特定技能1号[就労ルート]スリランカ・カンボジア・タイ篇(2024年6月〜12月統計)|就労ビザ専門の福岡の行政書士が集計

この記事では、以下の出入国在留管理庁が提供している最新データ(速報値)をもとに、特定技能1号のスリランカ人材・カンボジア人材・タイ人材の分野別・就労ルート別の増加状況(2024年6月末から12月末の半年間)を独自に集計してお伝え致します。
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00215.html

行政書士
河野尋志
私が主に対応している福岡出入国在留管理局の管轄地域(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)でも、スリランカ・カンボジア・タイ人材をはじめとする特定技能外国人の受け入れが年々増加しています。外国人材採用を検討中の企業様、人手不足対策として外国人材の活用をお考えの皆さまにとって、有益な最新情報をお届けします。
特定技能1号|スリランカ・カンボジア・タイの分野別の就労ルートを解析
そもそも特定技能1号の就労ルート(試験ルート・技能実習ルート)の違いとは?
特定技能1号には大きく2つの就労ルートがあります。それが「試験ルート」と「技能実習ルート」です。
試験ルートとは?
「試験ルート」は、日本政府が実施する技能試験と、日本語能力試験(または同等の日本語試験)に合格することによって、特定技能1号の在留資格を得るルートです。外国人材が特定技能ビザを取得して就労するためのスキルと日本語能力を証明する方式で、技能実習の経験がない方でも挑戦できるのが特徴です。
▼ ポイント
- 技能試験と日本語試験に合格すればOK
- 実務経験なしでも受験可能
- 分野ごとに試験が用意されている
技能実習ルートとは?
技能実習2号を良好に修了した外国人材が、追加の試験を受けずに特定技能1号へ移行できるルートです。技能実習中に日本で実務経験を積んだ実績を評価するため、別途技能試験は不要(日本語能力も基本的に確認不要)で、スムーズに在留資格変更ができます。
▼ ポイント
- 技能実習2号を修了していることが条件
- 技能試験・日本語試験は免除される
- 実務経験があるため、即戦力として期待される
まとめ:「試験ルート」と「技能実習ルート」の違い
ルート | 取得方法 | 特徴 |
---|---|---|
試験ルート | 主に技能試験+日本語試験に合格 | 未経験者もチャレンジ可能 |
技能実習ルート | 技能実習2号を良好に修了 | 実務経験あり・試験免除 |
特定技能1号と2号の違いについては、以下のページで説明しています。
スリランカ人材の特定技能1号主な分野の就労ルート・増加数(2024年6月末 → 12月末)
就労ルート | 2024年6月末人数 | 2024年12月末人数 | 増加数 |
---|---|---|---|
全体 | 1,522人 | 2,190人 | 668人 |
試験ルート | 1,012人 | 1,647人 | 635人 |
技能実習ルート | 507人 | 540人 | 33人 |
※介護福祉士養成施設修了ルート、EPA介護福祉士候補者ルートは少数のため省略いたします。

行政書士
河野尋志
2024年後半、スリランカ人材の特定技能1号就労者数は全体で668人増加と堅調な伸びを見せました。特に注目すべきは試験ルートでの増加が635人と、全体の約95%を占めており、スリランカでは試験合格型の人材供給が主流となっています。
ポイントまとめ
- 試験ルートが中心だが、技能実習ルートも併用されている
- スリランカは特定技能制度に積極的に対応している国の一つ
- 今後も試験合格者をベースとした人材受入れが拡大見込み
語学力と専門スキルの両面でバランスが取れているスリランカ人材は、今後さらに幅広い分野での活躍が期待されます。
スリランカ人材 特定技能1号「介護分野」の就労ルート
介護分野 | 2024年6月末人数 | 2024年12月末人数 | 増加数 |
---|---|---|---|
試験ルート | 341人 | 567人 | +226人 |
技能実習ルート | 78人 | 71人 | -7人 |
※介護福祉士養成施設修了ルート、EPA介護福祉士候補者ルートは少数のため省略いたします。

行政書士
河野尋志
2024年後半、スリランカ人材の介護分野における特定技能就労者数は226人増加し、全体の拡大を大きく牽引しました。この増加はすべて試験ルートからの新規就労によるもので、スリランカでは試験ルートによる介護人材育成が主流であることが分かります。一方、技能実習ルートはわずかに減少(-7人)しており、今後は試験ルートへの一本化がさらに進む可能性があります。
スリランカ人材 特定技能1号「外食業分野」の就労ルート
外食業分野 | 2024年6月末人数 | 2024年12月末人数 | 増加数 |
---|---|---|---|
試験ルート | 464人 | 735人 | +271人 |
技能実習ルート | 3人 | 3人 | 0人 |

行政書士
河野尋志
2024年後半、スリランカ人材の外食業分野における特定技能就労は271人の増加を記録しました。
この増加はすべて試験ルートからの受入れであり、技能実習ルートは一切変動なしという、非常に明確な構造となっています。外食分野は日本語能力や接客スキルが重視される業種であり、スリランカにおける日本語教育やホスピタリティ分野への適性が、直接受入れの拡大につながっていると考えられます。
カンボジア人材の特定技能1号 主な分野の就労ルート・増加数(2024年6月末 → 12月末)
就労ルート(特定技能1号16分野全体) | 2024年6月末人数 | 2024年12月末人数 | 増加数 |
---|---|---|---|
全体 | 5,461人 | 5,999人 | 538人 |
試験ルート | 1,490人 | 1,754人 | 264人 |
技能実習ルート | 3,971人 | 4,243人 | 272人 |
※介護福祉士養成施設修了ルート、EPA介護福祉士候補者ルートは少数のため省略いたします。

行政書士
河野尋志
カンボジア人材の特定技能1号における受入れは、2024年後半に538人増加し、引き続き安定的な成長を続けています。注目すべきは、試験ルート(+264人)と技能実習ルート(+272人)の増加がほぼ同水準である点です。これは、カンボジアが技能実習制度による基盤を持ちながら、試験ルートでの直接受入れも積極的に進めていることを示しており、両ルートをバランス良く活用している国といえます。
ポイントまとめ
- 試験ルートと技能実習ルートがほぼ同数で拡大
- 移行型と直接型を併用する柔軟な受入れ構造
- 特定技能制度におけるモデル的な運用事例の一つ
今後も、現地での教育支援や日本側の受入れ体制整備が進めば、さらなる人材拡大が期待されます。
カンボジア人材 特定技能1号「建設分野」の就労ルート
建設分野 | 2024年6月末人数 | 2024年12月末人数 | 増加数 |
---|---|---|---|
試験ルート | 8人 | 12人 | +4人 |
技能実習ルート | 930人 | 1,159人 | +229人 |

行政書士
河野尋志
2024年後半、カンボジア人材の建設分野における特定技能就労は233人の増加となりました。
そのうち約98%にあたる229人が技能実習ルートからの移行であり、試験ルートでの増加はわずか4人にとどまっています。このデータは、カンボジア人材が建設分野においては依然として技能実習→特定技能への移行モデルに強く依存していることを示しています。
カンボジア人材 特定技能1号「農業分野」の就労ルート
農業分野 | 2024年6月末人数 | 2024年12月末人数 | 増加数 |
---|---|---|---|
試験ルート | 1,048人 | 1,181人 | +133人 |
技能実習ルート | 1,577人 | 1,592人 | +15人 |

行政書士
河野尋志
2024年後半、カンボジア人材の農業分野における特定技能就労は158人の増加となりました。この数字は少なく見えるかもしれませんが、1位のインドネシア人材(+868人)に次ぐ2位の増加数です。
増加数のうち約9割にあたる133人が試験ルートでの増加となっており、この分野における試験ルートの重要性が高まっていることが明らかです。一方、技能実習ルートの増加はわずか15人で、横ばいに近い状況が続いています。これは、農業分野では今後、試験ルートによる新規人材の確保が主流になっていく兆しといえます。
タイ人材の特定技能1号 主な分野の就労ルート別・増加数(2024年6月末 → 12月末)
就労ルート(特定技能1号16分野全体) | 2024年6月末人数 | 2024年12月末人数 | 増加数 |
---|---|---|---|
全体 | 5,174人 | 5,563人 | 389人 |
試験ルート | 784人 | 921人 | 137人 |
技能実習ルート | 4,388人 | 4,640人 | 252人 |
※介護福祉士養成施設修了ルート、EPA介護福祉士候補者ルートは少数のため省略いたします。

行政書士
河野尋志
2024年後半、タイ人材の特定技能1号における就労者数は全体で389人増加と、安定した拡大を見せました。内訳を見ると、技能実習ルートが252人増と全体の約65%を占めており、依然として技能実習からの移行が主力であることがわかります。一方で、試験ルートも137人の増加があり、今後の拡大に向けた基盤形成も進んでいることがうかがえます。
ポイントまとめ
- 技能実習ルートが主軸(65%超)
- 試験ルートも確実に増加し、今後の成長余地大
- 両ルートを併用した安定的な人材供給構造
今後は、試験ルートへの支援強化とともに、技能実習修了者の円滑な移行支援が継続的な課題となります。
タイ人材 特定技能1号「工業製品製造業分野」の就労ルート
工業製品製造業分野 | 2024年6月末人数 | 2024年12月末人数 | 増加数 |
---|---|---|---|
試験ルート | 17人 | 16人 | -1人 |
技能実習ルート | 1,697人 | 1,819人 | +122人 |

行政書士
河野尋志
工業製品製造業分野におけるタイ人材の特定技能就労は、2024年後半に121人増加し、1位のインドネシア(+551人)、2位のフィリピン(+232人)、3位の中国(+197人)に続く4位の増加数でした。
この増加はすべて技能実習ルートによるものであり、試験ルートはむしろ1人減少しています。これは、タイにおいて製造系の技能実習制度が長年活用されてきた実績がある一方、試験ルートによる新規就労の広がりがまだ限定的であることを示しています。
タイ人材 特定技能1号「自動車整備分野」の就労ルート
自動車整備分野 | 2024年6月末人数 | 2024年12月末人数 | 増加数 |
---|---|---|---|
試験ルート | 10人 | 17人 | +7人 |
技能実習ルート | 24人 | 35人 | +11人 |

行政書士
河野尋志
自動車整備分野における特定技能1号のタイ人材は、2024年後半に合計18人増加し、1位のインドネシア(+57人)、2位のフィリピン(+52人)、3位のベトナム(+50人)に続く4位の増加数でした。
技能実習ルートからの移行が11人増と主力を占めつつ、試験ルートも7人増加しており、両ルートからの受入れが進んでいる分野となっています。タイは自動車産業の人材育成が進んでおり、特定技能との親和性が高いため、今後も人材の供給元として注目されます。
特定技能1号の国別ランキング・増加分析(2024年6月末から12月末の半年間)については、以下のページをご覧ください。
特定技能1号スリランカ人材・カンボジア人材・タイ人材の分野別・増加分析(2024年6月末から12月末の半年間)については、以下のページをご覧ください。
特定技能外国人材の雇用を検討している企業様へ
外国人材の活用は、日本の人手不足を補うだけでなく、職場の多様性を高める効果もあります。

行政書士
河野尋志
弊所では、以下のようなサポートを行っています。
- 在留資格「特定技能1号・2号」の申請手続きサポート
- 技能実習から特定技能への切り替え申請手続き
- 登録支援機関との連携支援
- 福岡出入国在留管理局管内(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)への申請代行・書類作成
九州・沖縄で外国人材の雇用をご検討中の企業様は、ぜひ弊所にご相談ください。
以下は、特定技能1号人材を福岡で採用する場合の弊所のサポートを説明したページです。九州・沖縄全てに対応していますので、お気軽にご相談ください。
【まとめ】特定技能1号スリランカ・カンボジア・タイ人材、就労ルート別の増加動向(2024年6月末~12月末)
2024年6月末から12月末にかけて、スリランカ・カンボジア・タイの3か国からの特定技能1号人材はそれぞれ着実に増加を記録しました。それぞれの国において就労ルートの特徴が明確に分かれているのが、今回の集計で見えてきたポイントです。
✅ スリランカ:試験ルート型の代表格
- 全体増加数:+668人
- うち試験ルート:+635人(約95%)
- 介護・外食業など日本語力や専門性が問われる分野での就労が主力。
- 技能実習ルートからの移行は少数にとどまり、今後も試験ルート主体の拡大が続く見込み。
✅ カンボジア:試験・技能実習の“バランス型”
- 全体増加数:+538人
- 試験ルート:+264人、技能実習ルート:+272人
- 建設では技能実習からの移行が多く、農業では試験ルートも健闘。
✅ タイ:技能実習ルートも増加しつつ、試験ルートも伸び始め
- 全体増加数:+389人
- 試験ルート:+137人、技能実習ルート:+252人
- 工業製品製造業では技能実習ルートが中心。
- 一方で、自動車整備など一部分野では試験ルートの拡大傾向も見られる。
🔍【総括】
この3か国の比較から、各国の制度活用パターンが次のように整理できます:
国名 | 特徴的なルート | 主な分野 |
---|---|---|
スリランカ | 試験ルート型 | 介護、外食など |
カンボジア | 両ルート併用型 | 建設、農業など |
タイ | 技能実習主導型 | 製造業、自動車整備など |
特定技能制度の活用にあたっては、国ごとの人材供給特性を踏まえた分野別戦略が不可欠です。今後も、ルート別・分野別の適正なマッチングと、日本側での受入れ体制の整備が制度の安定運用の鍵になると予想されます。
今回の説明は以上です。ビザ申請サポート福岡 外国人支援センター(国際行政書士 河野尋志)ではビザ申請を丁寧に!早く!手続き致します。

行政書士
河野(かわの)
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国際行政書士 河野尋志プロフィール
企業の取締役として外国人の社員さんと一緒に国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール(多言語ツール)の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。また行政書士業務を始めてからは、様々な在留資格(ビザ)の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えてサポート致します。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格:行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人:1976年生まれ、宮崎県出身、1男2女の父、柔道3段(今は3級くらいの実力)
以下は、特定技能ビザ申請に関する情報一覧です。気になる情報があれば是非ご覧ください。
【速報】特定技能に新たに3分野が追加予定|福岡の就労ビザ専門行政書士が解説

行政書士
河野
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