この記事では、以下の出入国在留管理庁が提供している最新データ（速報値）をもとに、特定技能１号「ネパール人材」の分野別・就労ルート別の増加状況（2024年6月末から12月末の半年間）を独自に集計してお伝え致します。

https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00215.html

特定技能１号｜総数・増加数ともに６位の「ネパール人材」の分野別の就労ルートを解析

総数は６位の「ネパール人材」は増加数も６位

特定技能１号の「試験ルート」と「技能実習ルート」の違いは？

特定技能１号には大きく２つの就労ルートがあります。それが「試験ルート」と「技能実習ルート」です。

試験ルートとは？

「試験ルート」は、日本政府が実施する技能試験と、日本語能力試験（または同等の日本語試験）に合格することによって、特定技能１号の在留資格を得るルートです。外国人材が特定技能ビザを取得して就労するためのスキルと日本語能力を証明する方式で、技能実習の経験がない方でも挑戦できるのが特徴です。

▼ ポイント

• 技能試験と日本語試験に合格すればOK
• 実務経験なしでも受験可能
• 分野ごとに試験が用意されている

技能実習ルートとは？

技能実習２号を良好に修了した外国人材が、追加の試験を受けずに特定技能１号へ移行できるルートです。技能実習中に日本で実務経験を積んだ実績を評価するため、別途技能試験は不要（日本語能力も基本的に確認不要）で、スムーズに在留資格変更ができます。

▼ ポイント

• 技能実習２号を修了していることが条件
• 技能試験・日本語試験は免除される
• 実務経験があるため、即戦力として期待される

まとめ：「試験ルート」と「技能実習ルート」の違い

ルート	取得方法	特徴
試験ルート	主に技能試験＋日本語試験に合格	未経験者もチャレンジ可能
技能実習ルート	技能実習２号を良好に修了	実務経験あり・試験免除

特定技能１号と２号の違いについては、以下のページで説明しています。

ネパール人材の特定技能１号 就労ルート別・増加数（2024年6月末 → 12月末）

就労ルート	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
全体	5,383人	7,003人	1,620人
試験ルート	5,093人	6,713人	1,620人
技能実習ルート	290人	289人	-1人

※介護福祉士養成施設修了ルート、EPA介護福祉士候補者ルートは少数のため省略いたします。

特定技能１号の国別ランキング・増加分析（2024年6月末から12月末の半年間）については、以下のページをご覧ください。

以降では、特定技能１号「ネパール人材」の16分野それぞれの就労ルート別の増減数を見ていきます。

特定技能１号「介護分野」の就労ルート

介護分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	2,710人	3,569人	859人
技能実習ルート	33人	32人	-1人

※介護福祉士養成施設修了ルート、EPA介護福祉士候補者ルートは少数のため省略いたします。

特定技能１号「ビルクリーニング分野」の就労ルート

ビルクリーニング分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	117人	119人	2人
技能実習ルート	1人	1人	0人

特定技能１号「工業製品製造業分野」の就労ルート

就工業製品製造業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	1人	1人	0人
技能実習ルート	31人	31人	0人

特定技能１号「建設分野」の就労ルート

建設分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	23人	25人	2人
技能実習ルート	131人	145人	14人

特定技能１号「造船・舶用工業分野」の就労ルート

造船・舶用工業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「自動車整備分野」の就労ルート

自動車整備分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	4人	5人	1人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「航空分野」の就労ルート

航空分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	98人	205人	107人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「宿泊分野」の就労ルート

泊分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	44人	70人	26人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「自動車運送業分野」の就労ルート

自動車運送業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「鉄道分野」の就労ルート

鉄道分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「農業分野」の就労ルート

農業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	621人	591人	-30人
技能実習ルート	60人	49人	-11人

特定技能１号「漁業分野」の就労ルート

漁業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「飲食料品製造業分野」の就労ルート

飲食料品製造業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	129人	151人	22人
技能実習ルート	27人	24人	-3人

特定技能１号「外食業分野」の就労ルート

外食業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	1,346人	1,977人	631人
技能実習ルート	7人	7人	0人

特定技能１号「林業分野」の就労ルート

林業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「木材産業分野」の就労ルート

木材産業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「ネパール人材」の分野別・増加分析（2024年6月末から12月末の半年間）については、以下のページをご覧ください。

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【まとめ】特定技能１号ネパール人材、就労ルート別の増加動向（2024年6月末～12月末）

2024年後半において、ネパール人材の特定技能１号での就労者数は1,620人増加し、特定技能外国人の中でも急成長を遂げた国の一つとなりました。増加の100％が試験ルートによるものであり、技能実習ルートは全体で1人減少という特徴的な結果となっています。

【ルート別傾向】

• 試験ルート：+1,620人
  　介護、外食、航空などを中心に、試験合格による直接受入れが進展。
• 技能実習ルート：-1人
  　受入れ実績は極めて少なく、移行ルートとしてはほぼ機能していない。

【分野別の特徴】

• 外食業（+631人）と介護（+859人）が２大成長分野。
  　いずれも試験ルートが中心で、ネパール人材の得意分野と一致。
• 航空分野（+107人）でも大幅増加。今後の拡大にも期待。

【今後の展望】

ネパール人材は、「試験ルート特化型」かつ「接客・福祉志向型」の特徴が際立っており、制度としての成熟度も高まりつつあるように見えます。今後は以下の対応が重要です：

• 試験対策・日本語教育支援のさらなる拡充
• 就業先での受入体制・定着支援の強化

制度としての試験ルートの運用実績が高まる中、ネパール人材は今後も注目すべき主要国の一つといえるでしょう。

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