
(執筆者:国際行政書士 河野尋志)
特定技能ビザの特徴は「単純労働」を含む幅広い業務が可能という点。単純労働のみ行うことはできませんが、付随的にであれば可能なため、日本人と同じように業務に従事できます。
例えば外食業分野であれば、調理もフロアでの接客もどちらも可能です。技能実習のように1つの作業区分しか対応してはいけない、といった制限はありません。制限がない理由は、「特定技能ビザ」は、人手不足が深刻な分野において、単純労働を含む労働力が不足していることから、特定技能制度が創設されたという背景があるためです。
- 1. 「特定技能ビザ」1号と2号の違い
- 2. 「特定技能ビザ」と「技術・人文知識・国際業務ビザ」の違い
- 3. 「特定技能ビザ」の在留外国人材数
- 3.1. 「特定技能ビザ」が16分野から19分野に
- 3.2. 「特定技能ビザ」の在留外国人材数
- 3.3. 受入見込数の上限に近くなれば受入停止に!
- 4. 「特定技能ビザ」を取得するまでの流れ
- 4.1.1. 海外で、各分野で行われる試験に合格
- 4.1.2. 雇用契約を締結
- 4.1.3. ビザ申請
- 4.1.4. 日本国内で、各分野で行われる試験に合格
- 4.1.5. 雇用契約を締結
- 4.1.6. ビザ申請
- 4.1.7. 技能実習2号を良好に修了
- 4.1.8. 技能実習で学んだ分野との関係が必要
- 4.1.9. 雇用契約を締結
- 4.1.10. ビザ申請
- 5. 「特定技能ビザ」外国人材が就労するまでの流れ
特定技能ビザを取得するために制度を解説します
以下、順番に説明していきます。
「特定技能ビザ」1号と2号の違い
ご存知の外国人の方も多いと思いますが、「特定技能ビザ」の手続きは非常に複雑です。普通に考えて、外国人本人が「特定技能ビザ」の申請をすることは現実的ではなく、受入機関(外国人の方を雇用する事業主。普通は会社のこと)または登録支援機関(受入機関から委託を受けて外国人の方を支援する機関)のご担当者さんが担当するか、または我々のように行政書士にご依頼いただく場合がほとんどです。
以下では、手続きの内容ではなく、外国人の方の目線で気になるであろう「特定技能ビザ」1号と2号の違いについて記載しています。
| 項目 | 特定技能ビザ 1号 | 特定技能ビザ 2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 (更新必要) | 3年、2年、1年 、6月 | 3年、2年、1年 、6月 |
| 最長在留期間 | 最長でも5年 | 実質無期限 |
| 求められる要件(学歴) | 学歴要件なし | 学歴要件なし |
| 求められる要件(日本語能力) | 通常はN4以上、または JFT-BasicでA2以上 | 基本はなし (分野によってはある) |
| 求められる要件(試験) | ●各分野・業務区分で定められた技能試験の合格 ※「介護」分野では、日本語要件として介護日本語評価試験の合格も必要 | ●技能試験の合格 ※分野によっては「班長としての一定の実務経験」「日本国内の企業で該当分野の実務経験3年以上」「管理職相当の実務経験を証明する書面の提出」「試験の申し込みは企業が行う」などの追加条件があり、「特定技能1号」で就労していなければ難しい分野もあり |
| 試験会場 | 国内外にある ※海外現地で試験が実施されていない場合は、短期滞在ビザなどで来日して受験することで要件を満たすことも可能 | 主に国内にある |
| ほかの在留資格からの変更 | できる | できる |
| 業務内容 | ●各分野・業務区分で規定された業務限定(いわゆるブルーカラーの業務) ※同じ就労場所で働いている日本人が従事する業務に付随的に従事することは認められています | ●各分野・業務区分で規定された業務限定(いわゆるブルーカラーの業務) ※同じ就労場所で働いている日本人が従事する業務に付随的に従事することは認められています |
| 家族帯同(家族呼寄せ) | ●できない ※例外:もともと留学ビザなどで家族と日本に在留していた外国人の方が、特定技能ビザへ変更した場合などは引続き家族帯同が認められる | ●できる (原則、親は不可。配偶者及び子は可能) |
| 転職 | ●できる ※特定技能ビザで就労している機関と「同じ業種・職種」の機関への転職はできる。 ※「別の業種・職種」に転職したい場合、特定技能ビザの技能試験に合格し技能要件を満たしていれば転職可能 ※要件を満たしていれば、比較的短期間で転職することが可能 | ●できる ※特定技能ビザで就労している機関と「同じ業種・職種」の機関への転職はできる。 ※「別の業種・職種」に転職したい場合、特定技能ビザの技能試験に合格し技能要件を満たしていれば転職可能 ※要件を満たしていれば、比較的短期間で転職することが可能 |
| 永住ビザを取得するための「期間」の対象になるか | ●対象外 永住ビザ要件の「5年間は就労ビザまたは居住ビザで在留すること」の期間に該当しません。(「引き続き10年以上日本に住んでいること」の対象にはなります) | ●対象になる 永住ビザ要件の「5年間は就労ビザまたは居住ビザで在留すること」の対象期間に該当します。 |
| 他の就労ビザへ変更 | ●できる可能性あり 【例1】 ❶通信制の大学で学位を取得、またはN2以上合格 ❷技能実習生への通訳業務で実務経験を積む ❶❷を満たせば技人国ビザの国際業務(通訳者)に変更できる可能性あり 【例2】 「介護」分野で就労中に「介護福祉士」の資格を取得することで「介護ビザ」への変更できる可能性あり | ●できる可能性あり 【例1】 ❶通信制の大学で学位を取得、またはN2以上合格 ❷技能実習生への通訳業務で実務経験を積む ❶❷を満たせば技人国ビザの国際業務(通訳者)に変更できる可能性あり 【例2】 「介護」分野で就労中に「介護福祉士」の資格を取得することで「介護ビザ」への変更できる可能性あり |
| 技能水準 | 相当程度の知識又は経験を必要とする技能 | 熟練した技能 (各分野の技能試験で確認) |
| 外国人の方を支援する機関・団体 | ●登録支援機関(2025年6月30日現在10,305件) 「支援計画の策定」が義務であるため、特定技能制度で定められた「外国人の方々」への支援業務を、「自社で支援を実施できない受入れ機関」の代わりに「外国人の方々」への支援業務をする機関 | ●登録支援機関(2025年6月30日現在10,305件) 「支援計画の策定」は義務ではない |

河野(かわの)
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「特定技能ビザ」と「技術・人文知識・国際業務ビザ」の違い
以下は、出入国在留管理庁が公表している『在留資格「技術・人文知識・国際業務」と「特定技能」の違いについて』という資料の抜粋です。特定技能ビザと技術・人文知識・国際業務ビザの境界線があいまいだった部分がありましたが、以下の資料が2026年に公表されたことで、「ビザ審査が厳格に行いますよ」という方針が示されたことになります。情報出典:出入国在留管理庁・各種公表資料・在留資格関係・その他
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 | 技術・人文知識・国際業務 |
| 活動内容 | ●特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務 | ●特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務 | ●自然科学の分野又は人文科学の分野に属する技術又は知識を要する業務 ●外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務(国際業務) |
| 許可基準(注1) (学歴・職歴、日本語能力等) | ●技能水準:特定技能1号評価試験合格 など ●日本語能力水準:日本語能力試験N4以上合格等(分野によってはN3以上合格等が必要) | ●技能水準:特定技能2号評価試験合格 など ●日本語能力水準:日本語能力N3以上合格が必要(漁業及び外食業分野) | ●大卒程度又は実務経験10年以上(国際業務に従事する場合は、3年以上) |
| 以下、特定技能1号で 想定される活動例 | 以下、特定技能2号で 想定される活動例 | 以下、技術・人文知識・国際業務で想定される活動例 | |
| 宿泊業 (ホテル・旅館) | ●フロント、企画・広報、接客、レストランサービス業務 | ●複数の従業員を指導しながら行うフロント、企画・広報、接客、レストランサービス業務 | ●フロント、企画・広報 |
| 外食業 (飲食店) | ●飲食物調理、接客、店舗管理 | ●飲食物調理、接客、店舗管理、店舗経営 | ●複数店舗の店舗管理、店舗経営、企画業務 |
| 工業製品製造業 | ●製造工程・組立工程の作業 | ●複数の作業員を指導しながら行う製造工程・組立工程の作業、工程管理 | ●設計、プログラミング、技術開発 |
| 自動車整備業 | ●自動車の日常点検整備等の基礎的な業務 | ●他の要員への指導を行いながら行う自動車の日常点検整備などの一般的な業務 | ●整備士・整備工の指導監督、自動車整備主任者 |
| 建設業 | ●指導者の指示・監督を受けながら行う土木作業等 | ●複数の建設技能者を指導しながら行う土木作業など、工程管理 | ●建築設計、設計監理、建築積算 |

河野(かわの)
これまで、工業製品製造業での工程管理、建設業での工程管理は、技術・人文知識・国際業務ビザが許可される場合もあったと思います。しかし、上記の表の通り「特定技能2号に該当する」と明確に表示されていますので、今後は許可されない可能性が極めて高くなりました。
また、自動車整備業では引き続き技術・人文知識・国際業務ビザが許可されることも明確に表示されました。ただ「いつまでも整備士のままではNGで、ある程度の職歴があれば自動車整備主任になること」が求められますので、注意が必要です。
「特定技能ビザ」の在留外国人材数
「特定技能ビザ」が16分野から19分野に
特定技能ビザには、上記の通り1号と2号の2種類があり、1号は16分野、2号は11分野となります。また4分野(自動車運送業、鉄道、林業、木材産業)の追加が2024年3月に新たに決定し、既に受け入れが開始されています。さらに令和9年度(2027年度)には、「物流倉庫」「資源循環」「リネンサプライ」という3つの分野の追加も検討されています。詳しくは、以下のページで解説しています。
「特定技能ビザ」の在留外国人材数
出入国在留管理庁は、定期的に特定技能在留外国人数を公表しています。以下の表は、令和7年(2025年)12月末時点の情報として公表されている特定技能ビザで在留している外国人の方々を集計したものです。また、合わせて「2024年4月から2029年3月まで5年間の受入見込数」もリスト化しています。参考までにご覧ください。
| 分野名 | 受入見込数 (2029年3⽉まで) | 1号在留人数 (2025年11月末) | 割合 (対新受入見込数) | 1号在留人数 (2025年12月末) | 割合% (対新受入見込数) |
| 介護 | 126,900 | 65,505 | 51.6% | 67,871 | 53.5% |
| ビルクリーニング | 32,200 | 8,143 | 25.3% | 8,395 | 26.1% |
| 工業製品製造業 | 199,500 | 56,231 | 28.2% | 56,736 | 28.4% |
| 建設 | 76,000 | 48,338 | 63.6% | 49,323 | 64.9% |
| 造船・舶用工業 | 23,400 | 11,212 | 47.9% | 11,204 | 47.9% |
| 自動車整備 | 9,400 | 4,430 | 47.1% | 4,560 | 48.5% |
| 航空 | 4,900 | 2,168 | 44.2% | 2,260 | 46.1% |
| 宿泊 | 14,800 | 1,865 | 12.6% | 1,968 | 13.3% |
| 自動車運送業 | 22,100 | 106 | 0.5% | 151 | 0.7% |
| 鉄道 | 2,900 | 46 | 1.6% | 54 | 1.9% |
| 農業 | 73,300 | 37,619 | 51.3% | 37,952 | 51.8% |
| 漁業 | 14,800 | 4,649 | 31.4% | 4,590 | 31.0% |
| 飲食料品製造業 | 133,500 | 92,324 | 69.2% | 93,393 | 70.0% |
| 外食業 ※2026年4月13日以降は申請受付停止 | 50,000 | 42,396 | 84.8% | 43,869 | 87.7% |
| 林業 | 900 | 0 | n/a | 0 | 0.0% |
| 木材産業 | 4,500 | 12 | 0.3 | 15 | 0.3% |
| リネンサプライ | 4,300 | - | - | - | - |
| 物流倉庫 | 11,400 | - | - | - | - |
| 資源循環 | 900 | - | - | - | - |
| 合計 | 805,700 | 375,044 | 46.5 | 382,341 | 47.5 |

河野
(かわの)
2026年3月27日に、特定技能(外食業)ビザの受入れ上限の運用が発表されました。
原則的には、2026年4月13日以降に特定技能(外食業)ビザの申請をしても、許可されません。詳しくは、出入国在留管理庁の公式ホームページ「特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について」をご確認ください。
受入見込数の上限に近くなれば受入停止に!
上記の通り、「外食業」分野は、50,000人の上限に達することが見込まれるため、2026年4月13日以降は申請受付が原則停止になります。他、「建設業」分野でも受入割合が65%、飲食料品製造業では70%になっている(2025年12月末時点)ので、近い将来、申請受付が停止になる可能性があります。
「特定技能ビザ」を取得するまでの流れ
外国人の方が特定技能ビザを取得するまでの流れは、大きく分けて以下3パターンあります。
❶ 海外で試験を受けてビザを取得する場合
❷ 日本国内で試験を受けてビザを取得する場合
❸ 技能実習2号ビザから、特定技能ビザへ変更
それぞれご紹介致します。
❶海外で試験を受けてビザを取得する場合
海外で、各分野で行われる試験に合格
海外での試験は、べ卜ナム、中国、フィリピン、インドネシア、タイ、ミャンマー、力ンボジア、ネパール、モンゴル、スリラン力などで行われています。※あくまで試験実施国であり、受験者の国籍を限定するものではありません。
※分野によって試験開催国が限られており、全ての国で試験が行われているわけではありません。
※日本語能力試験(JLPT)のN4レベル、または、日本語基礎テスト(JFT_Basic)A2レベルの日本語も必要です。
雇用契約を締結
受入機関(外国人の方を雇用する事業主。普通は会社のこと)と雇用契約を締結します。
ビザ申請
入管(出入国在留管理局)さんへ、在留資格(ビザ)へ在留資格認定証明書交付申請を行う。
❷日本国内で試験を受けてビザを取得する場合
日本国内で、各分野で行われる試験に合格
※日本語能力試験(JLPT)のN4レベル、または、日本語基礎テスト(JFT_Basic)A2レベルの日本語も必要です。
雇用契約を締結
受入機関(外国人の方を雇用する事業主。普通は会社のこと)と雇用契約を締結します。
ビザ申請
入管(出入国在留管理局)さんへ、在留資格(ビザ)へ在留資格変更申請を行う。
❸技能実習2号ビザから、特定技能ビザへ変更
技能実習2号を良好に修了
技能実習2号を良好に修了した技能実習生が対象。
または既に帰国している元技能実習生も対象になります。
技能実習で学んだ分野との関係が必要
「技能実習ビザ(2号)を修了した産業分野・業務」と「特定技能ビザの分野」が関係している必要があります。
雇用契約を締結
受入機関(外国人の方を雇用する事業主。普通は会社のこと)と雇用契約を締結します。
ビザ申請
入国管理局へ在留資格の変更許可申請(既に帰国している元技能実習生の場合は在留資格の認定証明書交付申請)をします。
「特定技能ビザ」外国人材が就労するまでの流れ

河野
(かわの)
出入国在留管理庁が「特定技能ビザ」外国人材が就労するまでの流れを1枚にまとめてくれています。かなり分かりにくいですが、参考までにご覧ください。
ご不明点あればお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料、オンライン面談にも対応しております。

繰り返しになりますが、人手不足が深刻な分野において特定技能ビザが設定されているため、今後、多くの外国人の方の受入れを予定しています。
また「特定技能ビザ」の手続きは非常に複雑なので、受入機関(外国人の方を雇用する事業主。普通は会社のこと)または登録支援機関(受入機関から委託を受けて外国人の方を支援する機関)のご担当者さんが担当するか、または我々のように行政書士にご依頼いただく場合がほとんどです。

河野(かわの)
弊所ではビザ申請を丁寧に!早く!手続き致します。ご不明点があればお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料! 福岡を中心に、九州、全国対応が可能で、オンライン(ZOOM、LINE、WeChat、Teamsなど)での面談も対応しております。
以下では、特定技能ビザに関連する情報をまとめています。
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河野尋志
かわのひろし
ビザ申請サポート福岡 外国人支援センター
国際行政書士 河野尋志 事務所 所長
著者プロフィール
企業の取締役として外国人の社員さんと一緒に国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール(多言語ツール)の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。行政書士業務を始めてからは、様々な在留資格(ビザ)の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えてサポート致します。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格:行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人:宮崎県出身、1976年生まれ、1男2女の父、柔道3段(今は3級くらいの実力)

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