外国人の就労ビザの費用は誰が負担する?企業と本人の違いを解説|福岡のビザ専門行政書士が解説

就労ビザの費用負担

外国人材を雇用する企業の採用担当者にとって、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務ビザなど)の在留資格変更や更新の費用を誰が負担するのかは重要な問題だと思います。本記事では、以下の内容について詳しく解説します。

  • 就労ビザの変更・更新の費用の詳細
  • 企業と本人のどちらが負担すべきかの考え方
  • 他社の一般的な対応事例
  • 企業が負担するメリット・デメリット
  • 入国管理局での申請手続きのポイント
  • 行政書士に依頼することで得られるメリット
国際
行政書士
河野

私が対応することが多い福岡出入国在留管理局管内(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)でも、「就労ビザの費用負担は誰がするのが普通ですか?」という質問をいただくことが多いです。一般的にはどのように対応しているのか、を経験を交えて解説します。

外国人材の就労ビザの費用は誰が負担する? メリット・デメリットは?

外国人材の就労ビザ更新・変更の費用は誰が負担する?

そもそも「就労ビザ」とは

「就労ビザ」とは「就労を目的とする在留資格(ビザ)」の総称です。外国人が日本で働くためには、法務大臣により定められた就労可能な在留資格を取得する必要があります。

具体的には、以下のような在留資格が該当します:

  • 技術・人文知識・国際業務:企業等で技術職、事務職、語学指導などに従事する場合。
  • 技能:調理師、大工など、熟練技能を必要とする職種。
  • 高度専門職:一定のポイント要件を満たした高度人材に対し、複数の活動や永住に関する優遇措置を提供するもの。
  • 特定技能:特定の産業分野で即戦力となる外国人労働者を受け入れるための制度。

就労ビザの「変更」と「更新」の費用負担

外国人材を雇用する際には、在留資格(ビザ)の取得・維持が必要です。その中でも在留資格「変更」と在留期間「更新」の手続きは、採用担当者にとって避けて通れない管理業務だと思います。そして、多くの企業が悩むのがこの費用は誰が負担するのか?」という問題です。私(国際行政書士 河野尋志)も、会社員時代は外国人材の採用担当も兼ねていたので、誰が負担するべきかで、色々と悩みました。

  • 会社が負担すべきなのか?
  • 外国人本人に負担させても問題ないのか?
  • 他の企業はどうしているのか?

在留資格(ビザ)申請費用の負担について、法的な観点や一般的な企業の対応をご紹介します。

在留資格(ビザ)申請費用の負担に法的義務はあるのか?

結論から言うと、日本の法律では企業が就労ビザの申請費用を負担する義務はありません労働基準法や入管法(出入国管理及び難民認定法)に、企業が外国人社員のビザ更新・変更の費用を負担しなければならないという規定もありません。そのため、本人負担とすることも可能です。

ただし、企業が負担することで外国人社員の定着率を高めることができるため、実際には多くの企業が何らかの形で費用を負担しているのが現状です。

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行政書士
河野

また、費用面の話ではありませんが、外国人雇用企業と外国人社員が果たすべき義務もあります。詳しくは以下の記事にまとめています。

就労ビザの「変更」や「更新」にかかる費用は?

在留資格(ビザ)変更とは?

在留資格(ビザ)変更とは、現在、外国人が持っているビザの種類を「別の種類のビザ」に変更する手続きです。例えば、留学生が卒業後に就職し、技術・人文知識・国際業務ビザに変更する場合が該当します。

在留資格変更にかかる費用
  • 申請手数料:6,000円(許可時に収入印紙で納付/オンライン申請の場合は5,500円)
  • 行政書士への依頼費用:50,000円~200,000円(事務所によって異なる)

弊所の就労ビザの作業・申請費用については、以下のページからご確認いただけます。九州・沖縄エリアでは高くもなく、安くもない、という費用だと思っています。

なお、留学から就労ビザに変更申請する場合の注意点については、以下の記事で詳細を解説しています。

在留期間(ビザ)更新とは?

在留期間(ビザ)更新とは、現在持っている就労ビザの有効期限が切れる前に更新する手続きです。外国人社員が引き続き日本で働くために必要な手続きとなります。

在留期間更新にかかる費用
  • 申請手数料:6,000円(許可時に収入印紙で納付)
  • 行政書士への依頼費用:50,000円~100,000円(事務所によって異なります)

就労ビザの更新時の注意点企業が就労ビザの更新を管理するメリットについては以下の記事にまとめています。

転職で外国人材を雇用する際の就労ビザ更新申請の注意点については、以下の記事にまとめています。

国際
行政書士
河野

なお、海外に住む外国人材を採用する場合(外国人を呼び呼び寄せる場合)の在留資格認定証明書交付申請の費用は、外国人が海外にいることもあり、ほとんどの場合は採用企業が負担するのが一般的だと思います。

在留資格(ビザ)申請費用は会社と本人のどちらが負担するべき?

在留資格(ビザ)申請費用の負担について、一般的な企業の対応を見てみましょう。

一般的な企業の対応

1. 企業が全額負担するケース(最も多いケース)

  • 企業が福利厚生の一環として負担
  • 外国人社員の安心感を高めるため

2. 本人が全額負担するケース

  • 会社が負担義務を負わないと判断
  • 社員の自己責任で申請させる方針

3. 企業と本人で折半するケース

  • 企業が行政書士費用を負担し、本人が手数料を支払う
  • 双方に負担を分散させる形
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いずれのケースも正解、不正解はなく、企業様の方針で決定されます。ちなみに、私(国際行政書士 河野尋志)の前職の企業では外国人の方に負担してもらっていました。個人的には会社が負担すべきと考えており代表とも交渉しましたが、結果、代表判断で外国人の方の負担ということになりました。

福岡で就労ビザの変更・更新をスムーズに進めたいとお考えの場合|福岡入国管理局対応

福岡など九州・沖縄で就労ビザの申請を行う場合、福岡入国管理局管轄(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)での手続きとなります。

福岡入国管理局管内での申請ポイント

  • 申請書類の準備に不備がないよう注意
  • 在留資格ごとの審査基準を理解しておく
  • 申請時期を適切に設定(更新の場合は期限の3か月前から可能)
国際
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河野

弊所では、福岡など九州・沖縄でのビザ申請代行を中心に対応しております。どうぞお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料、オンランでの面談にも対応しております。

よくあるご質問と回答

企業が就労ビザの費用を負担する法的義務はありますか?

企業が費用を負担する法的義務はありません。労働基準法や入管法には、企業が外国人社員のビザ費用を負担する義務についての規定もありません。そのため、企業の方針によって本人負担にすることも可能です。ただし、多くの企業は人材確保や定着率向上のために費用を負担しています。

在留資格「変更」と「更新」の違いは何ですか?

在留資格変更は、現在のビザの種類を別の種類に変更する手続きです(例:留学生が卒業後に「技術・人文知識・国際業務」ビザに変更する)。一方、在留期間「更新」は、現在持っているビザの有効期限を延長する手続きです(例:現在の就労ビザが1年で、さらに1年延長する)。

就労ビザ申請の手続きはどれくらいの期間がかかりますか?

変更・更新ともに審査期間は1~3か月程度です。ただし、審査状況や混雑具合によって変動するため、余裕を持った申請をおすすめします。特に在留期間更新の場合、期限の3か月前から申請が可能なので、早めに手続きを進めると安心です。

就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)の審査期間について詳しくは、以下のページで詳細を記載しています。

短時間の動画でも就労ビザの審査期間について解説しています。

企業が就労ビザ申請費用を負担するメリットは何ですか?

企業が費用を負担することには、以下のようなメリットがあります。

  • 優秀な外国人材の確保がしやすくなる(企業のサポートが手厚いと求職者にアピールできる)
  • 社員の定着率が向上する(手続きの負担を軽減し、会社への信頼感を高める)
  • ビザの不備によるトラブルを回避できる(企業が管理することで、不許可や失効を防ぐ)

企業が費用を負担するデメリットはありますか?

負担するデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • コストがかかる(特に複数の外国人社員を雇用する場合、費用負担が大きくなる)
  • 手続きを企業側で行う必要がある(行政書士に依頼すれば負担は軽減できるが、費用は発生します)

就労ビザの費用を本人負担にする場合、会社として気をつけるべき点は?

本人負担にする場合、以下の点に注意しましょう。

  • 採用時に事前に明確に伝える(後からトラブルにならないよう、雇用契約書や就業規則に明記する)
  • 本人が適切に手続きを行えるか確認する(不備があるとビザが不許可になり、結果的に企業の雇用計画にも影響が出る)

行政書士に依頼するメリットは?

行政書士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。

  • 申請書類のミスを防げる(不備があると審査が遅れたり、または不許可になる可能性があります)
  • 入管法の最新情報を把握し、適切な申請ができる(制度変更に対応)
  • 企業の状況に合わせた最適な申請方法を提案できる(個々のケースに応じたアドバイスが可能)
  • 福岡入国管理局での申請に強い行政書士なら、地域特有の対応にも慣れている

また就労ビザ申請では多くの場合、外国人材が所属する企業の法定調書合計表の提出が求められるため、外国人が自身で費用負担して申請する場合、法定調書合計表を所属企業から受け取ることになります。行政書士に依頼する場合、法定調書合計表を外国人社員に渡す必要がないというメリットもあります。詳細は以下の記事で解説しています。

弊所では、技術・人文知識・国際業務ビザ、特定技能ビザなどの申請代行のご依頼を多数承っています。

福岡で就労ビザの更新・変更をする場合、どこで手続きできますか?

福岡でのビザ申請は福岡入国管理局で行います。所在地は以下の通りです。
住所:福岡県福岡市中央区舞鶴3-5-25 福岡第1法務総合庁舎
受付時間:9時~12時、13~16時 (土・日曜日、休日を除く)

自社で申請する場合は福岡入国管理局公式ホームページからご確認ください。

福岡入国管理局でのビザ申請はオンラインでもできますか?

在留期間更新申請はオンライン申請を利用できます。ただし、事前手続きが必要です。詳細は出入国在留管理庁の公式サイトで最新情報を確認するか、弊所にご相談ください。

在留資格の変更・更新をする際、企業が提出すべき書類はありますか?

企業が提出すべき書類はケースによって異なりますが、一般的には以下のものが必要です。

  • 雇用契約書のコピー(勤務条件が分かるもの)
  • 会社の登記事項証明書(会社の実態を証明するため)
  • 決算書や納税証明書(会社の経営状況を示す資料)
  • 事業内容説明書(特に新設企業の場合、事業の実態を説明する資料)

他にも、企業や採用する外国人の方の状況によって用意するべき(もしくは提出した方が審査がスムーズに進行する)書類が複数あります。自社で申請のお考えであれば、出入国在留管理庁の公式ホームページから必要書類をご確認いただけます。

もし就労ビザ申請が不許可になった場合、どうすればいいですか?

不許可になった場合、以下の対応が可能です。

  1. 不許可理由の確認(入国管理局で理由を聞くことができる)
  2. 再申請の可否を検討(不備が軽微な場合は修正して再申請可能)
  3. 行政書士に相談(専門家のサポートを受けて適切な対応を取る)

福岡で外国人社員の就労ビザに関するお悩みがあれば、弊所にご相談ください。

【初回相談無料九州・沖縄の就労ビザ申請代行なら弊所へ

福岡入国管理局管内(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)での在留資格(ビザ)申請をスムーズに行いたいとお考えの企業様は、ぜひ弊所へご相談ください。

福岡入国管理局での申請実績多数
企業の状況に合わせたアドバイスを提供
初回相談無料!まずはお気軽にお問い合わせください

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行政書士
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弊所のサービス内容や価格、手続きの流れ、許可の可能性診断につきまして無料相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。オンライン(ZOOM、LINE、WeChat、Teamsなど)での面談も対応しております。

技術・人文知識・国際業務ビザ申請代行
国際行政書士 河野尋志

投稿者プロフィール 【行政書士 and 事業サポート 河野尋志】
企業の取締役として外国人の社員さんと一緒に国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール(多言語ツール)の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。また行政書士業務を始めてからは、様々な在留資格(ビザ)の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えて調整できます。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格:行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人:1976年生まれ、宮崎県出身、1男2女の父、柔道3段(今は3級くらいの実力)

以下は、就労ビザ申請に関する情報一覧です。気になる情報があれば是非ご覧ください。

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