留学ビザから就労ビザへ変更申請の許可率と注意点|福岡の行政書士が解説

結論:留学ビザから就労ビザへの許可率は、2023年統計では96.8%で、かなり高い確率で許可されます。ただし、100%ではありません。外国人採用に慣れた企業であれば許容できる許可率だと思いますが、初めて外国人を採用する企業にとってはどうでしょう。もし不安があれば、以下の記事を参考にしてみてください。
このブログで分かること
- 留学ビザと就労ビザとは?
- 実際の許可率(2019年〜2023年)と傾向
- 許可された国籍・職種・学歴・勤務地の傾向
- 許可されるための要件と必要書類
- 不許可になるリスクや企業が注意すべきポイント
- よくある質問(FAQ)
- 行政書士に依頼するメリット

行政書士
河野(かわの)
私の事務所がある福岡でも、特に初めて外国人材を採用する企業さんから、留学ビザから就労ビザの変更についてのお問い合わせは少なくありません。
特に留学ビザから就労ビザへの変更は、「外国人が就職する予定の会社」側で代わりに手続きすることはできないため、どのように手続きするべきか、という問い合わせが最も多いです。
福岡出入国在留管理局管内(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)の就労ビザでお困りの場合は、お気軽にご相談ください。
- 1. 留学ビザと就労ビザの違い
- 1.1. 留学ビザとは
- 1.2. 就労ビザとは
- 2. 留学ビザから就労ビザへの許可率(2019〜2023年)
- 3. 就労ビザが許可された留学生の国籍・地域(2019〜2023年)
- 4. 許可された就労ビザの種類(2019〜2023年)
- 5. 就労ビザが許可された職務内容(2023年)
- 6. 就労ビザが許可された留学生の最終学歴(2023年)
- 7. 就労ビザが許可された就職先の所在地(2023年)
- 8. 就労ビザが許可されるための要件と必要書類
- 8.1. 【変更申請の流れ】留学ビザから就労ビザへ
- 8.1.1. ステップ1:採用内定(10月〜12月頃)
- 8.1.2. ステップ2:ビザ変更許可申請(12月〜)
- 8.1.3. ステップ3:審査結果の通知(1月〜)
- 8.1.4. ステップ4:在留カードの受領(3月〜)
- 8.1.5. ステップ5:入社(4月)
- 8.1.6. ※卒業後も就職活動中の場合
- 8.2. 1. 在留資格(ビザ)の該当性の要件と必要書類
- 8.2.1. ■ 要件のポイント
- 8.2.2. ■ 就労ビザの代表的な書類
- 8.3. 2. 基準適合性の要件と必要書類
- 8.3.1. ■ 要件のポイント
- 8.3.2. ■ 代表的な書類
- 8.4. 3. 素行善良性・在留状況の適正性と必要書類
- 8.4.1. ■ 要件のポイント
- 8.4.2. ■ 代表的な書類
- 8.5. 4. 雇用企業の適格性と必要書類
- 8.5.1. ■ 要件のポイント
- 8.5.2. ■ 代表的な書類(企業が準備)
- 9. 留学生・企業が就労ビザ申請で注意すべきポイント【不許可の原因と対策】
- 9.1. 【1】留学生側の注意点と不許可の典型例
- 9.1.1. ① アルバイトのオーバーワーク
- 9.1.2. ② 出席率の低さ・成績不良
- 9.1.3. ③ 就職先と学歴の不一致
- 9.1.4. ④ 犯罪歴・違反歴がある
- 9.2. 【2】企業側の注意点と不許可リスク
- 9.2.1. ① 技人国ビザ申請で、職務内容が曖昧または単純労働に該当する
- 9.2.2. ② 学歴と職務の関連性を十分に説明できていない
- 9.2.3. ③ 給与が低い/待遇が不明確
- 9.2.4. ④ 企業としての信頼性に問題がある
- 9.3. 【3】留学生と企業、両方に共通する実務上の対策
- 10. 行政書士に依頼するメリット【実務で選ばれる理由】
- 10.1. 1. 法的要件の適合確認と事前診断
- 10.2. 2. 書類作成と整合性の最適化
- 10.3. 3. 企業側の負担軽減と信頼性向上
- 10.4. 4. 入国管理局への対応・書類提出の一括代行
- 10.5. 5. 不許可リスクの最小化と審査期間の短縮、再申請対策
- 10.6. 【行政書士に依頼するのはこんな方におすすめ】
- 11. よくある質問(FAQ)
- 12. まとめ
留学ビザから就労ビザへの許可率と注意点
留学ビザと就労ビザの違い
留学ビザとは
留学ビザは、日本の教育機関(大学・専門学校など)で学ぶために必要な在留資格(ビザ)です。資格外活動許可を得ることで週28時間までのアルバイトが可能ですが、フルタイムで働くことはできません。
就労ビザとは
就労ビザは、法律で定められた職種に基づき、日本での就労を許可する在留資格です。代表的な種類には「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「高度専門職」などがあります。
留学ビザから就労ビザへの許可率(2019〜2023年)

年 | 許可数 | 不許可数 | 許可率 |
---|---|---|---|
2019 | 30,947 | 7,764 | 79.9% |
2020 | 29,689 | 4,494 | 86.9% |
2021 | 28,974 | 2,981 | 90.7% |
2022 | 33,415 | 1,948 | 94.5% |
2023 | 41,400 | 1,386 | 96.8% |
出典:出入国在留管理庁「留学生の日本企業等への就職状況について」

行政書士
河野(かわの)
- 2023年は96.8%という高い許可率になっており、制度上、適正な申請をすれば就労ビザは取得できることが分かります。
- 2020年〜2021年は新型コロナウイルスの影響で申請件数そのものが減少し、許可率も高くはありませんでした。
- 2019年は、80%を下回るなど、非常に厳しい許可率でした。
このように、留学ビザからの就労ビザへの変更は制度的に安定してきており、適切な申請をすれば十分に許可が期待できるといえます。企業・留学生の両方がルールを正しく理解し、必要な書類と計画を整えることで許可される可能性が高まります。
就労ビザが許可された留学生の国籍・地域(2019〜2023年)

国籍・地域 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|---|---|
中国 | 11,580人 | 10,933人 | 9,331人 | 10,182人 | 13,952人 |
ベトナム | 7,030人 | 6,582人 | 6,885人 | 8,406人 | 10,343人 |
ネパール | 3,591人 | 3,552人 | 4,403人 | 5,769人 | 5,996人 |
韓国 | 1,663人 | 1,376人 | 1,117人 | 1,212人 | 1,558人 |
インドネシア | 469人 | 540人 | 608人 | 672人 | 1,088人 |
台湾 | 1,259人 | 927人 | 672人 | 740人 | 1,075人 |
スリランカ | 704人 | 1,145人 | 1,477人 | 1,347人 | 855人 |
ミャンマー | 593人 | 672人 | 614人 | 719人 | 713人 |
バングラデシュ | 467人 | 501人 | 542人 | 711人 | 651人 |
フィリピン | 447人 | 458人 | 411人 | 501人 | 504人 |
その他 | 3,144人 | 3,003人 | 2,914人 | 3,156人 | 4,665人 |
合計 | 30,947人 | 29,689人 | 28,974人 | 33,415人 | 41,400人 |
出典:出入国在留管理庁「留学生の日本企業等への就職状況について」

行政書士
河野(かわの)
- 中国人留学生は常に最多で、特に2023年には約1.4万人と大きく増加しています。
- ベトナム人留学生も年々増加しており、2019年から2023年で3,000人以上増。
- ネパール人留学生の増加も顕著で、2021年以降は5,000人以上が就労ビザを取得。
一方、韓国、台湾、インドネシアなどの国籍は緩やかな増加傾向であり、全体に対する構成比は横ばいです。
中国・ベトナム・ネパール出身者にとって日本での就労が一般化しており、日本での留学・就職一体型の動きが進んでいること推測されます。
特にこの3国は、日本国内の日本語教育機関や送り出し機関との結びつきも強く、制度的・環境的に申請に有利な支援体制が整っていることが高い許可率の要因だと考えられます。
許可された就労ビザの種類(2019〜2023年)

在留資格 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|---|---|
技術・人文知識・国際業務 | 28,595人 | 26,268人 | 24,861人 | 28,853人 | 34,078人 |
特定活動 | 316人 | 873人 | 1,696人 | 2,087人 | 2,334人 |
特定技能1号 | 0人 | 0人 | 0人 | 0人 | 1,948人 |
教授 | 640人 | 785人 | 890人 | 934人 | 981人 |
高度専門職 | 156人 | 218人 | 216人 | 362人 | 833人 |
経営・管理 | 500人 | 477人 | 554人 | 430人 | 548人 |
その他 | 740人 | 1,068人 | 757人 | 749人 | 678人 |
合計 | 30,947人 | 29,689人 | 28,974人 | 33,415人 | 41,400人 |
出典:出入国在留管理庁「留学生の日本企業等への就職状況について」

行政書士
河野(かわの)
- 「技術・人文知識・国際業務」 は全体の8割以上を占めており、最も人気の在留資格(ビザ)であることは明確です。大学や専修学校(専門学校)での専攻内容と就職先の業務内容が一致すれば、最も標準的な就労ビザの選択肢となります。
- 「特定技能1号」は前年までゼロだったものの、2023年に一気に1,948人が許可されており、今後の伸びが期待されます。これは、一定の技能試験と日本語能力試験の合格が条件で、製造・外食・介護などの現場職が中心です。
- 「高度専門職」も年々増加傾向にあり、企業がより高いスキルや研究能力を持つ人材を採用する動きが反映されています。
- 「経営・管理」での許可も一定数あり、起業希望の外国人も少なくありませんが、これは他と比べ審査が厳格です。
ほとんどの留学生が「技術・人文知識・国際業務」で申請・許可を得ているため、専攻と職務内容の整合性を重視した書類作成と説明が極めて重要になります。新たに特定技能での受入れを検討する企業は、制度理解と支援体制の整備が求められます。
就労ビザが許可された職務内容(2023年)

職務内容 | 割合 |
---|---|
翻訳・通訳 | 12.7% |
情報処理・通信技術 | 10.2% |
管理業務(経営者を除く) | 8.1% |
海外取引業務 | 4.8% |
接客(その他) | 4.6% |
法人営業 | 4.4% |
企画事務(マーケティング、リサーチ) | 3.9% |
会計事務 | 2.8% |
研究 | 2.4% |
介護福祉士 | 2.4% |
技術開発(機械器具分野) | 2.2% |
その他のサービス職業従事者(他に分類されないもの) | 2.2% |
デザイン | 1.9% |
その他 | 37.4% |
出典:出入国在留管理庁「留学生の日本企業等への就職状況について」

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- 最も多いのは「翻訳・通訳」で、これは母語と日本語の両方に通じた外国人材の強みが最も発揮されやすい職種です。日本語学校や観光業、貿易業界での需要が高い傾向があります。
- 次いで「情報処理・通信技術(IT系)」が10.2%と続き、外国人IT人材の受け入れが進んでいることが分かります。プログラマー、SEなどが中心です。
- 管理業務や営業職、マーケティング職などのビジネス系職種も比較的多く、総合職的な人材へのニーズも確認できます。
- 一方で、「その他」が37.4%を占めている点は、職種の多様化を反映しています。これは、業務内容が明確に分類しづらいベンチャー企業や中小企業での多様な役割が含まれている可能性があります。
このデータからは、語学スキル・ITスキル・ビジネス対応力のある人材が就労ビザ取得で有利であることがわかります。特に、技術・人文知識・国際業務ビザの申請時には、「学歴と職務内容・在留資格との関連性」が問われます。
「学歴と職務内容・在留資格との関連性」については、以下のページで解説しています。
就労ビザが許可された留学生の最終学歴(2023年)

最終学歴 | 構成比 |
---|---|
専修学校(専門学校など) | 39.3% |
短期大学 | 2.4% |
大学 | 34.5% |
大学院(修士) | 16.8% |
大学院(博士) | 3.6% |
その他 | 3.4% |
出典:出入国在留管理庁「留学生の日本企業等への就職状況について」

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河野(かわの)
- 最多は「専修学校(ここでは、ほぼ「専門学校」のこと)」卒業者(39.3%)で、実務に直結する職業教育が評価されていることを示しています。特にIT、ホテル、ビジネス系の専攻が人気です。
- 大学卒業者も34.5%と高く、一般的な文系・理系の専門知識を活かした就職が多い傾向です。
- 大学院修了者(修士・博士)は合わせて20.4%と一定数存在し、研究職や高度専門職での就労が想定されます。
このデータは、「大学」または「専修学校」卒業後に職務内容と関連性が明確であれば、就労ビザ取得の可能性は十分に高いことを示しています。
特に専門学校卒の方は、技術・人文知識・国際業務ビザに該当する職務との整合性が重要です。申請時に職務内容と学歴の関係を明確に示すことが、審査通過の鍵になります。
日本の専門学校を卒業した留学生の技人国ビザの許可・不許可事例について、以下のページで解説しています。
就労ビザが許可された就職先の所在地(2023年)

地域 | 構成比(割合) |
---|---|
北海道・東北 | 2.7% |
関東 | 59.3% |
中部 | 9.9% |
近畿 | 17.9% |
中国・四国 | 3.3% |
九州・沖縄 | 7.0% |
出典:出入国在留管理庁「留学生の日本企業等への就職状況について」

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河野(かわの)
最も多いのは「関東地方」で、東京都を中心とする都市圏に就職先が集中しています。これは外国人雇用に積極的な企業、ITやサービス業などの就業機会が多いことが影響しています。
私にご依頼が多い、九州・沖縄地域は、計 7.0%でした。各県の内訳は、福岡県 3.7%、佐賀県 0.3%、長崎県 0.3%、熊本県 0.6%、大分県 0.5%、宮崎県 0.2%、鹿児島県 0.3%、沖縄県 1.0%です。
就労ビザが許可されるための要件と必要書類
留学ビザから就労ビザ(主に「技術・人文知識・国際業務」など)へ在留資格(ビザ)を変更するためには、計画通りに申請を行いつつ、法的な審査基準と実務的な整合性の両方を満たす必要があります。以下では、「変更申請の流れ」と「申請が許可されるために必要な4つの要件」、それに対応する「必要書類」をまとめて解説します。
【変更申請の流れ】留学ビザから就労ビザへ
「企業から内定をもらったけれど、就労ビザの手続きは自分で行うように言われた」「初めて外国人留学生を採用するが、何から始めればよいか分からない」――こうしたお問い合わせをいただくこともあります。留学ビザから就労ビザへの変更は、内定をもらったタイミングで対応方法が異なります。以下では、例として卒業前に内定が出ている場合(4月入社を想定)の基本的な流れと注意点を解説します。
ステップ1:採用内定(10月〜12月頃)
- 留学生が企業から正式な内定通知を受け取ります。
- この段階で、本人・企業それぞれが必要書類を準備します。
- 注意:在留資格(ビザ)が変更され、許可が下りるまでは正社員として勤務することはできません(内定は可能ですがフルタイムの就労は不可)。

行政書士
河野(かわの)
入国管理局に対して、留学ビザから就労ビザへ変更申請する場合、就労する会社(外国人が就職する会社)が外国人に代わって申請することはできません、注意しましょう。とはいえ、会社側が準備するべき書類も多く、「まだ就労することが確定していない外国人」に預けにくい「会社の決算に関わる資料など」を入国管理局へ提出する必要もあります。
中には、入国管理局へ外国人と会社担当者が一緒に行き、その場で合わせて書類を提出する場合もあるようです。就労ビザ専門の行政書士にご依頼いただければ、そのような手間を省くこともできます。
ステップ2:ビザ変更許可申請(12月〜)
- 申請先:留学生の居住地または勤務予定地を管轄する入国管理局
- 提出方法:本人が直接申請、または行政書士などの申請取次者による代理提出
- 入管から追加資料の提出依頼がある場合には、速やかに対応が必要です。
ステップ3:審査結果の通知(1月〜)
- 入国管理局から審査結果が記載された通知はがきが届きます。(申請者本人の住所宛て、または申請取次者(企業等)に送付されます。)オンライン申請の場合は、メールで届きます。
- 不備がなければ、通常1〜2カ月程度で結果通知が届きます。
ステップ4:在留カードの受領(3月〜)
- 通知はがきを持参し、入国管理局で新しい在留カードを受け取ります。。オンラインの場合はメールを提示します。
- この際、卒業証明書の提出が必要になります(卒業後でなければ在留カードは発行されません)。
- 受領は本人、または申請取次者でも可能です。
ステップ5:入社(4月)
- 新しい在留カードの発行をもって、正式に就労可能な就労ビザ(在留資格)が付与されます。
- 予定通りのスケジュールで4月からの勤務が可能となります。
※卒業後も就職活動中の場合
留学生が卒業後も未内定で就職活動を続行している際は、「特定活動」への変更が必要になります。特定活動では、通常最大1年間(6カ月×2回まで)就職活動を続けることが可能です。

行政書士
河野(かわの)
留学ビザから就労ビザへの変更は、会社が代わりビザ申請できないこともあり、複数の関係者とタイミング調整が必要で、留学生本人と企業担当者の両方にとって予想以上に時間がかかり、ストレスを感じることも少なくないと思います。書類不備や手続きの遅れがあれば、入社が延期となるリスクもあります。
弊所にご依頼いただければ、書類の準備から申請、入管対応まで一括でサポートが可能です。特に初めて外国人を採用する企業や、ビザ変更が不安な留学生の方には、確実な手続きを進めるための強い味方となります。
1. 在留資格(ビザ)の該当性の要件と必要書類
■ 要件のポイント
- 申請する就労ビザの内容と、実際に従事する予定の職務内容が一致していること
- 留学生の専攻分野と職務内容との間に明確な関連性があること
特に技術・人文知識・国際業務ビザでは、学歴と業務内容との関連性が必要です。詳しくは、以下の短時間の動画でも解説しています。
■ 就労ビザの代表的な書類
書類名 | 解説 |
---|---|
職務内容説明書(企業が作成) | 技術・人文知識・国際業務ビザでは、実際の業務が「単純労働」に該当しないことを説明 |
卒業(見込)証明書 | 学歴と職務内容の関連性を確認するため |
成績証明書 | 専攻分野の具体的内容を裏付ける資料 |
2. 基準適合性の要件と必要書類
■ 要件のポイント
- 在留資格(ビザ)ごとに定められた学歴や資格、報酬条件を満たしていること
- 報酬が日本人と同等以上であること
■ 代表的な書類
書類名 | 解説 |
---|---|
雇用契約書 | 労働条件(給与、勤務時間等)を明記したもの |
会社概要資料 | 採用企業の信頼性・事業内容を確認するため |
決算書(直近年度) | 経営安定性の確認用。特に新設法人は重要 |
日本語能力証明書(任意) | N1〜N2程度が望ましい。コミュニケーション能力の証明 |

行政書士
河野(かわの)
雇用契約書や労働条件通知書については、以下のページで解説しています。
3. 素行善良性・在留状況の適正性と必要書類
■ 要件のポイント
- 留学生としての在留状況が良好であること(出席率・成績・素行)
- アルバイトの時間超過や無許可労働がないこと
■ 代表的な書類
書類名 | 解説 |
---|---|
出席率証明書 | 専門学校・日本語学校等の在籍者向けに必須 |
成績証明書 | 成績が平均的に維持されていることの証明 |
資格外活動許可証の写し | 適法にアルバイトしていたことの確認資料 |
住民票、在留カード | 住所や身分事項が一致していることを確認するため |
4. 雇用企業の適格性と必要書類
■ 要件のポイント
- 外国人を受け入れる体制・業務内容が明確であり、適正に雇用されること
- 税務・社会保険関係も整備されていること
■ 代表的な書類(企業が準備)
書類名 | 解説 |
---|---|
登記簿謄本 | 法人としての実在性・規模の確認用 |
雇用理由書 | なぜ外国人を採用するのかを具体的に説明 |
法定調書合計表(写し) | 日本人と同等の待遇があるかを確認する材料 |
源泉徴収票または給与支払実績資料 | 給与支払能力の確認用(過去実績がない場合は要注意) |

行政書士
河野(かわの)
就労ビザ申請で求められることが多い「法定調書合計表」については、以下のページで解説しています。
就労ビザ申請は、単に書類を揃えるだけではなく、「内容の整合性」と「法的要件の適合」が求められます。特に専修学校(専門学校など)卒業生や中小企業への内定者は、申請内容の精度が結果を大きく左右します。確実に申請を進めるために、行政書士へのご相談をおすすめします。
留学生・企業が就労ビザ申請で注意すべきポイント【不許可の原因と対策】
留学ビザから就労ビザへの変更申請では、形式上の条件を満たしていても、実務的な誤解や準備不足によって「不許可」となる場合があります。この章では、留学生側と企業側の代表的な注意点と対策を、それぞれ解説します。
【1】留学生側の注意点と不許可の典型例
① アルバイトのオーバーワーク
- 留学生は資格外活動許可により、週28時間以内のアルバイトが認められていますが、これを超えると資格外活動違反となります。
- 長期休業中(夏休み、冬休みなど)での週40時間以内の就労は可能ですが、通常授業期間中に週28時間を超えてしまうと、ビザ不許可だけでなく、悪質な場合は強制退去の可能性もあります。
② 出席率の低さ・成績不良
- 出席率が80%未満、または無断欠席が多い場合、「本来の留学ビザの目的を果たしていない」とみなされ、素行不良・在留状況不適正と判断される可能性があります。
- 成績不良や単位未取得も審査上マイナスです。卒業できない場合は、就労ビザ変更も認められません。
③ 就職先と学歴の不一致
- 例:IT専攻で飲食店のホール業務に内定 →技術・人文知識・国際業務ビザ申請→ 単純労働と判断され「在留資格該当性なし」で不許可となる可能性があります。
- 技術・人文知識・国際業務ビザの場合は、申請前に「業務内容が専攻と関連しているか」を必ず確認する必要があります。
④ 犯罪歴・違反歴がある
- 万引き、無免許運転など悪質な法律違反だけでなく、軽微な交通違反なども、素行不良と見なされる可能性があります。
- 軽微な違反でも複数回あると審査に影響を及ぼすため、法律違反歴のある方の申請は十分な注意が必要です。
【2】企業側の注意点と不許可リスク
① 技人国ビザ申請で、職務内容が曖昧または単純労働に該当する
- 技術・人文知識・国際業務ビザ申請の場合、「単純労働」(例:レジ、掃除、搬送作業など)と判断された場合は不許可。
- 例:飲食店での接客業務 ⇒ 翻訳・通訳、外国人向け接客対応などの付加的業務を明確化すれば許可される可能性あり。
② 学歴と職務の関連性を十分に説明できていない
- 技術・人文知識・国際業務ビザ申請の場合、大学や専門学校で学んだ内容と、実際の職務内容が乖離していると、「該当性なし」で却下される可能性があります。
- 審査では「なぜこの業務にこの人材が必要か」という採用理由の説明資料を提出することをおすすめします。
③ 給与が低い/待遇が不明確
- 外国人労働者にも「日本人と同等以上の待遇」が求められます。
- 月給が極端に安い、労働時間・休暇・福利厚生の説明が不十分な場合、違法就労の助長とみなされる恐れがあります。
④ 企業としての信頼性に問題がある
- 設立間もない法人、直近の決算が赤字などの場合は「事業の継続性」に疑義が持たれることがあります。
- その場合は、事業計画書や直近の受注書類、業務拡大計画等の提出が求められることもあります。
【3】留学生と企業、両方に共通する実務上の対策
リスク要因 | 対策方法 |
---|---|
職務内容が曖昧 | 職務記述書を作成し、ビザに該当する業務であることを明記 |
学歴と業務が合っていない | 履修内容やシラバスを添付して関連性を補足 |
書類の不備 | 行政書士による事前チェックで形式・内容を最適化 |
企業情報が不十分 | 会社案内・登記簿・決算書・雇用理由書を丁寧に整備 |

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河野(かわの)
留学生のビザ申請は、一見単純に見えても「説明の組み立て方」「職務の定義」「学歴との整合性」など、見落としやすい要素が多くありますので、注意しましょう。
その他、就労ビザにおける外国人雇用企業と外国人社員の義務については、以下のページで解説しています。
行政書士に依頼するメリット【実務で選ばれる理由】
留学ビザから就労ビザへの変更申請は、一見すると単なる書類手続きのように思えますが、実際には的確な判断と戦略的な説明資料の整備が求められる業務です。行政書士など専門家に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
1. 法的要件の適合確認と事前診断
- 申請予定の在留資格(ビザ)に対し、申請者の学歴・職歴・業務内容が適合しているかを事前に判断できます。
- 特に「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」などは、該当性の判断が難しいため、専門的な目で不許可リスクを洗い出すことが可能です。
2. 書類作成と整合性の最適化
- 申請書の記載ミスや漏れ、不自然な説明は不許可の原因になります。行政書士は、書類一式の記載内容を統一し、論理的に整合性の取れた構成に仕上げます。
- 雇用理由書や職務内容説明書といった自由記述書類は、業務内容を「在留資格該当性」に沿って表現するノウハウが不可欠で、専門職である行政書士の強みが発揮されます。
3. 企業側の負担軽減と信頼性向上
- 企業が初めて外国人を採用する場合、どの書類を揃えるべきか、何を説明すべきか不安を感じることもあると思います。行政書士など専門家は、企業側の書類整備・記載方法・法的義務の説明をサポートします。
- ビザ変更申請の後には、早ければ1年後に「更新申請」が待っています。「変更申請」の書類を適切に保管し、「更新申請」に備えることも重要です。行政書士は「更新申請」から「変更申請」まで一貫したサポートが可能です。
4. 入国管理局への対応・書類提出の一括代行
- 入国管理局の申請取次資格を持つ行政書士は、企業や留学生にかわって入国管理局に申請を代理提出することが可能です。
- 忙しい外国人本人や企業担当者が入管に何度も足を運ぶ必要がなく、時間と手間を大幅に削減できます。
5. 不許可リスクの最小化と審査期間の短縮、再申請対策
- 行政書士など専門家は、過去の審査例や法務省のガイドライン、現場での実務情報をもとに、申請前に不許可リスクを分析し、補強策を提案します。
- 就労ビザへの変更申請は、通常、審査結果ができるまで1〜2ヶ月かかります。専門家にお任せいただければ、必須書類だけでなく、「入国管理局から求められるであろう書類」を先読みして提出することで、入国管理局から「追加書類」を求められる可能性が低いため、審査期間を短縮することができます。
- 万が一、不許可となった場合にも、理由の精査と再申請に向けた対策資料の整備が可能です。
【行政書士に依頼するのはこんな方におすすめ】
- 専門学校卒・短大卒で、学歴と職務の関連性に不安がある
- 企業側が外国人雇用に慣れていない
- できるだけ書類作成をスムーズに手間をかけずに進めたい
- 審査期間をできるだけ短くしたい
- 日本語能力や資格要件を補足的に説明したい
- 初めての在留資格変更で、全体の流れがわからない
- 過去に不許可歴がある

行政書士
河野(かわの)
安心して申請を進めたいなら専門家へご相談を
留学ビザからの就労ビザへの変更申請は、本人の将来と企業の採用計画の両方に直結する重要な手続きです。書類に不備がなくても、説明不足や要件の解釈ミスにより審査期間が長引いたり、最悪、不許可になることもありえます。
行政書士など専門家に依頼することで、的確な戦略設計と丁寧な書類作成が可能となります。もし不安があれば専門家のサポートを活用し、確実なビザ取得を目指しましょう。ご不明点があればお気軽にお問い合わせください。初回ご相談は無料!オンラインでの面談にも対応しております。
よくある質問(FAQ)
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卒業前でも就労ビザに変更できますか?
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卒業見込み証明書が発行されていれば、在学中に就職内定を得て就労ビザへの変更申請は可能です。ただし、実際の在留資格変更は卒業後に許可が下りるため、申請時期と在留期間に注意が必要です。
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専門学校卒でも就労ビザを取れますか?
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「専門士」の称号が付与される専修学校専門課程を修了していれば可能です。技術・人文知識・国際業務ビザの場合は、その専攻内容と就職する職務内容に明確な関連性が必要なので注意しましょう。関連性が薄いと不許可のリスクがあります。
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アルバイトの時間を少しオーバーしただけでも不許可になりますか?
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少しの超過であっても、「資格外活動違反」として不許可の理由になることがあります。特に何度も超過している場合や、週40時間以上の長時間労働は思い違反と見なされるため、注意が必要です。
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就職活動中の場合はどうすればいいですか?
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卒業時に内定がない場合は、「特定活動(就職活動)」への在留資格変更を申請する必要があります。この資格で最大1年間(6カ月×2回まで)就職活動を続けることが可能です。
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学歴と関係のない職種に就職したい場合、就労ビザは取れますか?
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技術・人文知識・国際業務ビザの場合は不可ですが、特定技能ビザや経営管理ビザなどであれば学歴は求められないのでビザを取得できる可能性はあります。
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日本語能力試験(JLPT)の合格は必須ですか?
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必須ではありませんが、N1またはN2相当の日本語力を証明できると審査において有利と考えられています。職務内容によっては、顧客対応や契約書の理解が求められるため、日本語能力を裏付ける合格証などがあるとより良いです。
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内定先が設立間もない企業でも大丈夫ですか?
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可能ですが、決算書が無い、赤字が続いている企業は「安定性・継続性」が疑われるため、追加資料の提出が求められる可能性があります。事業計画書や受注実績、役員の経歴書などを用意すると良いでしょう。
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ビザ申請が不許可になった場合、どうすればいいですか?
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不許可通知書に記載された理由を確認し、不足資料の補完や説明内容の見直しを行えば、再申請が可能です。自己判断での再申請はリスクがあるため、行政書士など専門家に相談することをおすすめします。
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申請から許可が下りるまで、どれくらいかかりますか?
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通常は1ヶ月〜2ヶ月程度が目安です。ただし、申請内容に不備がある場合や審査が混雑している時期には、2ヶ月以上かかる場合もあります。早めの準備と申請が重要です。
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企業が外国人を初めて採用する場合、注意点はありますか?
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企業も審査対象となります。特に以下が重要です:
- 採用理由の明確化
- 職務内容の具体性
- 日本人と同等の給与体系
- 社会保険などへの適正な加入
行政書士は、企業側の準備支援も含めて対応可能です。
まとめ
留学ビザから就労ビザへの変更は、制度を正しく理解し、準備をしっかりすれば高い確率で許可が得られます。しかし、注意点を見落とすと追加書類を求められるなど余計な手間がかかり、審査期間が長引き、最悪の場合は不許可になります。
弊所では企業様と留学生の間に立ち、法的要件を満たした申請書類の作成をサポートしております。スムーズなビザ変更をご希望の方は、ぜひご相談ください。

行政書士
河野
今回の解説は以上です。弊所のサービス内容や価格、手続きの流れ、許可の可能性診断につきまして無料相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。オンライン(ZOOM、LINE、WeChat、Teamsなど)での面談も対応しております。

国際行政書士 河野尋志プロフィール
企業の取締役として外国人の社員さんと一緒に国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール(多言語ツール)の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。また行政書士業務を始めてからは、様々な在留資格(ビザ)の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えてサポート致します。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格:行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人:1976年生まれ、宮崎県出身、1男2女の父、柔道3段(今は3級くらいの実力)
以下は、技術・人文知識・国際業務ビザなど就労ビザ申請に関する情報一覧です。気になる情報があれば是非ご覧ください。