永住ビザの不許可理由と再申請のポイント

この記事では、以下の点について解説します。

  • 永住権(永住者の在留資格)が不許可になる主な理由
  • 不許可になった場合に確認すべきポイント
  • 再申請に向けてどのような準備をすればよいか
  • 永住ビ権の申請を成功させるための具体的な対策
  • 行政書士に依頼するメリット(特に福岡での申請に関するポイント)

「永住権を申請したが不許可になった」「これから申請するが不安がある」という方にとって、実践的な情報を提供します。

行政書士
河野
(かわの)

特に福岡出入国在留管理局内(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)の永住権申請の許可率は、2024年(59.34%)、2023年(52.10%)、2022年(58.19%)、2021年(58.11%)と全国で最も低い数値なので不許可になるのは珍しいことではなく、だからこそ慎重に申請書類を作成する必要があります。九州・沖縄で永住権申請をお考えの方は、お気軽にご相談ください!

目次

永住権申請の不許可理由と再申請はどうするべき?

永住権によくある不許可理由【2025年最新版】

永住権の申請には、出入国在留管理庁が定める厳格な基準があります。申請者の状況によって審査のポイントが異なりますが、不許可の主な理由は以下の5つに分類されます。

納税状況や公的義務を果たしていない場合

住民税や所得税、健康保険、年金といった公的義務を適切に果たしているかは、審査で厳しくチェックされます。

住民税・所得税の未納・滞納
  • 通常の就労ビザの場合、過去5年分の住民税・所得税の納付状況が確認されます
  • 一度でも延滞や未納があると、審査に大きなマイナスになる可能性があります
  • 延滞納税した場合も不利に(ただし事情説明が可能な場合もあります)
国民健康保険・年金の未納・滞納
  • 国民健康保険・社会保険の過去2年分の支払い履歴がチェックされる
  • 国民年金(自営業・フリーランス)や厚生年金(会社員)の未納があると不許可の可能性が高い
  • 免除申請をしている場合でも「免除期間が長すぎる」と判断されると不許可のリスクがある

住民税や所得税、健康保険、年金については以下の記事も参照ください。

就労・収入が不安定な場合

永住権申請では、「安定した収入があり、日本で自立した生活を送れるか」が審査されます。

会社員の場合は正社員であることが理想です
  • 正社員や契約社員での長期雇用が望ましいのが現実です
  • アルバイト・派遣社員のみで生計を立てていると許可される可能性が低くなります
収入の目安は年収300万円以上
  • 単身者であれば年収300万円以上が目安
  • 扶養家族がいる場合は、家族の人数に応じて収入基準が高くなる(例:配偶者・子供1人なら約400万円以上が望ましい)※住んでいる地域やご家族の状況によって異なります。

永住権申請の収入については以下も記事も参照ください。

転職回数が多いと不利になることも
  • 短期間で頻繁に転職をしていると、安定性がないと判断される可能性があります
  • 転職後すぐの申請はリスクが高いため、1年以上勤務してから申請するのが無難です

在留期間・在留歴の問題

原則として10年以上の日本在住が必要
  • 日本に10年以上継続して在留していることが原則です
  • 10年のうち5年以上は就労資格または居住資格(配偶者ビザなど)であることが求められます
一部の在留資格では特例が適用されます
  • 日本人・永住者の配偶者は1年以上の婚姻関係があれば申請可能
  • 高度専門職(ポイント制)の場合は1〜3年で申請できる特例あり
  • 技能実習・特定技能・留学ビザからの申請はハードルが高い

永住権申請の在留期間・在留歴については、以下の記事も参照ください。

過去に在留資格の変更や更新が不許可になった履歴がある場合
  • 過去にビザの更新や変更を拒否されたことがあると、審査で不利になる可能性があります
  • 短期出国(長期の海外滞在)が多い場合も、審査に影響する

永住権申請に影響する海外出国と日数については、以下の記事も参照ください。

犯罪歴・交通違反(素行要件)

重大な犯罪歴があるとほぼ不許可
  • 刑事事件で有罪判決を受けた場合、永住権申請が許可される可能性はほぼゼロ
  • 執行猶予期間が終了していても、不許可になる可能性が高い
交通違反の履歴が影響する場合もある
  • 飲酒運転や無免許運転は致命的
  • 軽微な違反(駐車違反・スピード違反)が複数回あると不利になることも
  • 違反歴がある場合は、3〜5年はクリーンな状態を維持してから申請するのが理想

永住権申請に関する交通違反の影響については、以下の記事も参照ください。

過去のビザ申請時の不正や虚偽申請

経歴詐称や虚偽の申請は絶対に避ける
  • 過去に就労ビザや結婚ビザの申請で嘘の情報を提出した場合、不許可になる可能性が高くなります
  • たとえば、配偶者ビザで偽装結婚が疑われた履歴がある場合、永住権申請も厳しく審査されます

永住権申請が不許可だった場合の対策と再申請のポイント

永住権申請が不許可になった場合、すぐに諦める必要はありません。適切に対策を行い、再申請すれば許可される可能性があります。ここでは、不許可になった後にやるべきことや、再申請するまでに準備すべきポイントを解説します。

不許可理由を知る方法

不許可通知を受け取った際、まずやるべきことは「なぜ不許可になったのかを正確に把握すること」です。しかし、出入国在留管理庁(入管)は不許可理由を詳しく書面で通知してくれません。そこで、以下の方法を試してください。

入管に「不許可理由の説明」を求める
  • 不許可通知を持参し、入管で口頭で説明して欲しいと希望する
  • 説明は原則として「本人のみ」が受けることができる(代理人不可)
  • あくまで口頭での説明なので、詳細をメモして記録することが重要

※不許可になった理由を聞く機会は1回だけです。入管には不許可理由を説明する法的な義務や責任がなく、「すべての理由」を教えてもらえる保証もありません。具体的に何が問題だったのかを、申請人(外国人の方)がうまく聞くことが非常に重要です。不許可になったことへの抗議は絶対にやめましょう。

行政書士に相談し、状況の分析依頼
  • 入管の説明だけでは不明確な部分が多いため、専門家に相談するのが有効です
  • 行政書士は過去の事例をもとに「どの要件が満たされていなかったのか」を分析できます
  • 福岡の入管に詳しい行政書士であれば、地域特有の傾向も踏まえて対策を提案が可能です

次回の申請までにするべきこと

永住権申請が不許可になった理由が分かったら、それを解消するために準備を進めましょう。再申請する前に、最低でも6か月〜1年間は準備期間がかかる場合がありますが、頑張りましょう!

納税・年金・保険の支払い状況を改善する
  • 過去に滞納があった場合、再申請までに「完納」することが必須
  • 直近2年の納税状況が重視されるため、期限内に正しく支払うこと
  • 免除申請をしていた場合でも、なるべく全額納付する方が有利
安定した収入を確保する
  • 年収が基準に達していない場合は、昇給交渉や、転職を検討
  • 転職する場合は、最低1年以上は新しい職場で働いてから申請するのが理想です
  • 扶養家族がいる場合は、配偶者の収入も加味されるため、家計全体の収入を安定さられる可能性もあります
交通違反や素行を改善する
  • 過去に違反歴がある場合は、3年以上無違反の状態を維持してから申請するのが理想です
  • 特に飲酒運転・無免許運転・危険運転などは致命的なので、絶対に避ける
  • 軽微な違反でも繰り返すと審査に影響するため、慎重な運転を心がける
再申請時の書類を万全に整える
  • 前回申請時の書類を見直し、修正・補強すべき点を整理する
  • 説明不足の部分は、補足資料や追加書類を準備して補強する
  • 行政書士に書類作成を依頼すると、審査官に分かりやすい申請書類を作成できる
場合によっては「理由書」「推薦状」などを活用

もし、最初の永住権の申請の際に、理由書や推薦状を提出していない場合、再申請の際にメリットがある可能性があります。詳しくは、以下のページで解説しています。

永住権申請を成功させるために行政書士に相談するメリット

永住権の申請は、「必要な書類を提出すれば必ず許可される」ものではありません。 出入国在留管理庁(入管)の審査は厳しく、不許可となるケースも多くあります。しかし、行政書士に相談することで成功率を高めることができます。 ここでは、行政書士に依頼するメリットについて解説します。

自分で申請するより成功率が上がる理由

不許可理由を分析し、適切な対策を立てられる
  • 過去の不許可事例をもとに「どこが問題だったのか」を的確に判断できます
  • 個別の事情に合わせた対策を提案し、改善策を提示できます
書類作成のクオリティが向上する
  • 審査官に伝わりやすい申請書類を作成できます
  • 追加資料や説明書の作成をサポートし、審査で不利にならないよう対策
申請の手続きがスムーズになる
  • 必要書類の収集・準備を効率的に行えます
  • 誤記や書類不備による審査遅延を防ぎ、スムーズに申請が進みます

福岡の行政書士に依頼するメリット

福岡の傾向を知っている
  • 地方ごとに審査の傾向が異なる部分もあるため、福岡での申請に強い行政書士を選ぶことをおすすめ
  • 福岡の入管の審査基準や地域特有のポイントを考慮して申請できる
福岡市・北九州市などの地域事情に詳しい
  • 福岡県内の外国人事情に精通し、適切なアドバイスが可能
  • 申請者の居住地に合わせた最適なサポートができる
直接相談できるため、細かい不安を解消できる
  • オンライン相談だけでなく、対面でのサポートも可能(特に福岡市・博多周辺で対応可能な行政書士なら便利)

よくあるご質問と答え

永住権申請が不許可になったら、すぐに再申請できますか?

不許可後すぐに再申請することは可能ですが、不許可理由を改善せずに再申請すると、再び不許可になる可能性が高いです。一般的には、6か月〜1年程度の準備期間を設け、改善策を実行してから再申請するのが望ましいです。

永住権申請のための年収基準は決まっていますか?

明確な基準は公表されていませんが、一般的には単身者で年収300万円以上、扶養家族がいる場合は家族の人数に応じて400万円以上が目安とされています。※住んでいる地域やご家族の状況によって異なります。詳しくはお問い合わせください。

過去に交通違反をしたことがあります。永住権の申請に影響しますか?

軽微な違反(駐車違反やスピード違反)であれば問題にならないことが多いですが、飲酒運転や無免許運転、重大な事故歴があると審査に悪影響を及ぼす可能性が高いです。

行政書士に依頼するメリットは何ですか?

行政書士に依頼することで、不許可理由の分析・改善策の提案・適切な書類作成ができるため、成功率が上がります。特に、福岡の事情を熟知した行政書士に依頼することで、地域特有の審査傾向を考慮した申請が可能になります。

福岡の行政書士に相談するにはどうすればいいですか?

無料相談を受け付けている行政書士も多いため、まずは問い合わせをしてみるのが良いでしょう。 直接会えない場合も、メールやオンライン相談も可能です。

まとめ – 永住権の不許可を防ぎ、成功させるために

永住権の申請は、適切な準備をすれば許可の可能性を高めることができます。不許可にならないためには、以下のポイントを意識しましょう。

不許可を防ぐための重要ポイント

  • 税金・健康保険・年金の支払いを滞納しない(過去5年分が特に重要)
  • 安定した収入を維持する(単身者は年収300万円以上、扶養家族がいる場合は増額が必要)
  • 在留期間の要件を満たしているか確認する(原則10年以上の在留歴が必要)
  • 素行要件をクリアする(犯罪歴・重大な交通違反がないか確認)
  • 申請書類を正確に作成する(虚偽申請や記入ミスがないよう注意)

再申請を成功させるために

  • 不許可理由を確認し、問題点を改善する
  • 申請前に税金・社会保険の支払い履歴を整理する
  • 安定した職業・収入を維持し、申請前に安定した勤務歴を確保する
  • 不備のない申請書類を作成し、必要に応じて行政書士に相談するのがおすすめです
行政書士
河野
(かわの)

特に福岡出入国在留管理局内の永住権許可率は全国で最も低い数値です。慎重に書類を作成する必要があります。福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄で永住権申請をお考えの方は、ぜひビザ申請サポート福岡 外国人支援センター(国際行政書士 河野尋志)にご相談ください!

今回の解説は以上です。ビザ申請サポート福岡 外国人支援センター(国際行政書士 河野尋志)ではビザ申請を丁寧に!早く!手続き致します。ご不明点があればお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料! 福岡を中心に、九州、全国対応が可能で、オンライン(ZOOM、LINE、WeChat、Teamsなど)での面談も対応しております。

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投稿者プロフィール

国際行政書士 河野尋志
国際行政書士 河野尋志
外国人の社員さん達と一緒に企業の取締役として国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール(多言語ツール)の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。行政書士業務を始めてからは様々な在留資格(ビザ)の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えてサポート致します。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格:行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人:1976年生まれ、宮崎県出身、1男2女の父、柔道3段(今は3級くらいの実力)