【外国人採用企業様向け】技術・人文知識・国際業務|ビザ不許可を防ぐ厳選ポイント|福岡の行政書士が解説
外国人を採用する企業様にとって、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格(ビザ)の申請をすることが多いのではないでしょうか。しかし、実は申請したにもかかわらず、不許可となってしまう場合も少なくありません。特に、日本の入国管理局は、厳格な審査基準を設けており、企業側がその基準を正しく理解していないと、思わぬ理由で不許可となることがあります。
本記事では、「技術・人文知識・国際業務」ビザの不許可を防ぐために、企業の採用担当者が知っておくべきポイントを解説します。具体的には、よくある不許可の理由とその対策、申請が不許可になった場合の対処法、そして事前準備のポイントについて説明します。
本記事の内容をご理解いただくことで、外国人の採用プロセスをスムーズに進めることができ、不許可のリスクを最小限に抑える一助になるのではと思います。特に、初めて外国人を採用する企業の担当者様にとってガイドラインの一つとなるように構成していますので、ぜひご参考にいただければ幸いです。
- . 【外国人採用企業様向け】技術・人文知識・国際業務|ビザ不許可を防ぐ厳選ポイント
- 1. よくある不許可の理由とその対策
- 1.1. 不許可になりやすいケースとは?
- 1.1.1. (1) 学歴・職歴が基準を満たしていない
- 1.1.2. (2) 業務内容が在留資格に適合していない
- 1.1.3. (3) 申請書類の不備・不一致
- 1.1.4. (4) 給与が日本人と同等以上でない
- 1.2. 申請を確実に通すためのポイント
- 2. 万が一、申請が不許可になった場合の対処法
- 2.1. 不許可の通知が来たら、まずやるべきこと
- 2.1.1. (1) 不許可理由を確認する
- 2.1.2. (2) どの点を改善すべきか分析する
- 2.1.3. (3) 再申請の準備を進める
- 2.2. 再申請できる?別の在留資格の可能性を探る
- 2.2.1. (1) 特定活動
- 2.2.2. (2) 企業内転勤
- 2.2.3. (3) 経営・管理
- 2.2.4. (4) 配偶者ビザ
- 3. 事前準備で不許可リスクを回避!
- 4. 不許可を防ぎ、スムーズな採用を実現!
【外国人採用企業様向け】技術・人文知識・国際業務|ビザ不許可を防ぐ厳選ポイント
よくある不許可の理由とその対策
不許可になりやすいケースとは?
外国人の在留資格申請において、不許可になる理由はさまざまです。特に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、学歴や職歴、業務内容が審査基準を満たしているかどうかが重要なポイント になります。以下は、主な不許可の理由とその詳細です。
(1) 学歴・職歴が基準を満たしていない
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 大学で申請する業務に関連する学問を専攻し、卒業していること
- 本邦の専修学校の専門課程を修了し、専門士の称号を取得していること(一定の条件あり)
- 申請する業務に関連する分野で10年以上の実務経験があること
例えば、経営学を専攻した外国人がプログラマーの仕事をする場合、学歴と業務内容に関連性がないため不許可 となる可能性があります。また、実務経験10年以上の要件は、大学や専門学校での学習期間も含まれますが、証明書類が不足している場合は審査で否認される ケースもあります。
技術・人文知識・国際業務の学歴要件については、以下の記事も参照ください。
(2) 業務内容が在留資格に適合していない
「技術・人文知識・国際業務」は、専門的な技術や知識を要する業務に従事する外国人を対象とした在留資格 です。そのため、単純労働や技術・知識を活かさない業務は認められません。
不許可になりやすい業務例:
- レストランのホールスタッフ
- コンビニエンスストアの店員
- 事務補助業務
- 工場のライン作業
例えば、海外の大学でマーケティングを学んだ外国人を採用したものの、実際の業務が「データ入力」や「受付業務」などである場合、審査では「専門知識を要しない業務」と判断され、不許可になる可能性が高くなります。
(3) 申請書類の不備・不一致
入管に提出する書類の内容が、申請者の経歴や企業の事業内容と矛盾していると、不許可の要因になります。例えば、以下のようなケースが該当します。
- 雇用契約書と業務内容の矛盾(契約上は「マーケティング業務」なのに、実際には受付業務を行う予定)
- 学歴・職歴の証明書類の不備(卒業証明書や雇用証明書がない、もしくは不完全)
- 企業側の財務状況が不安定(会社の決算書が赤字続きで、雇用の安定性に疑問が持たれる)
審査官は、提出された書類を厳しくチェックします。記載ミスや不明瞭な内容があると、追加資料の提出を求められる場合があり、場合によっては不許可となる こともあります。
(4) 給与が日本人と同等以上でない
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するには、日本人が従事する場合と同等額以上の給与を支払う必要があります。例えば、日本人の同職種の社員が月給30万円の場合、外国人の給与が20万円では審査が通らない可能性があります。
対策:
- 日本人と同等、もしくはそれ以上の給与を設定する
- 給与の内訳(基本給・手当・ボーナスなど)を明確に記載する
- 給与に関する根拠を明示できるよう、社内給与規定を整備する
申請を確実に通すためのポイント
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を確実に取得するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
✅ 学歴・職歴の要件を満たしているか確認する
→ 申請者の専攻と業務内容が一致しているか確認し、実務経験が要件を満たしているかチェックする
✅ 業務内容が「技術・人文知識・国際業務」に該当するか確認する
→ 自然科学や人文科学の知識を活かす職種かどうかを精査する
✅ 給与が日本人と同等以上であるかチェックする
→ 適切な給与水準を設定し、契約書に明確に記載する
✅ 必要書類を完全に揃える
→ 卒業証明書、職務経歴書、雇用契約書、企業の財務資料などを適切に準備する
✅ 事前に専門家のアドバイスを受ける
→ 在留資格申請の経験がある行政書士に相談し、申請書類を事前にチェックしてもらう
技術・人文知識・国際業務の詳しい申請情報については、以下のページも参照ください。
このように、不許可のリスクを避けるためには、しっかりと準備を進めることが重要です。次のセクションでは、もし不許可になった場合の対処法について解説します。
万が一、申請が不許可になった場合の対処法
不許可の通知が来たら、まずやるべきこと
外国人の「技術・人文知識・国際業務」ビザ申請が不許可になった場合、企業の採用担当者としては適切な対応を取ることが重要です。不許可通知を受け取った際に、まず確認すべきポイントを以下にまとめます。
(1) 不許可理由を確認する
不許可の通知書には、審査の結果として不許可とされた旨が記載されていますが、具体的な理由は明記されていません。そのため、直接入管に問い合わせて、不許可の理由を確認する必要があります。
入管への問い合わせ方法:
- 入管の窓口に出向き、担当者に直接確認する
- 企業の採用担当者または申請者本人が電話で問い合わせる
- 行政書士を通じて確認してもらう
この際、「どの点が基準を満たしていなかったのか」「不足していた書類は何か」など、具体的なポイントを詳しく聞き出すことが重要です。
(2) どの点を改善すべきか分析する
不許可理由を確認したら、企業の採用担当者として、具体的にどの点を修正すれば再申請が可能かを分析 します。よくある不許可理由ごとの改善方法を以下に示します。
不許可理由 | 改善策 |
---|
学歴と業務内容の不一致 | 申請者の専攻に関連する業務に変更する、または追加の職務説明書を作成する |
実務経験不足 | 追加の職歴証明書を取得し、経験年数を証明する |
書類の不備 | 不足書類を再提出し、内容の一貫性を確認する |
給与が低すぎる | 日本人と同等以上の給与を設定し、労働条件通知書を見直す |
企業の財務状況 | 財務状況を改善するための説明資料を用意する(例えば、資本増強や事業計画の補足) |
このように、審査基準を満たすためにどのような修正が必要なのかを整理し、次の申請に向けて準備を進めます。
(3) 再申請の準備を進める
不許可になった場合、すぐに再申請できるケースもあります。ただし、同じ内容で再申請しても審査は通らないため、必ず修正点を明確にしてから再申請することが重要 です。
再申請の流れ:
- 不許可理由を分析し、修正点を明確にする
- 追加書類を準備し、審査官が納得できる内容にする
- 再申請のタイミングを決める(短期間で再申請すると印象が悪くなるため、1~3か月程度の期間を空けるのが望ましい)
- 専門家のサポートを受ける(行政書士などの専門家に申請書をチェックしてもらう)
再申請できる?別の在留資格の可能性を探る
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が不許可となった場合、別の在留資格で申請できる可能性があるかを検討することも重要です。以下に、代替となる在留資格の例を示します。
(1) 特定活動
「技術・人文知識・国際業務」の要件に該当しないが、専門的な技術を要する業務であれば「特定活動」ビザが適用される場合 があります。また例外的ですが、高度専門職としての条件を満たす場合は、高度人材ポイント制度を活用し、申請することが可能です。
(2) 企業内転勤
海外の親会社や支社から日本法人へ転勤する場合は、「技術・人文知識・国際業務」ではなく「企業内転勤」の在留資格で申請することができます。
適用条件:
- 申請者が海外の関連会社で1年以上勤務している
- 日本法人での業務内容が、海外勤務時と同じか類似している
(3) 経営・管理
申請者が日本で事業を立ち上げる場合や、会社の経営に携わる場合は、「経営・管理」ビザでの申請が可能です。ただし、この在留資格には、一定額の資本金(500万円以上)やオフィスの確保 などの条件があります。
(4) 配偶者ビザ
申請者が日本人の配偶者である場合は、配偶者ビザなど他の在留資格での滞在が可能かどうかも検討するべき場合もあります。(配偶者ビザには就労制限がないため、法律の範囲内でどのような仕事にも就けます)
このように、「技術・人文知識・国際業務」が不許可になった場合でも、他の在留資格での可能性を探ることで、日本での雇用継続が可能になる場合があります。
事前準備で不許可リスクを回避!
申請が不許可になる原因の多くは、「事前準備の不足」です。以下のポイントを確認し、万全の状態で申請を行いましょう。
✅ 業務内容と在留資格の適合性を確認する
→ 企業の事業内容と申請者の業務が適切に一致しているかチェックする
✅ 外国人が持つ学歴・職歴と職務内容を照らし合わせる
→ 学歴や職歴の証明書を事前に用意し、要件を満たしているか確認する
✅ 必要書類を完全に揃える
→ 企業の登記簿謄本、決算書、労働条件通知書、職務内容説明書などを整える
✅ 給与水準が適正かをチェックする
→ 他の日本人社員と同等以上の給与設定を行う
✅ 事前に専門家のアドバイスを受ける
→ 行政書士や専門機関に相談し、申請書の内容を精査してもらう
不許可を防ぎ、スムーズな採用を実現!
外国人採用において、「技術・人文知識・国際業務」ビザの申請が不許可となるのは、多くの場合、事前準備不足や書類の不備が原因 です。本記事で解説したポイントを押さえ、確実な申請を目指しましょう。
✅ 申請前の準備が最も重要!
✅ 学歴・職歴・業務内容を事前に確認する!
✅ 書類の不備をなくし、確実に許可を得る!
企業の採用担当者として、確実に外国人を採用したい場合は、行政書士などの専門家に相談し、適切な申請を行うことが最も確実な方法です。
今回の解説は以上です。ビザ申請サポート福岡 外国人支援センター(国際行政書士 河野尋志)ではビザ申請を丁寧に!早く!手続き致します。ご不明点があればお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料! 福岡を中心に、九州、全国対応が可能で、オンライン(ZOOM、LINE、WeChat、Teamsなど)での面談も対応しております。
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投稿者プロフィール 【行政書士 and 事業サポート 河野尋志】
企業の取締役として外国人の社員さんと一緒に国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール(多言語ツール)の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。また行政書士業務を始めてからは、様々な在留資格(ビザ)の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えて調整できます。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格:行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人:宮崎県出身、48歳、1男2女の父、柔道3段(今は3級くらいの実力)