「永住審査」は審査官が見るポイントが極めて似ている、と考えて間違いありません。
つまり制度としても実質的にも「3年ビザが取れない=永住申請ができない」ということです。3年ビザが取得できれば、永住権が取得できる可能性は十分ある、と考えることができます。
「会社の信用=経営者の信用」として審査される
在留資格「経営・管理」から永住を目指す場合、個人の生活力や納税状況だけでなく、会社そのものの健全性が強く問われます。信頼に値する経営者であると審査官に判断してもらうためには、形式ではなく実質的な経営安定と社会的義務の履行が必須です。

河野
(かわの)
ビザ申請サポート福岡 外国人支援センター(国際行政書士 河野尋志)は、経営状況に応じた永住戦略の設計と書類作成のサポートを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
生活の安定性=「役員報酬」も審査対象
在留資格「経営・管理」から永住権を申請する場合、生活の安定性を裏付ける根拠として「役員報酬」が極めて重要な審査項目です。なぜなら、「経営・管理」ビザ保持者は給与所得者ではなく、自ら経営する法人から役員報酬を得て生活している立場であるためです。
1. 独立生計要件とは何か?
入管審査における「生活の安定性」とは、簡単に言えば「日本で自分と家族が生活保護等に頼らず、安定して暮らしていける能力があるか」という判断基準です。
この点について、出入国在留管理局は以下のような視点で判断します。
| チェック項目 | 審査のポイント |
|---|---|
| 収入の額 | 最低限の生活を維持できるか(最低年収300万円以上が目安) |
| 収入の継続性 | 安定して継続的に得られる収入であるか |
| 家族構成 | 扶養する配偶者・子の人数に応じた収入水準があるか |
| 資産状況 | 預貯金がある場合は補完資料として有効 |
2. 報酬額だけでなく「支払いの実態」が見られる
「役員報酬」は単に登記簿や株主総会議事録で決めているだけでは不十分です。以下のような資料で「実際に支払いが行われていること」を証明する必要があります。
| 書類名 | 説明 |
|---|---|
| 給与支払明細書 | 月額で安定して報酬が支払われているかを証明 |
| 源泉徴収票 | 年収額と源泉徴収の履歴がわかる |
| 法人の損益計算書 | 報酬の費用計上がされているか |
| 法人の振込履歴 | 役員報酬が毎月振り込まれている通帳コピーなど |
審査官は、「実態として継続的に生活費を得ているか」を重視していると思われます。
3. 役員報酬の設定が低すぎるとどうなるか?
報酬が月額10万円前後など極端に低い場合は、以下のような疑義を持たれることになります。
- 「この収入で生活できるのか?」
- 「他に収入があるのではないか?」
- 「実際は経営に携わっていないのでは?」
これらの疑義を解消するためには、次のような補足説明や資料が有効です。
| 対応策 | 内容 |
|---|---|
| 預貯金残高証明 | 数百万円以上の貯蓄があれば、生活補完の根拠となる |
| 家族の収入証明 | 配偶者が日本で働いている場合などは世帯収入で説明可能な場合があります |
| 月々の生活費明細 | 支出額の少なさ(家賃・物価等)を示すことで納得性を上げる |
4. 高すぎる役員報酬にも注意が必要
一方で、売上や利益が少ないにもかかわらず、役員報酬だけが極端に高額(例:年収1,000万円など)な場合には、「粉飾」「不自然な資金移動」と疑われることがあります。
| 法人の損益状況 | 役員報酬の妥当性 |
|---|---|
| 年間利益50万円 | 年収500万円の報酬 ⇒ 不自然 |
| 赤字決算が続く | 高額報酬 ⇒ 永住審査上はマイナス評価 |
つまり、会社の規模・収益に見合った適正な報酬額であるかも重要なチェックポイントです。
5. 自社以外からの収入がある場合の注意点
「経営・管理」ビザでの永住申請者は、原則として経営している会社からの報酬のみで生活していることが期待されます。もし他社の役員や他事業の所得がある場合、以下の点に注意が必要です。
- 副業が「資格外活動」に該当していないか
- その活動が在留資格の範囲内であるか
- 収入源の整合性が取れているか(確定申告・通帳)
入管は「収入の正当性と整合性」を重視しますので、根拠資料の整備が非常に重要です。
役員報酬は「生活安定」の象徴であり、永住審査の核心
経営者にとっての役員報酬は、「生活費」だけでなく「経営の実体」と「企業の健全性」を映す鏡でもあります。
永住申請においては、単に金額を設定するだけでなく、
- 適正な報酬水準
- 継続的な支払履歴
- 法人との整合性
- 生活実態との一致
これらを裏付ける資料を総合的に整えることが、永住審査突破のカギです。

河野
(かわの)
報酬・生活状況の整合性が取れていない場合、追加資料の提出や不許可の判断が出ることもあります。弊所では、個別の状況に応じた「報酬設計と証明資料の整備」のサポートも行っております。
永住権取得のために
ステップ1:まずは3年在留期間の取得を目指す
- 黒字決算を最低でも2期以上(できれば3期)
- 適正な役員報酬
- 過去の更新書類や在留歴に矛盾がないかチェック
ステップ2:法人としての法令遵守を徹底する
- 社会保険の加入
- 就業規則や雇用契約書の整備
- 労働基準法違反などの指摘がないこと
ステップ3:永住に向けた申請書類の準備
- 決算報告書、納税証明、登記簿謄本
- 個人・法人双方の確定申告書類
- 生活実態を示す資料(公共料金、住民票など)
申請書類は、出入国在留管理庁の公式ホームページから確認できます。

河野
(かわの)
ご不明点があればお気軽にお問い合わせください。初回ご相談無料!オンラインでの面談にも対応しています
よくあるご質問と答え(FAQ)
-
まだ「経営・管理ビザ」で在留して3年未満ですが、永住申請はできますか?
-
原則できません。永住許可の要件として「就労資格で5年以上の在留」が求められます。「経営・管理」は就労資格に該当しますが、まずは5年の在留歴が必要です。さらに、直近の在留期間「3年」以上であることが前提となります。
-
在留期間が「1年」のままでも永住申請できますか?
-
特別な事情がない限り不許可です。特別高度な実績や特別貢献がない限り、1年の在留期間での永住申請は厳しく、まずは3年ビザの取得を優先する必要があります。
-
永住権を取ると「経営・管理ビザ」のような活動制限はありますか?
-
ありません。永住者は活動に制限がなく、雇用・起業・副業・不動産投資なども自由に行えます。在留資格の範囲に縛られない経済活動が可能になります。
-
永住権が会社経営にとってプラスになるのはなぜですか?
-
永住権を取得することで、経営者本人の日本定着性や信用が高まり、金融機関からの融資・補助金申請時にプラス評価されることが多いです。また、ビザ更新のリスクがなくなるため、事業継続性の安心材料になります。
-
永住権申請にあたり、法人の納税や社会保険も関係ありますか?
-
経営・管理ビザの方の場合、会社の法人税・消費税の納税状況、社会保険や厚生年金の加入と納付の状況も審査対象になります。会社の社会的信用は、経営者個人の信用と一体と見なされます。
-
赤字決算でも永住権の取得は可能ですか?
-
原則不許可です。特に連続した赤字や、債務超過がある場合は「生活の安定性」に疑義が生じるため、原則不許可とされます。黒字回復後に申請することが望ましいです。
-
役員報酬はどれくらいあれば永住が取れますか?
-
一般的に年収300万円以上が最低目安です。扶養家族がいる場合は、人数に応じて370万円~400万円以上が望ましいです。報酬の金額だけでなく、継続的に支払われている実績も重視されます。
-
日本人配偶者や子どもがいる場合、永住申請は有利になりますか?
-
家族構成そのものは加点要素ではありませんが、日本社会への定着性を示す大きな根拠になります。ただし、他の要件(収入・納税・素行など)を満たしていることが前提です。
-
会社を経営していない期間があっても、永住申請できますか?
-
申請は可能ですが、経営にブランクがある期間の活動実態や収入、そもそもなぜ経営していなかったのかを説明する必要があります。会社の休眠・閉鎖などがある場合は、代替収入や生活費の出所を明確にして申請すべきです。
-
福岡で永住申請をしたいのですが、地方ごとの審査傾向はありますか?
-
入管の審査基準は全国統一ですが、福岡出入国在留管理局は全国平均より不許可率が高いことで知られています。慎重に書類を作成する必要があります。
家族や会社を守るためにも永住権を取得
「永住権」は、単なる在留資格のひとつではなく、経営者としての信用を高め、会社の経営を安定させるための戦略的ツールでもあります。特に外国人経営者にとっては、今後の日本における事業展開において、避けて通れない重要テーマです。
弊所では、永住申請だけでなく、3年ビザ取得に向けた事前診断・経営アドバイスも行っています。

河野
(かわの)
特に福岡出入国在留管理局内の永住権許可率は全国で最も低い数値です。慎重に書類を作成する必要があります。福岡出入国在留管理局で永住権申請をお考えの方は、ぜひビザ申請サポート福岡 外国人支援センター(国際行政書士 河野尋志)にご相談ください!
今回の解説は以上です。ビザ申請サポート福岡 外国人支援センター(国際行政書士 河野尋志)ではビザ申請を丁寧に!早く!手続き致します。ご不明点があればお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料! 福岡を中心に、九州、全国対応が可能で、オンライン(ZOOM、LINE、WeChat、Teamsなど)での面談も対応しております。

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投稿者プロフィール

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外国人の社員さん達と一緒に企業の取締役として国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール(多言語ツール)の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。行政書士業務を始めてからは様々な在留資格(ビザ)の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えてサポート致します。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格:行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人:1976年生まれ、宮崎県出身、1男2女の父、柔道3段(今は3級くらいの実力)




































