2025年4月29日 / 最終更新日 : 2025年6月8日国際行政書士河野尋志特定技能ビザ

特定技能１号［就労ルート］ベトナム篇（2024年6月〜12月統計）｜就労ビザ専門の福岡の行政書士が集計

この記事では、以下の出入国在留管理庁が提供している最新データ（速報値）をもとに、特定技能１号「ベトナム人材」の分野別・就労ルート別の増加状況（2024年6月末から12月末の半年間）を独自に集計してお伝え致します。

https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00215.html

私が主に対応している福岡出入国在留管理局の管轄地域（福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄）でも、ベトナム人材をはじめとする特定技能外国人の受け入れが年々増加しています。外国人材採用を検討中の企業様、人手不足対策として外国人材の活用をお考えの皆さまにとって、有益な最新情報をお届けします。

特定技能１号｜総数１位、増加数３位の「ベトナム人材」の分野別の就労ルートを解析

総数は圧倒的１位の「ベトナム人材」は増加数３位

特定技能１号の「試験ルート」と「技能実習ルート」の違いは？

特定技能１号には大きく２つのルートがあります。それが「試験ルート」と「技能実習ルート」です。

試験ルートとは？

「試験ルート」は、日本政府が実施する技能試験と、日本語能力試験（または同等の日本語試験）に合格することによって、特定技能１号の在留資格を得るルートです。外国人材が特定技能ビザを取得して就労するためのスキルと日本語能力を証明する方式で、技能実習の経験がない方でも挑戦できるのが特徴です。

▼ ポイント

技能試験と日本語試験に合格すればOK
実務経験なしでも受験可能
分野ごとに試験が用意されている

技能実習ルートとは？

技能実習２号を良好に修了した外国人材が、追加の試験を受けずに特定技能１号へ移行できるルートです。技能実習中に日本で実務経験を積んだ実績を評価するため、別途技能試験は不要（日本語能力も基本的に確認不要）で、スムーズに在留資格変更ができます。

▼ ポイント

技能実習２号を修了していることが条件
技能試験・日本語試験は免除される
実務経験があるため、即戦力として期待される

まとめ：「試験ルート」と「技能実習ルート」の違い

ルート	取得方法	特徴
試験ルート	主に技能試験＋日本語試験に合格	未経験者もチャレンジ可能
技能実習ルート	技能実習２号を良好に修了	実務経験あり・試験免除

特定技能１号と２号の違いについては、以下のページで説明しています。

「「特定技能ビザ」１号と２号の違い」について

ベトナム人材の特定技能１号就労ルート別・増加数（2024年6月末 → 12月末）

16分野全て	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
全体	126,740人	132,920人	6,180人
試験ルート	35,285人	38,848人	3,563人
技能実習ルート	91,389人	93,999人	2,610人

※介護福祉士養成施設修了ルート、EPA介護福祉士候補者ルートは少数のため省略いたします。

●総数では圧倒的に１位のベトナム人材（132,920人）は、増加数で３位の＋6,180人でした。特に注目すべきは、試験ルートと技能実習ルートの両方でバランスよく増加している点です。
●試験ルートでは＋3,563人と順調な伸びを見せており、特定技能試験に合格して直接就労するパターンが着実に広がっています。
●一方、技能実習ルートも＋2,610人と堅実な増加を維持しており、技能実習から特定技能への移行モデルも依然として強い影響力を持っています。
●ベトナムは今後も、特定技能１号分野において最重要な送り出し国であり続けると予想されます。

特定技能１号の国別ランキング・増加分析（2024年6月末から12月末の半年間）については、以下のページをご覧ください。

特定技能ビザ1号の上位14ヶ国ランキング

以降では、特定技能１号「ベトナム人材」の16分野それぞれの就労ルート別の増減数を見ていきます。

特定技能１号「介護分野」の就労ルート

介護分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	6,138人	6,380人	242人
技能実習ルート	2,828人	2,523人	-305人

※介護福祉士養成施設修了ルート、EPA介護福祉士候補者ルートは少数のため省略いたします。

介護分野では、合計で−60人となり特に技能実習ルートが減少しましたが、一部は在留資格「介護」に移行したものと思われます。

特定技能１号「ビルクリーニング分野」の就労ルート

ビルクリーニング分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	332人	371人	39人
技能実習ルート	1,507人	1,472人	-35人

特定技能１号「工業製品製造業分野」の就労ルート

工業製品製造業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	483人	356人	-127人
技能実習ルート	26,116人	26,292人	176人

特定技能１号「建設分野」の就労ルート

建設分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	353人	400人	47人
技能実習ルート	20,881人	24,717人	3,836人

建設分野では、２位のフィリピン人材（＋944人）を大きく引き離して、ぶっちぎり１位の増加数を記録しました。特に技能実習ルートでは3,836人もの大幅な増加があり、建設分野におけるベトナム人材の受入れの中心となっています。
試験ルートも47人の増加と着実に伸びてはいるものの、全体に占める割合はまだ小さく、現状では技能実習修了者から特定技能へ移行するパターンが主流です。
今後は、試験ルートによる直接就労者の増加にも期待しつつ、技能実習からのスムーズな移行支援を引き続き強化することが重要です。

特定技能１号「造船・舶用工業分野」の就労ルート

造船・舶用工業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	11人	16人	5人
技能実習ルート	1,365人	1,510人	145人

特定技能１号「自動車整備分野」の就労ルート

自動車整備分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	253人	295人	42人
技能実習ルート	1,083人	1,090人	7人

特定技能１号「航空分野」の就労ルート

航空分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	164人	190人	26人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「宿泊分野」の就労ルート

就労ルート	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	108人	113人	5人
技能実習ルート	32人	29人	-3人

特定技能１号「自動車運送業分野」の就労ルート

自動車運送業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「鉄道分野」の就労ルート

鉄道分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	1人	1人

鉄道分野では、技能実習ルートからたった１人の増加となりましたが、期間中（2024年6月末〜12月末）、特定技能１号の鉄道分野で就労したただ1人がこのベトナム人材です（※速報値）。たった1人ではありますが、大きな一歩となる可能性があります。

特定技能１号「農業分野」の就労ルート

就労ルート	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	2,389人	2,617人	228人
技能実習ルート	6,115人	5,835人	-280人

特定技能１号「漁業分野」の就労ルート

就労ルート	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	29人	33人	4人
技能実習ルート	410人	416人	6人

特定技能１号「飲食料品製造業分野」の就労ルート

就労ルート	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	16,300人	17,816人	1,516人
技能実習ルート	30,614人	29,676人	-938人

飲食料品製造業分野では、特定技能１号ベトナム人材において試験ルートと技能実習ルートで明暗が分かれる結果となりました。
試験ルートでは1,516人の大幅増加が見られ、試験合格による直接就労が急速に広がっています。一方、技能実習ルートは938人の減少となり、実習経験者からの移行が減少傾向にあることが分かります。
今後も、飲食料品製造業分野では試験ルート合格者を中心とした人材確保が主流となる可能性があります。

特定技能１号「外食業分野」の就労ルート

就労ルート	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	8,725人	10,261人	1,536人
技能実習ルート	438人	438人	0人

試験ルートでは1,536人の増加を記録し、特定技能試験合格者が外食業界への新たな戦力として急速に増えています。一方、技能実習ルートは変動ゼロであり、依然として試験ルート主導での受入れが進んでいる状況です。
今後も、外食業分野では試験合格者確保と定着支援が重要なテーマになっていくと予想されます。

特定技能１号「林業分野」の就労ルート

林業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「木材産業分野」の就労ルート

木材産業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「ベトナム人材」の分野別・増加分析（2024年6月末から12月末の半年間）については、以下のページをご覧ください。

特定技能１号「ベトナム人材」の分野別・増加分析

特定技能外国人材の雇用を検討している企業様へ

外国人材の活用は、日本の人手不足を補うだけでなく、職場の多様性を高める効果もあります。

弊所では、以下のようなサポートを行っています。

在留資格「特定技能1号・2号」の申請手続きサポート
技能実習から特定技能への切り替え申請手続き
登録支援機関との連携支援
福岡出入国在留管理局管内（福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄）への申請代行・書類作成

九州・沖縄で外国人材の雇用をご検討中の企業様は、ぜひ弊所にご相談ください。

以下は、特定技能１号人材を福岡で採用する場合の弊所のサポートを説明したページです。九州・沖縄全てに対応していますので、お気軽にご相談ください。

福岡県で特定技能ビザ申請代行をご依頼いただく場合の流れ

【まとめ】特定技能１号ベトナム人材、就労ルート別の増加動向（2024年6月末～12月末）

2024年後半、特定技能１号におけるベトナム人材の動向は、安定した増加を示しました。この半年間で、全体として6,180人増加し、引き続きベトナムが特定技能制度の中核的な送り出し国であることが裏付けられました。インドネシアが「NEXTベトナム」といわれてはいますが、まだまだ大きな存在感を示す結果となりました。

【全体動向】

試験ルート増加数：3,563人
技能実習ルート増加数：2,610人
両ルートともにプラス成長を記録

試験ルートと技能実習ルートの両方が増加しましたが、試験ルートの伸びがやや優勢となっています。
これは、ベトナム国内での特定技能試験の普及と、日本語教育の充実が進んでいることが背景にあると考えられます。

【分野別ポイント】

外食業、飲食料品製造業、農業分野で試験ルート主導の増加が顕著
建設、造船、造船・舶用工業分野では技能実習ルート中心に着実な増加
航空分野では、試験ルートを通じた少人数受入れが進行中

特に飲食料品製造業では、技能実習ルートの減少が進む一方で、試験ルートからの新規流入が急増しており、今後も試験合格者中心の受入れが拡大すると予測されます。

ポイントまとめ

ベトナム人材は試験ルート・技能実習ルートの両輪で増加
分野別に試験ルートシフト型と技能実習ルート依存型に二極化
今後も試験合格者の確保と受入企業側の支援体制整備が重要

ベトナム人材は、特定技能制度を支える重要な存在であり、今後もその役割はさらに大きくなっていくでしょう。

今回の説明は以上です。ビザ申請サポート福岡外国人支援センター（国際行政書士河野尋志）ではビザ申請を丁寧に！早く！手続き致します。

ご不明点があればお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料！

無料相談のお申し込みはコチラ

国際行政書士河野尋志プロフィール
企業の取締役として外国人の社員さんと一緒に国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール（多言語ツール）の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。また行政書士業務を始めてからは、様々な在留資格（ビザ）の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えてサポート致します。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格：行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人：1976年生まれ、宮崎県出身、1男2女の父、柔道３段（今は３級くらいの実力）

以下は、特定技能ビザ申請に関する情報一覧です。気になる情報があれば是非ご覧ください。

特定技能ビザ