【アニメ、ファッション・デザイン、食などを学んだ留学生篇】就労ビザの許可・不許可事例|福岡のビザ専門行政書士が解説

在留資格(ビザ)の審査を行い、許可・不許可の決定をするのは出入国在留管理庁の審査官さん(法律上は法務大臣ですが、実務上は審査官さん)だけなので、彼らの事例から学ぶのが最も実践的です。事例は、詳細は以下ホームページからご確認いただけます。
https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan69.html
今回の記事ではアニメ、ファッション・デザイン、食などを学びに日本に来た外国人の方々(留学生)が、引き続き日本で働くことを希望する場合に、留学ビザから、技術・人文知識・国際業務ビザや特定活動ビザに変更申請した場合の許可14事例、不許可7事例を取り上げます。
- . 【アニメ、ファッション・デザイン、食などを学んだ留学生篇】在留資格(ビザ)の許可・不許可事例(入国管理局発表)の解説【最新版】
- 1. 許可された事例
- 1.1. 【アニメーション分野の許可事例 01】
- 1.2. 【アニメーション分野の許可事例 02】
- 1.3. 【アニメーション分野の許可事例 03】
- 1.4. 【ファッション・デザイン分野の許可事例 04】
- 1.5. 【ファッション・デザイン分野の許可事例 05】
- 1.6. 【ファッション・デザイン分野の許可事例 06】
- 1.7. 【ファッション・デザイン分野の許可事例 07】
- 1.8. 【ファッション・デザイン分野の許可事例 08】
- 1.9. 【美容分野の許可事例 09】
- 1.10. 【美容分野の許可事例 10】
- 1.11. 【食分野の許可事例11】
- 1.12. 【食分野の許可事例12】
- 1.13. 【食分野の許可事例13】
- 1.14. 【食分野の許可事例14】
- 2. 不許可の事例
- 2.1. 【アニメーション分野の不許可事例 1】
- 2.2. 【ファッション・デザイン分野の不許可事例 2】
- 2.3. 【ファッション・デザイン分野の不許可事例 3】
- 2.4. 【ファッション・デザイン分野の不許可事例 4】
- 2.5. 【美容分野の不許可事例 5】
- 2.6. 【美容分野の不許可事例 6】
- 2.7. 【食分野の不許可事例 7】
【アニメ、ファッション・デザイン、食などを学んだ留学生篇】在留資格(ビザ)の許可・不許可事例(入国管理局発表)の解説【最新版】
許可された事例
【アニメーション分野の許可事例 01】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校においてマンガ・アニメーション科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、コンピュータ関連サービスを業務とする会社においてキャラクターデザイン等のゲーム開発業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・マンガ・アニメーション科の学歴と、キャラクターデザイン業務の関連性が認められること
・ゲーム開発の一環として専門知識を活かす業務であり、「技術・人文知識・国際業務」に該当すること
【アニメーション分野の許可事例 02】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校においてマンガ・アニメーション科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、アニメ制作会社において、絵コンテ等の構成や原画の作成といった主体的な創作活動に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・マンガ・アニメーション科の学歴と、絵コンテ・原画制作業務の関連性が認められること
・アニメ制作において専門知識を活かす業務であり、「技術・人文知識・国際業務」に該当すること
【アニメーション分野の許可事例 03】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校においてマンガ・アニメーション科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、アニメ制作会社において、入社当初の6月程度背景の色付け等の指導を受けながら行いつつ、その後は絵コンテ等の構成や原画の作成といった主体的な創作活動に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・マンガ・アニメーション科の学歴と、アニメ制作業務(絵コンテ・原画制作)の関連性が認められること
・6か月の研修期間後に主体的な創作活動を行うことが明確であり、単なる補助業務にとどまらないこと
・アニメ制作の専門知識を活かす業務であり、「技術・人文知識・国際業務」に該当すること
【ファッション・デザイン分野の許可事例 04】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校においてデザイン科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、デザイン事務所においてデザイナーとして創作業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・デザイン科の学歴と、デザイン事務所での創作業務の関連性が認められること
・デザイン業務は専門知識を必要とする業務であり、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当すること
【ファッション・デザイン分野の許可事例 05】
公開された事例引用
大学の工学部を卒業した外国人が、自動車メーカーにおいてカーデザイナーとして自動車デザインに係る業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・工学部の学歴と、自動車メーカーにおけるカーデザイン業務の関連性が認められること
・カーデザイン業務は、専門的な工学知識とデザイン技術を活かす業務であり、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当すること
【ファッション・デザイン分野の許可事例 06】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校においてデザイン科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、服飾業を営む会社においてファッションコーディネーターとして商品の企画販促や商品ディスプレイの考案等に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・デザイン科の学歴と、ファッションコーディネーター業務(商品企画・販促・ディスプレイ考案)の関連性が認められること
・業務内容が専門知識を必要とする職務であり、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当すること
【ファッション・デザイン分野の許可事例 07】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校においてデザイン科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、服飾業を営む会社の海外広報業務を行う人材として採用された後、国内の複数の実店舗で3か月間販売・接客に係る実地研修を行い、その後本社で海外広報業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・デザイン科の学歴と、服飾会社での海外広報業務の関連性が認められること
・3か月間の実地研修が短期間であり、最終的に専門知識を活かす業務に従事することが明確であるため、適正な研修計画と認められること
・業務内容が専門知識を必要とする職務であり、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当すること
【ファッション・デザイン分野の許可事例 08】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校においてデザイン科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、服飾業を営む会社において、パタンナーとして、裁断・縫製等の制作過程を一部伴う創作活動に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・デザイン科の学歴と、パタンナー業務(パターン作成・試作業務)の関連性が認められること
・裁断・縫製が単なる反復作業ではなく、創作活動の一部として認められること
・業務内容が専門知識を必要とする職務であり、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当すること
【美容分野の許可事例 09】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校において美容に関する専門課程を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、海外展開を予定する化粧品会社における海外進出準備のための企画・マネジメント業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・美容専門課程の学歴と、化粧品会社における海外展開準備業務の関連性が認められること
・業務内容が専門知識を必要とする職務であり、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当すること
【美容分野の許可事例 10】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校において美容に関する専門課程を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、ヘアーウィッグやヘアーエクステンション等の商品開発及び営業販売の業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・美容専門課程の学歴と、ヘアーウィッグ・エクステンションの商品開発および営業販売業務の関連性が認められること
・業務内容が単なる販売業務ではなく、専門知識を必要とする職務であり、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当すること
【食分野の許可事例11】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校において栄養管理学等に係る課程を卒業し、専門士の称号を取得した外国人が、食品会社の研究開発業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・栄養管理学の学歴と、食品会社の研究開発業務の関連性が認められること
・業務内容が専門知識を必要とする職務であり、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当すること
【食分野の許可事例12】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校において経営学に係る学科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、飲食店チェーンの海外展開業務を行う人材として採用された後、本社における2か月の座学を中心とした研修及び国内の実店舗での3か月の販売・接客に係る実地研修を行い、 その後本社で海外展開業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・経営学の学歴と、飲食店チェーンの海外展開業務の関連性が認められること
・3か月間の研修が、業務に必要な知識を習得する目的で行われるものであり、単なる販売・接客業務ではないと判断されたこと
・業務内容が専門知識を必要とする職務であり、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当すること
【食分野の許可事例13】
公開された事例引用
本邦(日本)の調理師養成施設において調理師免許の取得資格を得た外国人が、農林水産省が実施する「日本の食文化海外普及人材育成事業」の対象となって、5年間調理に関する技能を要する日本料理の調理に係る業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
「日本の食文化海外普及人材育成事業」の対象となる場合
「日本の食文化海外普及人材育成事業」は、日本料理の技術を学んだ外国人が、その技術を本国などで広めることを目的とした制度です。本事例では、申請者がこの事業の対象者であるため、通常は在留資格「技術・人文知識・国際業務」で認められない調理業務が、特定活動の枠組みで許可される特例となっています。具体的には、特定活動ビザ(本邦の日本料理店等で5年間の調理業務を認めるもの)として許可され、本国に戻った後も日本料理の普及活動に従事することが期待される人材として認められます。
「日本の食文化海外普及人材育成事業」について、詳しくは農林水産省の該当ホームページを参照ください。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/ikusei
なお、食の分野の在留資格(ビザ)として特定技能ビザ(1号)もあります。特定技能ビザについて、以下のページや画像資料を参照ください。(補足:外国料理の調理師として就労する場合には技能ビザの選択肢もあります)

【食分野の許可事例14】
公開された事例引用
フランス国籍を有する者がドイツにおいてイタリア料理の調理師として10年間活動した後、我が国においてイタリア料理の調理に係る業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・10年間のイタリア料理の調理経験があり、職歴と業務内容の関連性が認められること
・「技能」の在留資格要件(10年以上の実務経験)を満たしていること
・業務内容が専門技術を要するものであり、「技能」の在留資格に該当すること
不許可の事例
【アニメーション分野の不許可事例 1】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校においてマンガ・アニメーション科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、アニメ制作会社において、主体的な創作活動を伴わない背景画の色付け作業等の補助業務にのみ従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・マンガ・アニメーション科の学歴と、補助業務に限定された業務内容の関連性が認められないこと
・業務内容が主体的な創作活動を伴わず、専門性が不足しているため、「技術・人文知識・国際業務」に該当しないこと
【ファッション・デザイン分野の不許可事例 2】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校においてデザイン科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、服飾業を営む会社において、主体的な創作活動を伴わない裁断・縫製等の制作過程に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・マンガ・アニメーション科の学歴と、補助業務に限定された業務内容の関連性が認められないこと
・業務内容が主体的な創作活動を伴わず、専門性が不足しているため、「技術・人文知識・国際業務」に該当しないこと
【ファッション・デザイン分野の不許可事例 3】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校においてデザイン科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、 服飾業を営む会社の店舗において専ら接客・販売業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・デザイン科の学歴と、接客・販売に限定された業務内容の関連性が認められないこと
・業務内容が専門知識を活かすものではなく、単純労働とみなされるため、「技術・人文知識・国際業務」に該当しないこと
【ファッション・デザイン分野の不許可事例 4】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校において主に経理を学んで卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、衣料品販売店において専ら販売業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・経理を学んだ学歴と、衣料品販売業務の関連性が認められないこと
・業務内容が専門知識を活かすものではなく、単純労働とみなされるため、「技術・人文知識・国際業務」に該当しないこと
【美容分野の不許可事例 5】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校において美容学科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、美容師やネイリストとして業務に従事するもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・美容学科の学歴と、美容師・ネイリストの施術業務は、「技術・人文知識・国際業務」の対象とはならないため関連性が認められないこと
・業務内容が手作業による技能を主とするものであり、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格には該当しないこと
なお、ネイリスト、マッサージ師、エステティシャンが就労できる在留資格は2025年2月現在ではありませんが、美容師については外国人美容師育成事業の対象となれば就労できる制度があります。詳しくは以下の内閣府ホームページを参照ください。
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/biyousiikusei.html
【美容分野の不許可事例 6】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校において美容学科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、海外展開を予定する化粧品会社に雇用され、同社の海外進出準備のための企画・マネジメント業務を行うため1年間の座学及び実地研修を行うとして申請があったが、実際には、同社で同じ業務に就く日本人は4か月で実地研修が終わるのに対し、当該外国人については店舗を替えながら実地研修をするという名目で1年間に渡って販売・接客業務をさせる計画であったことが、審査の過程で明らかになったもの。

【許可理由の説明(予想含む)】
・美容学科の学歴と、実際の業務内容(販売・接客業務)が関連していないこと
・実務研修が名目上のものであり、長期間の販売・接客業務が含まれるため、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で許容される研修の範囲を超えていること
【食分野の不許可事例 7】
公開された事例引用
本邦(日本)の専門学校において経営学に係る学科を卒業し、専門士の称号を付与された外国人が、飲食店チェーンにおいて3年間の滞在予定で海外展開業務を行うとして申請があったが、実際には、入社後2年間は実地研修の名目で店舗での調理・接客業務に従事させる計画であったことが審査の過程で明らかになったもの。
今回の解説は以上です。ビザ申請サポート福岡 外国人支援センター(国際行政書士 河野尋志)ではビザ申請を丁寧に!早く!手続き致します。ご不明点があればお気軽にご相談ください。初回ご相談は無料! 福岡を中心に、九州、全国対応が可能で、オンライン(ZOOM、LINE、WeChat、Teamsなど)での面談も対応しております。
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投稿者プロフィール 【行政書士 and 事業サポート 河野尋志】
企業の取締役として外国人の社員さんと一緒に国際業務に取り組んで15年間、多くのインバウンド事業や外国語ツール(多言語ツール)の作成、貿易業務の調整に取り組んできました。また行政書士業務を始めてからは、様々な在留資格(ビザ)の申請経験も重ねてきました。外国人の皆さんの気持ち、日本の行政の考え方、企業の管理者の立場を考えて調整できます。どうぞ、お気軽にお問合せください。
●資格:行政書士・通関士有資格者・総合旅行業務・国際ビジネス法務
●個人:宮崎県出身、1976年生まれ、1男2女の父、柔道3段(今は3級くらいの実力)