罰金や犯罪歴がある場合のビザの更新・変更についてビザ専門の行政書士が解説

この記事を読むと分かること

  • 罰金や犯罪歴があるとビザの更新・変更はできないのか
  • 実際の不許可事例と入国管理局の判断傾向
  • どんな罰金・犯罪歴を申告する必要があるのか
  • 入国管理局に提出する申請書での注意点
  • 反省文や補足資料について
  • 申請を進めるためのポイント
行政書士
河野
(かわの)

私にご相談が多い福岡出入国在留管理局内(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)でも、過去に罰金を払ったことや、罪を犯したことがある外国人の方から「ビザが更新できますか?」というご相談があります。

以下で回答いたします。また、以下に書いている内容は、基本的な考え方は「永住権の申請」でも同じです。なお、交通違反が永住権の申請にあたえる影響については、以下のページで解説しています。

目次

過去に罰金や犯罪がある場合、ビザの更新・変更時にどう対応するべき?

はじめに:過去の罰金や犯罪の影響は?

罰金や犯罪歴があるから、必ず不許可、ではない

まず大前提として、過去に罰金や交通違反、あるいは軽微な刑事処分を受けた事実があるだけでは、直ちにビザ(在留資格)の更新や変更が不許可になるわけではありません。
入国管理局は、単に処分歴の有無だけでなく、その内容・悪質性・回数・本人の反省状況などを総合的に判断し、「日本に引き続き在留させることが適切かどうか」を検討します。

重視される4つの観点

罰金や犯罪歴などの処分歴に関して重要とされる判断基準は以下のとおりです:

審査観点説明
違反の性質と重大性交通違反や過失による罰金程度であれば比較的軽く扱われますが、飲酒運転や傷害、窃盗などは「重大な違反」と見なされます。
虚偽申告の有無「処分歴を記載しなかったこと(虚偽申請)」は重大な法律違反行為です。虚偽申請が確認されると、申請は高確率で不許可になり、将来的な信頼性も大きく損なわれます。
反省と再発防止の意志反省の意思表示や、生活状況報告などを通じて「再発の可能性がない」「誠実に生活している」ことを証明できれば、審査上の評価は改善される可能性があります。
違反の頻度・継続性過去の1回だけの罰金であれば考慮の余地がありますが、何回も継続して違反している場合は「素行が善良でない」と判断され、ビザの更新や変更が不許可になります。

「日本に住み続けてほしい」と思われる人物か?

入国管理局は常に、「この外国人を日本に引き続き在留させることが、日本社会にとって適切か」という基準で判断していると考えられています。たとえば、罰金歴があっても、

  • 申請書に正確に記載されている
  • 真摯な反省がある
  • 日常生活や勤務態度に問題がない
  • 日本社会に適応している

と判断できれば、更新・変更が許可される余地があります。(※必ずビザ更新や変更が許可されるわけではありません)

行政書士からのアドバイス:申告を迷ったときはどうすべきか?

交通違反や犯罪などの処分歴について「どこまで書くべきか」と迷った場合、「迷ったら記載する」が原則です。記載の要否に不安がある場合は、専門家に相談するのもおすすめです。

行政書士
河野
(かわの)

交通違反や犯罪などの処分歴がある場合でも、正確な対応と誠実な申請を行えば、ビザ更新・変更が許可される可能性はあります。本記事では、以降で「実際に不許可になった事例」「記載すべき内容」「反省文などの対応」などを解説していきます。

実際にビザ申請が不許可になったケースを解説

出入国在留管理庁では、不許可事例の一部を公開しています。以下はその事例の解説です。

【事例1】在留資格「経営・管理」更新申請が不許可になった例

項目内容
在留資格経営・管理
更新回数4回更新済み(5回目の更新申請で不許可)
違反内容出入国管理及び難民認定法違反(不法就労助長罪)により罰金30万円
違反の内容(予想)不法就労助長罪という内容から考えると、申請人が経営する飲食店で、在留資格のない外国人などに違法に就労させたと推定されます
処分の程度刑事罰(罰金刑)
不許可の理由経営者自らが不法就労助長を行ったことにより、「素行が善良でない」と判断され、在留状況に問題ありと評価された。経営者としての信頼性・適格性が問われた。
行政書士
河野
(かわの)

「経営・管理」ビザでは本人の法令順守が非常に厳しく問われるため、処分歴がある場合は反省文や経営改善計画などの補足書類を準備しても許可されないケースがあります。「日本社会で事業を行うにふさわしい人物かどうか」が重視されていると考えられます。

【事例2】在留資格「技術・人文知識・国際業務」更新申請が不許可となった例

項目内容
初回在留資格留学(1年3月)
その後の変更技術・人文知識・国際業務に変更後、3回更新済み
違反内容「児童買春・児童ポルノ禁止法」などの違反により罰金50万円
処分の程度刑事罰(罰金刑)
不許可の理由(予想)社会的に極めて悪質性の高い性犯罪行為が原因。素行不良であると判断され、「日本に引き続き在留させることは社会的に相応しくない」と評価されたと考えられます。
行政書士
河野
(かわの)

このようなケースでは、反省文の提出や改善策を講じたとしても、社会的信用の回復が困難であると判断されるため、更新許可は極めて難しくなります。在留資格(ビザ)を更新するためには、法令遵守だけでなく、社会的な倫理・秩序の遵守も必須条件と考えられています。

【事例3】在留資格「留学」更新申請が不許可となった例

項目内容
在留資格留学(最初は日本語学校、次に専門学校に進学)
申請の経緯専門学校卒業後、同一校の同一課程で「再度」勉学を希望
在留・在学状況出席・成績・生活状況に特段の問題なし
問題点同じ専門学校・同じ課程で再度学ぶことに対し「合理的な理由がない」
不許可の理由(予想)留学の目的は「学位・資格等の取得」や「高度な教育の受講」であり、既に同課程を修了していながら再度同じ内容を履修することは「学習の実態に乏しい」と判断された可能性あり。滞在し続けるためだけの申請と疑われ、在留継続が適当とされなかったと予想されます。
行政書士
河野
(かわの)

この事例は、「形式上の在留活動が適正でも、在留目的に合理性が欠ける場合は不許可となる」ことを示しています。特に「留学」の在留資格は、活動内容と目的の整合性、教育内容の実質性が問われます。もしどうしても同じ学校の同じ内容の勉強をしたい場合は、それが「誰が考えても妥当」だと思う理由を資料で説明することが必要になります。

【事例4】在留資格「定住者」更新申請が不許可となった例

項目内容
在留資格定住者(3年)
入国経緯日系3世として入国、1回更新後の2回目更新申請
違反内容詐欺および窃盗の罪により、懲役2年・執行猶予4年の刑が確定
申請時の状況執行猶予期間中に更新申請
不許可の理由(予想)刑事処分が「懲役刑」であり、執行猶予中であることから、「素行が善良でない」と判断され、在留資格更新の適格性を欠くと判断され、在留の継続が社会的に不適切と評価されたと考えられます。
行政書士
河野
(かわの)

この事例は、「重大な刑事処分を受けた場合、執行猶予中であっても在留継続は難しい」ことを示しています。刑の執行が猶予されていても、有罪判決の確定自体が、在留の適格性を大きく損なうため、執行猶予期間満了後であっても回復には時間と証明が必要だと考えられます。

【事例5】在留資格「定住者」更新申請が不許可となった例

項目内容
在留資格定住者(1年)
入国経緯日系3世の夫とともに入国し、配偶者として在留
更新回数2回の更新許可済み(3回目申請で不許可)
問題点届出された住居地と、実際の居住地が異なっていた
調査結果申請書には夫と同一住所を記載していたが、実際には別の住所地に居住していた(虚偽申告)
不許可の理由(予想)ビザ更新申請における「住居地の虚偽記載」は故意的な偽りの申請であり、誠実性を欠くと判断された可能性大。夫婦の実態に疑義が生じ、家族滞在の実体性が否定される可能性もあるため、在留継続は不適切と評価されたと考えられます。
行政書士
河野
(かわの)

事例は、「家族関係の在留資格では、生活実態の正確な申告が極めて重要」であることを示しています。在留更新に際しては、単なる書類の整合性だけでなく、実際の生活実態と完全に一致するかどうかが審査対象になります。ウソが判明した場合、在留資格の信頼性自体が損なわれます。

定住者ビザが認められる要件について詳しくは、以下のページで解説しています。

【事例6】在留資格変更申請が不許可となった例

項目内容
旧在留資格日本人の配偶者等(1年)
在留履歴2回の更新を経て在留
違反内容大麻取締法違反、関税法違反により懲役10月・執行猶予3年の刑確定
状況日本人配偶者と離婚
申請内容通訳・翻訳業務に従事する目的で、「技術・人文知識・国際業務」への変更申請
不許可の理由(予想)複数の法令違反(薬物・関税)による懲役刑は重大な素行不良と評価され、「引き続き在留させることが社会的に不適当」と判断されたと考えられます。さらに、離婚後に就労系在留資格へ変更すること自体が慎重に審査される中で、信頼性が著しく損なわれていたため不許可となったと思われます。
行政書士
河野
(かわの)

この事例は、「法令違反がある外国人に対して、就労ビザへの変更を認めるかどうかは、極めて慎重かつ厳格に審査される」ことを示しています。特に薬物関連の違反歴は、「社会に与える影響が大きく、再発リスクも否定できない」として、在留資格変更の許可は非常に困難になります。

【事例7】在留資格変更申請が不許可となった例

項目内容
旧在留資格留学(1年)→ 家族滞在(2年)
問題となった行為「家族滞在」期間中に資格外活動許可なしで就労。さらに就労が禁止されている風俗店で長期間勤務
申請内容再び大学へ入学(別大学)し、留学ビザへの在留資格変更を希望
不許可の理由(予想)資格外活動の違反は、在留資格制度の根幹を損なう行為であり、特に風俗関連業務は禁止されているため、在留状況に重大な問題があると判断された可能性大。活動内容に偽りがあり、再度の留学に対する信頼性も欠如していると評価されたと考えられます。
行政書士
河野
(かわの)

この事例は、「資格外活動違反が判明した場合、たとえその後に正当な活動を申し出たとしても信頼回復は極めて困難である」ことを示しています。特に風俗関連業種での就労は、入管実務上、最も厳しく判断される違反のひとつです。資格外活動を行う際は、必ず事前に許可を取得し、その就労する業務内容にも十分に注意を払う必要があります。

資格外活動許可について詳しくは、以下のページで解説しています。

【事例8】在留資格変更申請が不許可となった例

項目内容
旧在留資格短期滞在(90日)→ 日本人の配偶者等(1年)
経緯日本人女性と婚姻 → 約1年3ヶ月後に協議離婚
申請内容離婚後も日本に残るため「定住者」への在留資格変更を希望
入国管理局の判断(予想)離婚の事情、日本での生活実績・社会的定着性が不十分
不許可の理由(予想)「定住者」への変更は、離婚後も引き続き本邦に在留させるに足る人道的・社会的事情があることが要件であるが、本件では在留歴が短く、日本社会への定着状況や生活基盤が希薄であったため、不許可となったと考えられます。
行政書士
河野
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この事例は、「離婚後に定住者への変更が許可されるには、一定の社会的・人道的根拠が必要」であることを示しています。単に離婚したからといって定住者になれるわけではなく、日本社会での生活の実績や理由の明確な説明が求められる点に注意が必要です。

【事例9】在留資格変更申請が不許可となった例

項目内容
初回在留形態寄港地上陸許可(短期滞在ビザ)
経緯許可期限超過の残留 → 在留特別許可により「留学」取得 → その後「技術・人文知識・国際業務」へ変更
問題点就労先を退職後、「より広範な活動を希望」として「定住者」へ変更申請
申請理由在留資格の該当性よりも、自由度の高い在留活動を求めた申請
不許可の理由(予想)「定住者」は法務大臣が個別に事情を考慮して認める在留資格であり、申請者に特段の人道的・社会的事情が必要とされる。本件では「単なる自由な活動希望」であり、変更を認める根拠がないと判断されたと考えられます。
行政書士
河野
(かわの)

この事例は、「定住者ビザは希望すれば取得できる資格ではなく、個別事情に基づく法務大臣の裁量によってのみ認められる」ことを明確に示しています。退職や在留資格該当性に対する不安がある場合は、まずは同一資格での再就職や、変更可能な他の資格の要件を丁寧に検討すべきです。

もしビザの更新・変更の申請が不許可になったら

ビザ更新・変更が不許可になった場合の対応

在留期間が残っている場合の不許可対応

ビザの在留期間がまだ残っている段階で更新・変更申請が不許可になった場合は、できるだけ早く入国管理局に行って、不許可の具体的な理由を確認することが重要です。その上で、必要な資料や説明を補強し、再申請を行うことが可能です。

行政書士
河野
(かわの)

在留期間の満了前日までに再申請をすれば、「特例期間」として原則2か月間の日本滞在が認められる場合があります。この期間内に再申請を完了すれば、引き続き日本での生活を継続できる可能性があります。

在留期間を過ぎて不許可になった場合

一方、ビザの在留期間を過ぎた後に不許可の通知を受けた場合、法的にはすでに日本に滞在する根拠を失っている状態となります。ただし、すぐに退去を求められるわけではなく、「出国準備期間」としての特定活動が許可されるのが通常です。

この「出国準備」の在留資格が付与されると、在留カードには穴が空けられ無効となり、市区町村役所へも通知が行き、住民票が「除票」扱いになります。パスポートには「出国準備」のステッカーが貼付され、法的には退去に向けた準備段階に入ったことを意味します。

出国準備期間中のビザ(在留資格)変更は可能か?

「出国準備期間」でも、場合によってはビザ(在留資格)の変更が認められる場合があります。具体的には、出国準備期間が「31日間」で付与された場合には、他のビザ(在留資格)へ変更できる可能性があります。

実務上も、31日間のうち(できるだけ早く!)に再度の申請を行い、適切な資料を揃えることで、ビザ変更が認められたケースはあります。

一方、出国準備期間が「30日間」で付与された場合には、ビザ変更申請が受理されないか、受理されてもその場で不許可になる場合がほとんどです。この場合は、一度出国し、改めて海外から在留資格認定証明書を再び取得して、日本へ再入国を目指すことになります。

行政書士
河野
(かわの)

出国準備期間や申請の可能性に関する判断は、必ず入国管理局に確認を取りながら進めましょう。

ビザ申請書で罰金や犯罪を「書く部分」とは?

1. 全ての在留資格申請に共通の質問項目

在留資格の認定・変更・更新のいずれの申請書にも、共通して「犯罪・処分歴」に関する記載する部分(以下の画像参照)があります。これは、日本国内だけでなく、外国人の方の母国など外国を含めて、過去に罰金や犯罪などの処分を受けた事実があるかどうかを確認するためのものです。

ビザ申請書の違反歴を記載する枠

「犯罪・処分歴」記載する部分に記載されている内容

犯罪を理由とする処分を受けたことの有無 (日本国外におけるものを含む。)※交通違反等による処分を含む。
Criminal record (in Japan / overseas)※Including dispositions due to traffic violations, etc.

出入国在留管理庁:在留資格「技術・人文知識・国際業務」の申請書より

行政書士
河野
(かわの)

ウソやごまかしを書いたことが確認された場合、ビザ更新や変更が不許可になる可能性があります。また、永住許可申請書にも、同じように罰金や犯罪を「書く部分」はありますので、ビザ更新や変更と同じく、永住権の申請でも誠実に、正直に書きましょう。

永住申請に交通違反などが及ぼす影響については、以下のページで解説しています。

2. 書く必要がある処分と、書かなくてもよい処分の違い

処分の種類記載の要否補足説明
懲役・禁錮・罰金刑(日本・海外)記載する必要あり執行猶予付きも含まれる
交通違反記載する必要あり反則金も「交通違反等」に含まれる
効力消滅済みの罰金刑(刑法34条の2)記載する必要あり罰金は5年、罰金以上は10年で法的には効力が消滅するが、申請書には記載義務あり
不起訴処分、嫌疑不十分慎重に判断するべき犯罪として確定していないため「書かない」という選択肢もありますが、弊所では「全て誠実に報告する」ことをおすすめしています。
行政書士
河野
(かわの)

罰金や犯罪はもちろん、以下のような「出入国管理及び難民認定法」上の重大な違反も記載する必要があります。

  • 偽りその他不正の手段により、上陸許可を受けたこと。(ウソをついてビザを取得したこと)
  • 偽装滞在(ウソの結婚、ウソをついて就労していた、など)
  • 許可を受けない資格外活動
  • 不法就労・不法滞在(在留資格に応じた活動を行っていない、などを含む)
  • 日本に入国した日から90日以内に、住居地の届出をしなかった
  • 引っ越しをした日から90日以内に、出入国在留管理庁長官に、新住居地の届出をしなかった
  • ウソの住居地を届出した

など

3. 何年前までの罰金や犯罪歴を書くのか

結論、過去の罰金や犯罪歴は全て書きましょう。出入国在留管理庁の公式ホームページでも、以下のように記載があります。

参考:出入国在留管理庁Q&A(問24)
Q24 申請書(在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請、在留資格認定証明書交付申請等)に犯罪歴を記入する欄がありますが、過去何年前のものまで記入する必要がありますか。

A 過去何年前までという限定はありませんので、日本国内・国外を問わず、犯罪を理由として処分を受けたことがある場合は、全て記載してください。

4. 実務的な注意点と対応方法

  • 少しでも迷った場合は書きましょう
    • 「記載しないこと」は虚偽申請となり不許可になる可能性があるため、「記載しなくてよい」と断言できない場合は誠実に記載し、反省文などで説明を補足することをおすすめします。
  • 反省文の活用
    • 例えば軽い交通違反でも、反省の意志をしっかり文章で示すことで、印象を改善できる可能性があります。特に処分からの年数が短い場合や再申請の場合は重要です。
  • 過去の申請書は記録に残ります
    • 一度申請書に記載した罰金や犯罪の処分歴は入国管理局の記録に残るため、今後も継続して記載が必要です。矛盾があると「ウソをついている(虚偽申請の)可能性あり」と見なされる可能性があります。

5. 求められる対応

  • 過去に処分されたことがあるかないか、必ず明確に確認しましょう
  • あいまいな回答はせず、必ず証拠(交通切符・判決文など)を確認しましょう
  • 罰金や犯罪を書くだけではなく、補足説明(反省・再発防止策)を加えることをおすすめします
行政書士
河野
(かわの)

このように、「処分歴を書く部分」は単なる形式ではなく、入国管理局にとって信頼性と在留適格性を判断する重要な情報源です。正確な記載と誠実な対応こそが、ビザ申請の成功を左右する大きなポイントとなります。

罰金や犯罪の処分歴がある場合の対応:反省文や補足資料

罰金や犯罪の処分歴があるからといって、必ずしも在留資格の申請が不許可になるとは限りません。しかし、処分歴をウソをついて隠す・軽視する、ことは、申請者にとって致命的なリスクになります。重要なことは「正直な申告」と「誠意ある説明」です。ここでは、処分歴がある場合に準備すべき具体的な対応を書きます。

1. 反省文の作成

【目的】

処分を受けた本人が、違反行為に対してどのように向き合っているかを示し、再発防止の意志と真摯な姿勢を伝えるための文書です。

【構成例】

項目内容
発生日・違反内容いつ・どこで・どのような処分を受けたかを正確に記載
違反行為の原因不注意・認識不足など、自分の非を認める説明
処分の結果罰金・刑事処分などの内容(判決や通告の有無も含む)
反省の意志二度と繰り返さないという強い意志と現在の自覚
再発防止策生活態度・勤務状況の改善など、具体的な取組み
現在の状況仕事・家庭など、安定した社会生活を送っている旨

【文体と長さ】

  • A4用紙1〜2枚程度
  • 自筆またはパソコン可(自筆の場合、誠意が伝わりやすいと考えられています)
  • 主観的な言い訳よりも客観的で事実に基づいた記述が重要

2. 補足資料の提出

反省文だけでは客観性に乏しいため、可能な限り関連資料を添付することが望ましいです。

資料の種類内容提出目的
交通違反通知書・罰金納付書など違反事実の証明正確な事実関係の提示
判決文・略式命令書刑事事件が関与している場合裁判所での処分内容の確認
勤務先からの推薦状現在の勤務態度が良好である場合社会的信用の補強
地域活動・ボランティア実績地域に根差した活動社会への貢献実績をアピール
生活状況報告書(生活費の明細など)安定した生活を送っていることを証明再発の可能性が低いことを裏付ける
行政書士
河野
(かわの)

交通違反などの運転記録証明書は、詳しくは以下のリンクから取寄せできます。証明書はオンラインでも申請できるようです。(2025年6月現在)

自動車安全運転センター:運転経歴に係る証明書

3. 注意点:「軽い違反」でも軽く考えない

  • 「交通違反だから書かなくてもいいだろう」は禁物
  • 過去の罰金刑や反則金も、記載対象になります
  • 処分の大きさよりも、「虚偽記載・未申告の有無」が審査で重視されます

まとめ:罰金や犯罪の処分歴があるときこそ、信頼される申請を

処分歴を持つ外国人の在留資格審査は、「違反したか否か」よりも、「その後どのように誠実に対応しているか」で評価が分かれる場合もあります。反省文や補足資料の整備は、入国管理局に信頼される第一歩です。

行政書士
河野
(かわの)

ビザ専門の専門家である私にご相談いただければ、処分歴の内容と審査上の影響を評価し、ご本人の事情を法的かつ人間的に説得力ある形で説明するサポートができます。

もちろん、過去の間違いを反省していない人をサポートするつもりは一切ありません。心から反省し、これからも日本に住み続けたい、と願っている外国人の方だけを全力でサポートします。早めの対応と綿密な準備が、許可への近道となります。

(補足)国民健康保険料や国民年金を滞納するとビザ更新に影響する!日本政府がシステム改修(2027年6月開始予定)

国民健康保険料を滞納するとビザ更新に影響する可能性がある、という情報があります。罰金や犯罪の話ではありませんが、ビザの更新や変更に悪い影響がある、という意味では同じ話です。

政府の調査によると、外国人が国民健康保険料を支払っている割合は2024年末時点で63%。これは、全体(日本人を含めた)の納付率93%と比べて約30%も低い数字です。つまり、日本に住む外国人の10人中4人ほどが保険料を払っていない、という深刻な課題があり、日本政府もこの問題を重く見ています。

現在、国民健康保険を管理する「市区町村」と、国民年金を管理する「厚生労働省」、在留資格(ビザ)を管理する「出入国在留管理庁(入管)」の情報はしっかり連携されていませんので、滞納情報はビザ審査には使用されていません。しかし、2026年度にシステムを改修し、2027年6月からは滞納状況が在留資格の更新・変更審査に反映される方針です。

政府は、以下のスケジュールで制度改革を進める方針です。

年度改革内容
2026年度(2026年4月から)国保システム改修、情報連携の準備
2027年度(2027年6月から)滞納している情報を、在留資格(ビザ)審査に反映する予定
行政書士
河野
(かわの)

具体的には、国民健康保険料や国民年金の納付状況を在留資格更新・変更の判断材料に用いるという厳しい対応です。つまり、健康保険料や年金を滞納していると在留資格の更新が認められない可能性があります。さらに詳しくは、以下のページで解説しています。

FAQ:よくある質問

交通違反(スピード違反、駐車違反)も記載が必要ですか?

記載が必要です。申請書には「交通違反等による処分を含む」と明記されています。たとえ反則金や罰金が軽い内容であっても、処分歴として正直に申告することが信頼性の証明になります。

不起訴になった事件も申告しないといけませんか?

不起訴処分の場合、記載は不要です。不起訴は「処分を受けた」とはされないため、申請書の記載義務はありません。ただし、本人の判断に迷いがある場合は、補足資料として説明書を添付することも選択肢です。弊所では、不起訴処分であっても、正直に、誠実に入国管理局へ報告することを強くおすすめしています。

処分歴が10年以上前のものでも記載しなければなりませんか?

記載が必要です。入国管理局のFAQにもある通り、「過去何年前まで」という制限はありません。時間の経過に関係なく、すべての処分歴を記載する必要があります。

刑の効力が消滅している場合は記載不要ですか?

記載は必要です。刑の効力が消滅しても、「処分を受けた事実」は変わらないため、在留資格申請書に書く必要があります。

罰金刑を受けたが、在留資格の更新は可能?

場合によります。処分内容・反省の有無・現在の生活状況によって判断されます。正直に申告し、反省文や安定した生活状況を証明する資料を提出することで、許可される可能性もあります。

反省文は必ず必要ですか?

必要ではありません。ただ、ビザ専門の行政書士としては、提出を強くおすすめします。処分の内容に関係なく、誠実な姿勢を示す文書は非常に重要です。

以前の申請で処分歴を記載していなかったが、今回は記載しても大丈夫?

今回からでも正確に記載するべきです。過去の虚偽記載を修正することはルールを守って生活する、という意思表示になると思います。ただし、なぜ以前に記載しなかったのかを説明する文書を添付した方がよいでしょう。

自分では軽微だと思う違反でも、ウソをついたと扱われますか?

処分の軽い重いにかかわらず、虚偽記載(ウソを書くこと)は重大な違反行為です。たとえ軽い反則金であっても、意図的に記載しなかったと判断されれば、不許可または在留資格取消の対象になります。

日本国外で受けた処分も記載が必要ですか?

必要です。「日本国外におけるものを含む」と申請書に記載されており、外国での刑事罰や行政処分も、すべて書きましょう。

重い犯罪を犯した場合は、強制退去になりますか?

重罪を犯した場合は、退去強制や出国命令になる可能性があります。十分に気をつけて生活しましょう。退去強制、出国命令、在留特別許可については、以下のページで解説しています、参考までにご覧ください。

専門家に相談するメリットはありますか?

あります。行政書士などの専門家は、処分歴がある場合の適切な申告方法、反省文や補足資料の作成方法を知っています。適切なサポートを受けることで希望を叶えられる可能性があります。

まとめ:処分歴がある場合は「誠実な対応」が許可の鍵

罰金や犯罪の処分歴があるから不許可になるとは限らない

在留資格の審査において、処分歴があること自体が即座に不許可につながるわけではありません。それに、過去の間違いはどうやっても消せません。消せない過去を考えるよりも、大切なのは、違反行為をどう受け止め、どのように反省し、再発を防ごうとしているのかという「誠実さ」が、最も重要です。

「隠す」より「正直に伝える」ことが信頼への第一歩

虚偽記載(ウソを書くこと)や記載漏れ(書くことを忘れること)は、それ自体が違反行為となり、申請者(あなた)の信頼性を大きく損ないます。特に以下のようなケースでは、誠実な説明が評価の分かれ目となります。

ケース誠実な対応
軽微な交通違反虚偽記載(ウソを書くこと)の方がリスクが高い
罰金刑を受けた反省文+生活状況の安定性の証明が必要
執行猶予中の申請再発防止の取組みを誠実に書く
過去の記載漏れを今回訂正過去のミスを正すことが評価される可能性あり

行政書士など専門家に依頼するメリットとは?

処分歴がある場合のビザ申請では、法的な知識だけでなく、実務経験に基づく「審査官の視点」を踏まえた対応が求められます。行政書士に依頼することにより、以下のようなメリットがあります:

メリット内容
1. 記載義務の判断どの処分を記載すべきかを法令と実務の両面から判断
2. 反省文・意見書の作成支援誠意が伝わり、審査官に配慮した文書の作成サポート
3. 補足資料の整備客観的証拠や勤務証明、生活状況の報告などを整備
4. 過去申請との整合性確認記載漏れ・矛盾がないように申請全体をチェック
国際行政書士
河野(かわの)

行政書士は単なる書類代行ではなく、「ビザ取得のパートナー」として、審査官に伝えるべき情報を適切な形で整理・表現するプロフェッショナルです。

心から反省している外国人の方であれば全力でサポートしますので、まずはお気軽にご相談ください。

処分歴がある方へのメッセージ

  • 「過去に処分歴があるから…」とあきらめないでください。
  • 重要なのは、「現在の誠実な姿勢」と「日本社会の一員として誠実に生活している実態」です。
  • 正しい対応をとることで、信頼される申請を実現できます。

処分歴がある場合こそ、入国管理制度への正確な理解と、専門家のサポートが不可欠です。一人で悩まず、まずは行政書士に相談することから始めてください。許可への道は、「正確な事実」と「誠意ある準備」から開けていきます。

国際行政書士
河野(かわの)

今回の解説は以上です。弊所ではビザ申請を丁寧に!早く!手続き致します。ご不明点があればお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料! 福岡を中心に、九州、全国対応が可能で、オンライン(ZOOM、LINE、WeChat、Teamsなど)での面談も対応しております。

ビザ申請サポート福岡 外国人支援センター

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日本の永住権申請(永住ビザ申請)の取消条件と対策
日本の永住権申請(永住ビザ申請)の取消条件とは?取り消されないための対策を福岡の行政書士が解説
罰金・犯罪
永住者ビザ申請の交通違反の影響と対策について専門家の国際行政書士河野尋志が解説
永住権を申請する際の「交通違反」の影響と対策|福岡の行政書士が解説

投稿者プロフィール

国際行政書士 河野尋志
国際行政書士 河野尋志
外国人の社員さん達と一緒に企業の取締役として国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール(多言語ツール)の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。行政書士業務を始めてからは様々な在留資格(ビザ)の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えてサポート致します。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格:行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人:1976年生まれ、宮崎県出身、1男2女の父、柔道3段(今は3級くらいの実力)