2025年5月2日 / 最終更新日 : 2025年6月8日国際行政書士河野尋志特定技能ビザ

特定技能１号［就労ルート］中国篇（2024年6月〜12月統計）｜就労ビザ専門の福岡の行政書士が集計

この記事では、以下の出入国在留管理庁が提供している最新データ（速報値）をもとに、特定技能１号「中国人材」の分野別・就労ルート別の増加状況（2024年6月末から12月末の半年間）を独自に集計してお伝え致します。

https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00215.html

私が主に対応している福岡出入国在留管理局の管轄地域（福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄）でも、中国人材をはじめとする特定技能外国人の受け入れが年々増加しています。外国人材採用を検討中の企業様、人手不足対策として外国人材の活用をお考えの皆さまにとって、有益な最新情報をお届けします。

特定技能１号｜総数・増加数ともに５位の「中国人材」の分野別の就労ルートを解析

総数は５位の「中国人材」は増加数も５位

特定技能１号の「試験ルート」と「技能実習ルート」の違いは？

特定技能１号には大きく２つのルートがあります。それが「試験ルート」と「技能実習ルート」です。

試験ルートとは？

「試験ルート」は、日本政府が実施する技能試験と、日本語能力試験（または同等の日本語試験）に合格することによって、特定技能１号の在留資格を得るルートです。外国人材が特定技能ビザを取得して就労するためのスキルと日本語能力を証明する方式で、技能実習の経験がない方でも挑戦できるのが特徴です。

▼ ポイント

技能試験と日本語試験に合格すればOK
実務経験なしでも受験可能
分野ごとに試験が用意されている

技能実習ルートとは？

技能実習２号を良好に修了した外国人材が、追加の試験を受けずに特定技能１号へ移行できるルートです。技能実習中に日本で実務経験を積んだ実績を評価するため、別途技能試験は不要（日本語能力も基本的に確認不要）で、スムーズに在留資格変更ができます。

▼ ポイント

技能実習２号を修了していることが条件
技能試験・日本語試験は免除される
実務経験があるため、即戦力として期待される

まとめ：「試験ルート」と「技能実習ルート」の違い

ルート	取得方法	特徴
試験ルート	主に技能試験＋日本語試験に合格	未経験者もチャレンジ可能
技能実習ルート	技能実習２号を良好に修了	実務経験あり・試験免除

特定技能１号と２号の違いについては、以下のページで説明しています。

「特定技能ビザ」１号と２号の違いについて

中国人材の特定技能１号就労ルート別・増加数（2024年6月末 → 12月末）

中国人材（特定技能１号）就労ルート別増加数（2024年6月末 → 2024年12月末）

就労ルート	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
全体	15,660人	17,645人	1,985人
試験ルート	3,248人	4,586人	1,338人
技能実習ルート	12,402人	13,049人	647人

※介護福祉士養成施設修了ルート、EPA介護福祉士候補者ルートは少数のため省略いたします。

2024年後半、特定技能１号制度における中国人材の受入れは全体で1,985人の増加を記録し、依然として重要な供給国であることが確認されました。

【ルート別動向】

試験ルートでの増加は1,338人と大きく、全体の伸びの約67％を占めています。
一方、技能実習ルートは647人の増加と安定的ではあるものの、試験ルートの伸びがそれを上回る結果となりました。

これは、中国国内での特定技能試験合格者が増加していること、および試験を通じた直接雇用の仕組みがより活用されていることを示しています。

ポイントまとめ

試験ルート主導の拡大が顕著
技能実習ルートも引き続き堅調に推移
中国人材の受入れは試験ルートへ徐々にシフト中

今後は、中国からの人材受入れにおいて、日本語教育支援や試験対策支援の強化がますます重要になると予想されます。

特定技能１号の国別ランキング・増加分析（2024年6月末から12月末の半年間）については、以下のページをご覧ください。

特定技能ビザ1号の上位14ヶ国ランキング

以降では、特定技能１号「中国人材」の16分野それぞれの就労ルート別の増減数を見ていきます。

特定技能１号「介護分野」の就労ルート

介護分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	828人	884人	56人
技能実習ルート	315人	219人	-96人

※介護福祉士養成施設修了ルート、EPA介護福祉士候補者ルートは少数のため省略いたします。

特定技能１号「ビルクリーニング分野」の就労ルート

ビルクリーニング分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	563人	1,169人	606人
技能実習ルート	35人	41人	6人

特定技能１号のビルクリーニング分野では、中国人材の受入れが試験ルートを中心に大幅増加し、結果、増加数では他国を圧倒して１位でした。ちなみに、２位はインドネシア（＋490人）、３位はミャンマー（＋365人）でした。
2024年後半の半年間で試験ルートは606人増加と急成長し、同分野における主要な就労ルートとなっています。

技能実習ルートでも6人の微増が見られますが、その規模は極めて限定的であり、この分野では実習からの移行ではなく試験合格者の直接受入れが主流です。

ポイントまとめ

試験ルートが急拡大（増加の約99%を占める）
技能実習ルートは限定的な役割
今後も試験ルート主体の人材戦略が有効と考えられる

試験対策支援や日本語教育体制の整備が、今後の人材供給と定着において大きな鍵となるでしょう。

特定技能１号「工業製品製造業分野」の就労ルート

工業製品製造業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	35人	26人	-9人
技能実習ルート	3,050人	3,256人	206人

特定技能１号の工業製品製造業分野では、中国人材の受入れが技能実習ルートを中心に増加し、１位インドネシア（＋828人）、2位フィリピン（＋944人）に続く３位という結果でした。

特定技能１号「建設分野」の就労ルート

建設分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	52人	73人	21人
技能実習ルート	1,698人	2,056人	358人

特定技能１号の建設分野では、中国人材の受入れは着実に増加している印象です。

他国を見てみると、１位ベトナム（＋3,886人）、２位フィリピン（＋944人）、３位インドネシア（＋828人）となっており、この分野ではベトナム人材の存在が際立っています。

特定技能１号「造船・舶用工業分野」の就労ルート

造船・舶用工業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	3人	2人	-1人
技能実習ルート	748人	762人	14人

特定技能１号「自動車整備分野」の就労ルート

就労ルート	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	16人	18人	2人
技能実習ルート	7人	8人	1人

特定技能１号「航空分野」の就労ルート

航空分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	5人	5人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「宿泊分野」の就労ルート

就労ルート	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	36人	37人	1人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「自動車運送業分野」の就労ルート

自動車運送業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「鉄道分野」の就労ルート

鉄道分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「農業分野」の就労ルート

就労ルート	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	163人	200人	37人
技能実習ルート	2,091人	2,189人	98人

特定技能１号の農業分野では、中国人材の受入れは着実に増加している印象です。

他国を見てみると、１位インドネシア（＋868人）、２位カンボジア（＋148人）に続いて、中国人材は３位でした。

特定技能１号「漁業分野」の就労ルート

就労ルート	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	2人	4人	2人
技能実習ルート	123人	129人	6人

特定技能１号「飲食料品製造業分野」の就労ルート

食料品製造業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	615人	700人	85人
技能実習ルート	4,326人	4,382人	56人

特定技能１号「外食業分野」の就労ルート

就労ルート	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	930人	1,468人	538人
技能実習ルート	9人	7人	-2人

特定技能１号の外食業分野でも、中国人材の受入れは着実に増加している印象です。他国を見てみると、１位ミャンマー（＋3,524人）、２位ベトナム（＋1,536人）、３位ネパール（＋631人）で中国人材は４位で、ミャンマー人材の増加数が圧倒的でした。

特定技能１号「林業分野」の就労ルート

林業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「木材産業分野」の就労ルート

木材産業分野	2024年6月末人数	2024年12月末人数	増加数
試験ルート	0人	0人	0人
技能実習ルート	0人	0人	0人

特定技能１号「中国人材」の分野別・増加分析（2024年6月末から12月末の半年間）については、以下のページをご覧ください。

特定技能１号「中国人材」の分野別・増加分析

特定技能外国人材の雇用を検討している企業様へ

外国人材の活用は、日本の人手不足を補うだけでなく、職場の多様性を高める効果もあります。

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技能実習から特定技能への切り替え申請手続き
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【まとめ】特定技能１号の中国人材、就労ルート別の増加動向（2024年6月末～12月末）

2024年後半、特定技能１号制度における中国人材の受入れは堅実に進み、全体で1,985人の増加を記録しました。
そのうち、

試験ルートでの増加：1,338人（全体の約67％）
技能実習ルートでの増加：647人

という結果となり、試験ルートの拡大が鮮明になっています。

【ルート別の傾向】

試験ルートはビルクリーニング・外食業などで顕著な増加が見られます。
　語学力や専門スキルが問われる分野での拡大が目立ちます。
技能実習ルートは、建設・工業製品製造・農業分野などで着実に増加。
　経験者による安定的な人材供給が続いています。

【今後の展望】

今後の中国人材活用には、以下の対応が重要になると考えられます。

試験ルートへの支援強化（日本語教育・職業訓練・試験対策）
技能実習修了者の円滑な移行と定着支援
分野別の人材ニーズに応じた多様な受入れルートの整備

試験ルートと技能実習ルートの“両輪”を活かした受入れ戦略が、今後の持続的な外国人材活用の鍵となりそうです。

今回の説明は以上です。ビザ申請サポート福岡外国人支援センター（国際行政書士河野尋志）ではビザ申請を丁寧に！早く！手続き致します。

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国際行政書士河野尋志プロフィール
企業の取締役として外国人の社員さんと一緒に国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール（多言語ツール）の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。また行政書士業務を始めてからは、様々な在留資格（ビザ）の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えてサポート致します。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格：行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人：1976年生まれ、宮崎県出身、1男2女の父、柔道３段（今は３級くらいの実力）

以下は、特定技能ビザ申請に関する情報一覧です。気になる情報があれば是非ご覧ください。

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