配偶者ビザの質問書についてビザ専門の行政書士が解説

はじめに:この記事でわかること

配偶者ビザ(日本人の配偶者等、永住者の配偶者等)の申請を検討している方にとって、提出書類の中でも特に質問が多いのが「質問書」です。この記事では、以下の点を解説します。

  • 質問書が必要となるタイミング
  • 質問書の目的と背景
  • 質問書の記載者と内容の整合性
  • 「質問書」の書き方と、入管審査官が重視するチェックポイント
  • よくある質問(FAQ)
  • 専門家による確認の重要性

これを読むことで、質問書に書くべき内容と、許可されるための正しい書き方の基礎知識が得られます。

行政書士
河野
(かわの)

私の事務所がある福岡でも、配偶者ビザのご相談は多く、中でも最も作成に時間がかかるのが「質問書」です。

九州・沖縄エリアでの配偶者ビザ申請でお困りの際は、福岡出入国在留管理局管内(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)を専門とする私にご相談ください。初回ご相談は無料、オンライン面談にも対応しています。

「質問書」の目的を理解し、書き方・審査官の目線を確認!

そもそも配偶者ビザの「質問書」とは?

配偶者ビザの審査では、質問書の記載内容が許可・不許可に大きく影響します。夫婦の出会いから結婚するまでの経緯、お互いの家族構成、現在の職場から過去の離婚歴まで、配偶者ビザ審査に必要な情報を書かなくてはならない書類です。実際の書類は、以下からダウンロードできます。

出入国在留管理庁の在留資格「日本人の配偶者等」の質問書

「質問書」は、いつ、どの申請で必要なのか?

提出が求められる申請

申請種類提出タイミング必要性
在留資格「認定証明書」交付申請外国人配偶者を新たに日本へ呼ぶとき質問書が必須
在留資格「変更」許可申請他の在留資格(ビザ)から配偶者ビザへ変更するとき質問書が必須
在留期間「更新」申請既に配偶者ビザを持つ人が更新する場合個別判断(交際実態に疑義があるときに求められる)
国際行政書士
河野(かわの)

「更新」申請では、通常は質問書は求められませんが、「再婚した場合の更新申請」では、質問書が求められます。

「質問書」の目的とは?

「質問書」は、以下のような審査目的に活用されます。

審査項目審査官が確認すること
結婚の真実性の確認偽装結婚でないか、実際に夫婦関係が成立しているか
夫婦の意思疎通の確認共通言語、連絡手段、夫婦間の信頼関係
夫婦の生活の基盤の確認安定した生活設計が可能か
家族の関与の確認特に日本側の家族が関係を認識しているか
国際行政書士
河野(かわの)

「質問書」は単なる添付資料ではなく、「真実性の立証資料」として中心的な役割を果たします。

「質問書」は誰が書く?

配偶者ビザ(特に日本人の配偶者等)の場合、「日本人配偶者」が書くのが一般的です。ただし、外国人配偶者の経歴などと整合性が取れていない場合、「嘘」や「間違い」と判断され、最悪の場合、配偶者ビザが不許可になる可能性があります。外国人配偶者のしっかりした協力も必須です。

記載者役割
日本人配偶者実際の記載と責任者
外国人配偶者内容確認と補足説明への協力
国際行政書士
河野(かわの)

配偶者ビザの「質問書」に書いた内容は、「すべてが審査の対象になる」ため、あいまいな記憶で書いたり、自分に都合の良い内容だけを書くのではなく、間違いがないように書きましょう。年月日を正確に書くことは非常に重要です。

審査官がチェックする5つのポイント

以下のような要素が特に重点的に確認されます。

チェック項目留意点
出会いの経緯婚姻成立までの過程に不自然な点がないか
言語と会話手段翻訳アプリや第三者通訳もOKだが、結婚の実態を確認される可能性あり
結婚式・親族の認知実際の交際が家族にも周知されているか
居住予定と生活設計同居の予定・住居の有無・収入状況
交際歴と頻度写真・通話記録など補足資料も重要
国際行政書士
河野(かわの)

審査官が最も重視するのが、その結婚がそもそも「真実なのか」という点です。真実の結婚であれば、何も隠したり誤魔化したりする必要はないと思います。堂々と事実をそのままに書きましょう。

配偶者ビザ「質問書」の具体的な書き方

ここからは、配偶者ビザの「質問書」の具体的な書き方について説明していきます。

質問書1枚目

項目記載内容注意点
申請人の国籍・地域/氏名●申請人(外国人配偶者)の氏名は、パスポートの表記に合わせて記載しましょう。●パスポートの表記に合わせ、上から順に転記してください。
●ミドルネームがある場合も、そのまま書き写してください。
日本人配偶者/氏名●日本人配偶者(あなた)の氏名と国籍を記入します。●日本人であれば「日本」と記載すればOKです。
日本人配偶者/自宅/住所●「住民票」からすべて転記するのが無難です。●住所の表記は「身元保証書」や「在留資格申請書」と一致させましょう。

●もし「住民票と違う場所に住んでいる場合」は、住民票の住所と、現在の居住地を2行に分けて記入しましょう。できれば、配偶者ビザを申請する前に、住民票の異動を済ませておくのが無難です。
日本人配偶者/自宅/電話●自宅の電話(固定電話)、携帯電話の番号を書けばOKです。●自宅の電話(固定電話)がない場合は「該当なし」と書きましょう。

●配偶者ビザ申請で、固定電話がなくても特に問題ありません。
日本人配偶者/自宅/同居者の有無●「住民票」から同居者の氏名を転記しましょう。●既に外国人配偶者と同居しているご夫婦は、配偶者の氏名も記入してください。

●住民票に記載のない人が同居している場合は、その人の氏名も記載しましょう。
日本人配偶者/自宅(自己所有・借家)●「持ち家」か「借家(賃貸)」かを選択しましょう。借家の場合は、「毎月の家賃」と「間取り」を記入してください。

●LDKの部分は、間取りに合うよう二重線を引いて訂正するなど「分かる」ように書けば問題ありません。
●実家に住んでいる方は、実家の情報を記載しましょう。

●「家族が所有している家」で暮らしている場合は、自己所有を選択してください。余った枠のどこかに「家族所有」と書いておくと分かりやすいですね。家族所有の場合は、配偶者ビザ申請書類の中に「不動産登記」を含めましょう。
日本人配偶者/職場/会社名●勤務先を正式名称で記入しましょう。

●個人事業主の場合は、屋号を記載しましょう。職務内容は「概要が分かる程度の説明」でOKです。配偶者ビザ申請の「他の書類」で事業内容を説明しておきましょう。
●職場が「派遣先」の場合は、「派遣元」と「派遣先」を、2行に分けて記載すれば分かりやすいです。
日本人配偶者/職場/所在地●就業先(勤務先)の住所を記入しましょう。●質問書には実際の勤務地を書きます。「A支店」に在籍している場合は、本社ではなく、「A支店」の住所を記載しましょう。

●職場が「派遣先」の場合は、会社名と同じく、「派遣元」と「派遣先」の住所を、2行に分けて書きましょう。
日本人配偶者/職場/電話・就業年月日●就業先の電話番号を記入しましょう。

●法人代表者や個人事業主の場合の「就業年月日」は
・法人であれば「設立年月日」
・個人事業主であれば「独立した年月日」
を記載しましょう。
●職場がA支店であれば、A支店の電話番号を書きます。

●就職年月日は、他の書類(在職証明書など)に明記されていることが多いので、年月日が統一されるように、しっかり確認しましょう。

質問書2枚目

項目記載内容注意点
結婚に至った経緯/時期と場所●初めて直接会った時期と場所を書きましょう。●もし、日付を覚えていない場合は、■年■月まで記入し、「■年■月」と書けば問題ありません。できる限り、正確な年月日を書くよう努めましょう。
結婚に至った経緯/いきさつ①初めて奥さま(旦那さま)と出会った年月、場所、出会うまでの経緯

②出会ってから交際に至るまでの経緯、交際を開始することになった年月日、場所

③交際から結婚に至るまでの経緯

④デートや旅行などのエピソード

⑤お互いの友人に紹介した際の反応や、ご両親に挨拶した際の雰囲気など

⑥プロポーズをした年月日、場所、プロポーズはどちらからどんな話しがあったか

⑦婚姻届けを、いつ、どこで提出したか

⑧結婚式を行なった年月、場所、披露宴の雰囲気など

⑨今後の生活について一言
●左側に書いているような出来事を、過去から現在の順番で書きましょう。

●個人の気持ちや感情より、出来事をできるだけ客観的に書きましょう。

●特に決まった書き方はありませんが、左側に年月日、右側に出来事や場所を書いた方が見やすくなります。入国管理局の審査官さんも人間です。見やすく書いた方が理解しやすいに違いありません。
国際行政書士
河野(かわの)

質問書の「別紙」は、作ったほうが審査官に「より伝わりやすい」と思います。実際に、行数が足りない場合も多いため、別紙を作ることは珍しくありません。

写真、手紙、SNSなどのやり取りが残っていれば、有効に使いましょう。特に、写真は最も重要だと思います。

質問書3枚目

項目記載内容注意点
紹介者について●「紹介者」から紹介を受けて申請人(外国人配偶者)と知り合った場合は「有」を選択し、必要事項を記入しましょう。
「無」の場合は、「無」にチェックすればOKで、他の項目に記入する必要はありません。
●「在留カード」とは、日本に中長期で居住する外国人が携帯を義務付けられている免許証のようなものです。「在留カード」には必ず「在留カード番号」が記載されています。
紹介された年月日、場所及び方法●紹介された年月日、場所、紹介された方法を書きましょう。●何らか理由があって「書くことがない項目」がある場合は、「該当なし」と書きましょう。
紹介者と申請人(外国人配偶者)との関係●紹介者と申請人(外国人配偶者)が、いつ、どこで知り合ったのかを記載しましょう。●紹介者は、友達、親族、会社の同僚など誰であっても問題ありません。
紹介者と日本人配偶者(あなた)との関係●配偶者(あなた)と申請人(外国人配偶者)が、いつ、どこで知り合ったのかを記載しましょう。●「なぜ、そんなことを聞かれるのか分からない」「そんな質問には答えたくない」と思うかもしれませんが、正確に書かないと配偶者ビザが不許可になる可能性があります、しっかり対応しましょう。
夫婦間の会話で使われている言語●日本語で会話している場合は「日本語」、英語と日本語の両方を使っている場合は、 「英語、日本語」と書きましょう。●言語はいくつ書いても問題ありません。
お互いの母(国)語●申請人(外国人配偶者)、配偶者(あなた)、それぞれの母国語を書きましょう。●言語はいくつ書いても問題ありません。

質問書4枚目

項目記載内容注意点
申請人(外国人配偶者)の日本語能力●4つの項目から、当てはまるものを選びましょう。●配偶者ビザの審査で日本語テストが実施されることはほぼないので、自己評価で問題ありません。ただし、追加書類で証明書類(日本語能力試験の合格証など)を求められる可能性があるので、正直に回答しないと後で苦労することになり、最悪、不許可になる可能性があります。
あなたの外国語能力●4つの項目から、当てはまるものを選びましょう。●上記と同じく、追加書類で言語能力の証明書類を求められる可能性があるので、よく考えて選んでください。
申請人(外国人配偶者)が、いつ、どのように言語を学んだか●留学生として、日本語学校で学んだ

●日本の職場で、通常業務と並行して日本語を勉強した

●日本人配偶者と日常会話をする中で日本語を勉強し、日本語能力試験●級に合格した

●日本に住むために■■■■年■月から、毎日■時間、日本語の勉強を継続している

・母国にある日本語教室で、毎週■日間、■時間のレッスンを受けている
●例えば、左記のように、できるだけ具体的に書きましょう。ここは、配偶者ビザの審査でも特に重要なポイントです。
夫婦間で、言葉が通じない場合の対応方法●翻訳アプリを使用している

●辞書で調べている

など、具体的に書きましょう。
●特に言葉が通じない場合がないときは、「言葉が通じない場合はありません」などと書けばOKです。
通訳者がいる場合●もし通訳者がいる場合は、必要情報を記入しましょう。●通訳者がいない場合は「該当なし」と書きましょう。
婚姻届の証人●婚姻届を「日本側」で先に提出した場合は、婚姻届に記載した証人の氏名と住所を書きましょう。電話番号は携帯電話で問題ありません。●海外側で先に「結婚の手続き」をした(海外で婚姻登録を終えたあとに日本の役所へ届出した)場合は、婚姻届の証人はいないため「報告的届出のため該当なし」と書きましょう。

質問書5枚目

項目記載内容注意点
結婚式(披露宴)の年月日と場所●既に結婚式や披露宴をした場合は、ここに書きましょう。会場の名称と住所(できる限り細かく)、年月日、出席者も書きます。●結婚式や披露宴を予定している場合は、(予定)を書くことをおすすめします。書き方のルールはないので、分かりやすく書けばOKです。

●出席者数は正確ではなくても概算で問題ありません。
結婚歴について●夫婦の離婚した回数・時期、死別かどうかについて記入します。再婚の場合は、今回が何回目の再婚なのか、を記入してください。「結婚の回数ではない」ので注意しましょう。戸籍謄本に結婚・離婚歴の情報が残っている場合は、しっかり確認して日付を合わせる必要があります。●夫婦ともに初婚であれば、2ヵ所に「初婚」とチェックをするだけでOKです。
申請人(外国人配偶者)が来日した回数と時期●審査するのが「出入国在留管理局」なので、来日回数や来日期間は厳しく審査されます。パスポートなどをしっかり確認し、正確な回数や年月日を書きましょう。来日目的の欄は「配偶者に会うため」など概要を書けば問題ありません。●外国人配偶者が継続して日本に在留している場合は、「現在も滞在中」と書きましょう。

質問書6枚目

項目記載内容注意点
【結婚】日本人配偶者(あなた)が、申請人(外国人配偶者)の母国へ行った回数・時期●知り合ってから夫婦になるまでの間に、日本人配偶者(あなた)が、申請人(外国人配偶者)の母国へ渡航した回数と時期を記入します。パスポートなどを確認し、できるだけ正確に年月日を書きましょう。●結婚前と結婚後の基準日は、「婚姻届出を提出した日」です。日本または海外で「先に」婚姻届出を提出した日を基準にしましょう。
【結婚】日本人配偶者が、申請人の母国へ行った回数・時期●基準日(婚姻届出を提出した日)より後に、申請人(外国人配偶者)の母国へ渡航した回数と時期を記入します。●一度も渡航していない場合は、0回と記入しましょう。
申請人(外国人配偶者)が退去強制・出国命令を受けたことの有無●過去に処分を受けたことがある場合は、「有」へチェックを入れます。●処分を受けたことが無い場合は「無」にチェックをして、他の項目に記入する必要はありません。
退去強制された記録●もし退去強制や出国命令を受けたことがある場合は、その記録を記入してください。●入国管理局に記録が残っているため、絶対にごまかすのはやめましょう。
国際行政書士
河野(かわの)

※退去強制とは
日本に不法に滞在する外国人などが、法務大臣からの退去強制命令(退去強制令書)に基づき、強制的に日本国外へ送還される制度です。強制送還のかたちで日本を出国することになります。入国拒否期間は、5年~10年(永久に拒否される場合もあり)

※出国命令とは
不法残留者であっても、退去強制手続きが開始される前に「自ら出頭」し、一定の条件を満たした場合に、自主的な出国を認める制度です。退去強制よりも簡易な手続きで、再入国制限も軽減されます。入国拒否期間は、原則1年。

質問書7枚目

項目記載内容注意点
退去強制されるまでの間について●必要情報を記載します。●書くまでもありませんが、退去強制の記録があると、配偶者ビザの審査はもちろん厳しくなります。
申請人(外国人配偶者)の親族について●続柄・氏名・年齢・住所・電話番号を書きましょう。●海外の住所は、都市名(州名・省名)まで書けばOKです。
日本人配偶者(あなた)の親族について●日本人配偶者の親族の情報は、詳細が求められます。続柄・氏名・年齢・住所・電話番号を正確に書きましょう。●もしご親族がなくならている場合は、住所欄に「死亡」と記載します。

質問書8枚目

項目記載内容注意点
お子さんについて●お子さんがいる場合は、ここに記載します。

●配偶者ビザを申請する時点でお子さんがいない場合は、「該当なし」と記載してください。
●「連れ子」がいる場合は
・妻の長男(または、妻の息子)
・夫の長女(または、夫の娘)
という書き方になります。
日本に住んでいる場合の住所は番地まで細かく書きましょう。海外に住んでいる場合の住所は都市名(州名・省名)まで書けばOKです。
結婚を知っている親族について●日本では、親族に「結婚を知らせること」は一般的と考えられているため、親族が結婚の事実を知らない場合、配偶者ビザの審査で不利になる可能性があります。できる限り、結婚したことを伝えてから質問書へ記入しましょう。●質問書「7ページ目」に貸した親族情報と違いが無いように、確認しながら書きましょう。
日付と署名●質問書を作成した年月日と、日本人配偶者(あなた)の署名を書きましょう。●作成日と署名は必ず「自筆」してください。印鑑は不要です。

FAQ:よくある質問

どういう場合に、偽装結婚を疑われますか?

具体的には、以下のような場合に偽装結婚が疑われます。
●ご夫婦の年齢差が大きい場合
●結婚紹介所のお見合いによる結婚の場合
●ご夫婦が出会い系サイトで知り合った場合
●交際期間がかなり短い場合
●出会いから交際、結婚に至るまで交流が不十分な場合
●出会いがスナック、キャバクラなどの水商売のお店の場合
●日本人の配偶者側に過去、外国人との離婚歴が複数ある場合
●外国人の配偶者に過去、日本人との離婚歴が複数ある場合
●本当に同居するのか疑わしい場合
●交際期間を証明できる写真をほとんど撮っていなかった場合
●夫婦間で(語学力の問題で)コミュニケーションが取れるとは思えない場合
●外国人の方に犯罪歴がある場合
偽装結婚を疑われないようにするための対策については、以下の短時間の動画でも解説しています。

質問書は簡潔に書いてもよいですか?

できるだけ詳細に記載するべきです。簡潔すぎる記載や抽象的な表現(例:「SNSで知り合った」など)は、審査官が疑問に思う原因となり、追加書類を求められる可能性もあります。特に「出会いのきっかけ」「交際期間」「結婚を決めた理由」などは、エピソードを交えて具体的に説明することをおすすめします。

記載内容に間違いがあったらどうなりますか?

申請時に提出した書類にウソや矛盾がある場合は、審査中に疑問を持たれるだけでなく、配偶者ビザ不許可や、今後の申請に悪影響を及ぼす可能性があります。たとえ「わざと」ではなくても、間違った情報は「整合性の欠如」と判断されかねません。慎重に、間違いのない書類を作成することが重要です。

会話の言語が日本語ではありませんが問題ないですか?

問題はありませんが、「どのように意思疎通をしているか」を具体的に記載してください(例:英語で会話、翻訳アプリ使用、共通言語での簡単な会話等)。また、日常のやり取りの証拠(チャット履歴、SNSのやりとりなど)を添付することで、信憑性が高まります。

質問書に記載した内容と、別の提出資料で表現が違ってしまいました。

記載内容に統一性がないと、「事実関係が曖昧」「真実性に疑いあり」と判断される可能性があります。例えば、婚姻日、交際開始日、訪問回数などの不一致は特に注意が必要です。申請書類全体を通じて一貫した説明になるように十分に注意しましょう。

交際期間が短くても問題ありませんか?

必ずしも長期交際である必要はありませんが、短期間での婚姻の場合は特に詳細な説明が求められます。出会いから結婚に至るまでの経緯や、互いの理解の深さを示すエピソードが必要だと考えます。交際期間が短いことを「不自然だ」と感じさせないよう十分に配慮しましょう。

家族がまだ相手に会っていませんが、それでも許可されますか?

会っていないこと自体は不許可の理由にはなりませんが、家族の認知がない場合は「真剣な関係かどうか」を疑われやすくなります。そのため、相手を家族に紹介する意思があることや、何らかの事情で「まだ面会していないだけで予定はある」ことを補足することが望ましいです。

別居婚の予定です。問題ないですか?

原則として「実体を伴う婚姻関係」が前提となるため、別居婚には合理的な理由が必要です(例:就労の都合、住宅準備中など)。それらを補足資料(勤務証明書、住居契約書など)と併せて「理由書」などで説明する必要があります。

結婚式を挙げていません。申請に不利ですか?

挙式は義務ではありませんが、通常の結婚と比較して「なぜ挙式しないのか」を質問される場合があります。代わりに、結婚写真、婚姻後の生活計画など、婚姻の真実性を裏付ける資料を充実させることが重要です。

両親が結婚を反対しています。申請に影響しますか?

申請自体は可能ですが、結婚の「社会的信用性」を疑われる可能性があります。反対理由や両家との関係性、現在の状況を丁寧に説明し、友人・第三者の証言書や結婚式の記録などで関係性の実態を補完するのが望ましいです。

遠距離恋愛だったため、会った回数が少ないです。問題になりますか?

問題になる可能性があります。「回数の少なさ」自体よりも、「それを補う継続的な関係性」が重視されます。例えば、ビデオ通話の頻度、毎日のやりとり、訪問計画などを示すことで真実性の立証が必要だと思われます。

出会いがマッチングアプリですが、不利になりますか?

出会いの方法がアプリだからといって不許可にはなりません。ただし、形式的な関係と疑われやすいため、交際の進展状況や相手を選んだ理由を丁寧に説明し、実体のある交際、真実の結婚であることをしっかり証明する必要があります。

記載内容に矛盾があるとどうなりますか?

申請者と配偶者の記載内容に食い違いがある場合、審査官は虚偽申請や不自然な関係を疑う可能性が高まります。質問書は日本人配偶者が記載するものですが、内容について事前に2人でしっかり確認することが不可欠です。

一度不許可になっています。再申請で質問書は使い回してもいいですか?

おすすめできません。前回不許可になった原因を把握し、それを踏まえて修正・補足を行う必要があります。特に「質問書の内容が薄い」「交際の真実性が立証できていない」ことが理由であった場合は、具体性と整合性を強化して再度、しっかり記入することが重要です。

最後に:行政書士に質問書の確認を依頼するメリット

配偶者ビザの審査は、形式的な書類審査ではなく、「真実の結婚であること」を説明できるかが最重要ポイントです。その中でも質問書は、審査官が最も重視する資料の一つです。専門家の行政書士に質問書の確認を依頼することで、次のようなメリットがあります。

メリット説明
審査官目線での確認質問書の内容が「どのように疑念を持たれるか」を知っており、リスクを事前に察知・修正できます。
不自然な表現や齟齬の発見質問書と他の添付資料(写真、会話履歴など)との整合性を確認し、食い違いを修正できます。
補足説明書の作成支援質問書では説明しきれない事情(短期間での結婚、年齢差、交際期間の短さ、など)について、審査官の目線を意識し、論理的に補足説明ができます。
再申請時の改善提案一度不許可になったケースでも、原因を分析したうえで再構成を行い、説得力を高めることが可能です。
最新の審査傾向への対応審査要領や実務上の運用を踏まえて、現在の傾向に沿った記載内容を提案します。

時間がかかる配偶者ビザ書類の準備・審査期間を短縮!

配偶者ビザの書類準備は、経験上、最低でも1ヶ月はかかると考えるのが無難です。簡単そうに見える資料でも、実際に作成したり、集めたりしているうちに間違いや修正が重なり、どんどん時間が過ぎていきます。私にご依頼いただくことで、「目標の提出日」を決めてスケジュール管理をさせていただきますので、スムーズな作成が可能です。

また、分かりやすい書類、無駄がない書類を入国管理局に提出することで、追加書類の提出を無くし、審査期間の短縮につなげることができます。配偶者ビザで外国人配偶者を呼び寄せる際の「審査期間」については以下のページで解説しています。

行政書士が関与することで「整合性」「具体性」「信頼性」が向上

配偶者ビザの審査は、制度の趣旨(真実の結婚かどうか)を厳密に確認するプロセスです。申請書類の不備や記載内容の曖昧さは、配偶者ビザが不許可になる要因になります。そのため、申請前に専門家の目で質問書を確認することは、許可への最短ルートです。私はこれまで配偶者ビザ申請に携わってきた経験をもとに、行政書士として、実務に即した支援を行っています。

国際行政書士
河野(かわの)

今回の解説は以上です。弊所ではビザ申請を丁寧に!早く!手続き致します。ご不明点があればお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料! 福岡を中心に、九州、全国対応が可能で、オンライン(ZOOM、LINE、WeChat、Teamsなど)での面談も対応しております。

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国際行政書士 河野尋志
国際行政書士 河野尋志
外国人の社員さん達と一緒に企業の取締役として国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール(多言語ツール)の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。行政書士業務を始めてからは様々な在留資格(ビザ)の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えてサポート致します。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格:行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人:1976年生まれ、宮崎県出身、1男2女の父、柔道3段(今は3級くらいの実力)